2021年12月29日水曜日

感謝の心でしめくくり。2021年

 激動の2021年が終わる。改めて1年の棚卸しをすると、私は濃密で挑戦の1年であった。

憎きコロナは2年越しで就労と外出を奪い、先行き不安のコロナ鬱を拡大させ、自殺者はコロナでの死亡者を上回るという悲しい事態まで招いた。

こんな環境下で発売した「シンピュルテ」は「香りで心を切り替える」のスキンケアコンセプトが受け入れられ、お客様から好評を博している。

慶應大・満倉教授の脳波解析でマインドフルフレグランスがストレス軽減や集中力増幅が実証され、お客様の好反応に今までの苦労が報われる。

新ブランドの2年目は忙しくなるが、老体の私は最近、帰宅・風呂・メシ・即寝落ちが、週2もあるのは困ったもんだ。

一方、家内は益々元気で、娘は社会人、息子は大学でそれぞれ3年目突入。そりゃ皆色々あるが、健康であれば申し分なしだ。


来年は運気も味方に!


さて、感染激減の安堵も束の間、今はオミクロンに怯える。3回接種の前倒しと特効薬待ちの我々は、当面は臆病なままで過ごすしかなさそうだ。

ところで来年の干支は寅年。寅は「動く」の意味で新しい息吹き。特に来年は36年ぶりの「五黄の寅」に当たり、運気に満ちた年になりそうだ。

生活は自粛でも来年は「雲外蒼天」を信じ、新たな挑戦と飛躍の年にしたい。曇り空の困難を越えた先には、青空が広がっているのだ。


謹んで、本年のご厚情とブログのお付き合いに深く感謝致します。そして来年も倍旧のご指導ご鞭撻を、何卒宜しくお願い申し上げます。

皆様の穏やかな越年を心よりお祈りします。






2021年12月12日日曜日

学ぶのは自分だよ。

昔から 「学生の本文は勉強」と言われ、私も子どもによく言った。大概この勉強とは、受験生が一喜一憂するテストや偏差値の学力値を指す。

しかし本来「勉強」とは、努力して困難に立ち向かうという意味で「未来の自分」に身につけたい事を学びながら、果敢に成長する事である。

高校生ゲーマーがプログラマー目指し、自主的に学び始めたら「そんな事より受験勉強」と親が言う。専門校や工学部受験はプログラマーへの手段であるが、学びたい芽を摘まないようにしたい。


最も案ずるのは、安易に偏差値で選んだ学部で、単位以外の学びもせずに、将来像もフワッとしたまま就職。これは社会に出てから苦労する。

先ず、社会人の常識や人間関係を学ぶのは必須。そこからスキルや専門分野を習得する。入社2年目の娘も、幅広く学ぶのに苦労している。

途中で嫌になったら転職サイト。転職がキャリアアップに繋がるなら結構だが、嫌だから辞めようは、この先も進歩なき転職を繰り返すだけだ。


人生が夢を作るんじゃない。夢が人生を作るんだ。


さて我が息子。大学柔道で上達しているが、今の戦績ではトップレベルには遠く及ばない。関東でも上位に抜きん出る壁は厚いのが現実だ。

先日家内に「貴方が柔道に固執してる」と言われドキッとした。息子が選考会で負けたと聞くと、勝てた相手になぜ?と本人以上に悔しがる私がいる。「親がヤキモキしたら何か変わるの」とも問われ、己の心情を冷静に考えてみた。

私は大学時代、広告宣伝の世界を諦めメーカーを選んだ。心のどこかに夢を諦めた「悔恨」を息子の夢に重ね、初志貫徹を息子に託していた気がする。

息子の応援はいつしか「我が夢」になっていた。しかし、今の実力ではこの先柔道でメシが食えない事を、一番分かっているのは本人で、今後の夢を本気で模索し始めたようだ。

今こそ、私の身勝手さや息子への負荷を解き放ち「子離れ」する時である。そう、柔道にどう向き合うかは息子であり私ではないのだ。

大谷翔平も記した「人生が夢を作るのでなく、夢が人生を作る」は深い。夢で作れた人生だから、夢を修正した事を悔恨するより、その先の生き方に悔恨を残さない事が大切なのだ。

柔道の強い子弟関係、敗北を越えた経験、新設ゆえの道程もこの先必ず役に立つ。そんな彼が掴んだ夢の変化も「信じて見守ろう」と思うに至った。

偉そうに人に学べと言う前に「お前が学べ」は、私に向けた言葉であった。








2021年11月26日金曜日

大学柔道物語④非日常の世界。

 大学柔道も延期された大会が始まっている。各大会に出場する選手は練習に熱が入る。

大学日本一を争う7人団体戦「全日本学生柔道優勝大会」の帝京平成大の初戦は、何と天理大学。金メダルの大野将平を輩出した強豪である。

男子1回戦、帝京平成大は残念だが天理大に敗れてしまった。初の全国出場での負けも貴重な経験だ。決勝戦は東海大が筑波大を下し、男子も東海大学が柔道日本一の座を堅持した。

大学柔道はレベルが違う。高校に比べ体格も試合の攻防戦も一段と長けてくるので、試合が緻密で面白くなる。大学生が一般の国際大会でも活躍するので、考えれば当然である。


息子たち柔道部の日常は、指導者の支えもあり、みな楽しそうだ。1回生が下僕と化す大学もある中で新設は悪しき慣習もなく、最上級生が優しい2回生なので真面目で平和なもの。

しかし平和とは言え、一般人には耳の潰れたマッチョは異質に映る。電車内で人に避けられると少し落ち込む柔道部。彼らの日常を知ると印象も変わるかもしれない。


柔道部の日常は非日常か。


先日、仲間が楽しそうにバリカンで五厘坊主にしている動画を見た。聞くと柔道部員の総意で、練習に遅刻3回で坊主頭!と決めたらしい。今更と笑ったが、丸坊主からやっと解放された彼らだから、大学生での丸刈り罰則は効果的なのだ。

帝京平成大の練習は小野監督と三戸コーチのもと、日曜以外は朝7時の朝練と授業後の夜練の一日2回にプラス筋トレと充実した日課である。

学生寮がない為、皆アパート住まいの自炊生活で、ちゃんこ鍋は肉の取り合いで揉めるらしい。息子は学食では足りず、タッパに白米と増田先生ご提供のハンバーグや牛丼を詰め、朝と昼2食分の手弁当を持参している。マメな行動に驚いた。

1回の練習だけで、体重はかなり落ちるので毎日が飢餓状態だ。まるで排気量は多いが、燃費の悪い重量級の戦車と軽量級はジープのようだ。

柔道部は皆がこんな生活。金と時間に余裕があれば、お洒落や女性の話に花も咲くが、今は「食欲」に支配されている?が真相は不明。

そんな柔道部5人が我が家に宿泊。一升半の酢飯と大量具材で手巻き寿司、寸胴の豚汁と唐揚げと肉団子も瞬時に無くなる。翌朝もしっかり平らげ嬉しそうに帰ったが、片っ端から食べ尽くす姿に、家内シェフが一番嬉しそうで「又いつでもおいで」と言っていた。💦


因みに帝京平成の女子サッカー部は日本一。何事もサッカー部優先で新米の柔道部は肩身が狭かったが、1部昇格で筋トレ利用時間が増えたと喜んでいた。更に戦績をあげ予算獲得して「柔道部、ここにあり」の存在感へと繋げるしかない。


宿泊した日、彼らは我が家から覗くスカイツリーを「初めて見た」と喜んだ。練習で夜遅くに帰宅、自炊、道着洗濯に追われ帰省も東京見物も叶わない。側からは非日常でも、彼らには当たり前の日常には感嘆するが、少しだけ切ない。

新設で無名の柔道部だが「雑草魂」は育っている。一期生の息子達は来春3回生。大学柔道界に少しでも痕跡を残し、将来も固める時期がきた。

私の願いは一つ。負けて心折れるより、ケガでの挫折だけは絶対するな!である。












2021年11月8日月曜日

時間がない!

 2021年もあと一月半で終わる。コロナ2年目に慣れたのか、あっという間に時が過ぎる。

感染激減で自粛も緩むが、すっかり臆病な私は、浮かれもせず飲み会も控える。そもそも正常な生活の定義などなくなり、環境次第で変えるしかない。

それでも、時の流れだけは万人に公平に与えられるが、その時間の価値は本人次第で変わる。足りないと嘆く方、逆に持て余す方のどちらも共通するのは、時間の過ごし方の整理が必要だということ。

例えば、大半を占める緊急で重要な案件に費やす時間。多くは期限付き業務やトラブル。かつて私はトラブルで振り回された。不祥事では幹部が忙殺、商品回収は全社員が辛い時間を経験した。

次のフュージョンでは「アンビシャス上場」までの時間を共有した。2017.2.23会長が五穀豊穣を願い上場の鐘を5回打ったシーンは忘れられない。

ジモスの初年度は、緊急で重要なトラブルに追われたが、今はブランド成長に向けての時間がもっと欲しい。そんな時、つい「時間がない」とぼやいてしまう。忙しいとそれを連発するが、その分ストレスは倍増するので気をつけたい。


時間管理をマトリックスで考える



人格が人生を決める。で著名なスティーブンコビーが「7つの習慣」で提唱した時間管理マトリックスで再度自分自身を見直してみたい。

第1領域①:緊急で重要な業務      
第2領域②:緊急でないが重要 
第3領域③:重要でないが緊急      
第4領域④:緊急でも重要でもない

緊急で重要な①は期限付き業務やクレーム対応でマスト事項。②は事業計画策定や危機管理上の回避対策など。これで①を低減させたい。③は緊急だが重要でない無駄な会議や報告。④は多くの電話や待ち時間なので極限まで減らすべき時間。

次に業務を「目的と手段」に分けると、決めた手段に振り回されるのが分かる。特に①③領域では、手段が目的化して「本末転倒」が横行する。

会社は役割で動くので、幹部ほど刹那的な案件を減らす為、中長期計画、事業方針、危機管理対策に時間をかけるべきだ。一度、自分の時間をマトリックスで捉えるとよく分かる。

現実は①に追われるのも事実。そこで日常をオフにした合宿などで②をスケジュール化するのだ。②の確保には、③④領域の職位毎での縮小を本気で検討したい。効率化と内製化と外部委託の検討、そして非効率の仕事は止める勇気も必要だ。


こうして「先を見据えての今」を認識すると、意識と視座まで大きく変わるから不思議だ。

レンガを運ぶ2人に「今何してる」と尋ねた。1人は「右から左へレンガを移動している」、2人目は「皆のためレンガの橋を作っている」と答えた。同じ作業の捉え方でこれだけ異なる。まさに見据えた先を語ると、本人も周りも意識とモチベーションが変わってくる。

私たちは中長期に影響を及ぼす戦略から、短期の戦術をどう積み重ねるかだ。これは人生と同じで結婚・育児・住居は中長期として検討して、戦術である日々の営みを組み立てる。

因みに、我が家での夫婦円満の秘訣は、中長期の戦略決定権は殆ど奥様に譲ることだ。


いずれ私も引退すると④重要でも緊急でもない時間が訪れる。以前も書いた「今日行く所(教育)と今日の用事(教養)を仕込むため、今のうちに趣味と人脈作りを拡大しないと大変なことになる。実は最も大切で難関な課題である。

さて、今日は「夢の明日へと繋がる一日」であったかどうか、厳しく自問自答してみたい。






2021年10月16日土曜日

心の声をきく。

 「発言」に自分の想いと感情をしっかり乗せて表現すると言葉は「言霊ことだま」に変わりパワーを持つ。それは相手の魂を揺さぶる力を持つ。

決して大きな声で、気負って話すことではない。伝えたい気持ちを強く持ち、相手の反応に合わせて言葉のトーンやリズムを変えるのだ。

言葉を言霊にするコツは、話し方に「間・まをとる」ことを私は講演経験で学んだ。聴く側の「心の声」と対話する想定で語ると間をとる事になる。

例えば「…これで売上は上がります」と言って一呼吸して見渡す。会場の大半が『本当かな』と心でつぶやく。このつぶやきを心で聞く時間を取り「そうです!上がります。但し途中で止めたり、中途半端はいけません」と繋げる。そして反応をみる。

落語家は左右の肩で人物を分け、声色と表情を替えて見事に演じるが、講演も商談も相手の反応を観ながら間を取るので、とても参考になる。

話術上達には落語が実に効果的。今更と思わず一つ好きな演目の完コピなら楽しい。私は枝雀の「代書屋」を覚えたが今は忘却の彼方だ。💦

挨拶でも「お早うございます」と言ったら、返事が無くても「お早うございます」と心の声を聞いてから次を続ける。焦って、相手の挨拶の途中で「本日は…」と被せてしまうと、事務的とかヒトの話を聞かないという印象を与えてしまう。


ヒトの話を聞け!


話す側より相手が傾聴モードにさせるのも重要だ。私は初講演は冒頭にプライベートな自己開示をして、先ず私に興味を持って頂くようにする。

もう一つ「オウム話法」も大切。相手の言葉をそのまま反復する話法で、先方が「この人、私の話を聞いてくれる」と認識し心を開く効果がある。

「やってられない」と言われたら「やってられないですか」と受けてから「何がやってられないの?」と続ける。「嫌な事がありましたか」は絶対ダメ。違う言葉に置き換えたら、相手は私の話を聞いてないと思ってしまう。

同じ言葉を、やまびこのように繰り返すから効果的なのだ。別名エコー話法。

お客様が肌が「カサカサ」すると言えば、何処が「カサカサですか」と返す。それを「水分不足」ですね、と返すから立ち位置を替えられ、化粧水を売ろうとされると構えてしまうのだ。

話し上手は聞き上手。積極的傾聴の先には、揺るぎない信頼関係が待っている。

以前日本一の美容部員に同行取材したが、彼女はお客様の心の声を聴く天才だった。相手の仕草から悩みを察知し、絶妙な相槌とオウム話法でしっかり聞き出し信頼されるのだ。

彼女は、お客様の家庭や仕事の話を傾聴し頷くだけ。その間、相手の手を揉み頬に触れ「だからお肌が悲鳴あげてる」と一言。最後は、激励と共に化粧品を並べて「これだけ使ってみて」と、使い方5分の説明で販売終了。まさにカリスマ接客。

私達は、心の声をどれだけ正確に聴けるか。自分判断で相手を推察する以外に、相手の性格とその時の心模様を知ると精度は更に上がる。

その為には相手の「第一感情」を見抜くことだ。例えば、迷子の子どもを発見したお母さんが「あんた、何処行ってたの」と怒る。だが怒りは第二感情で、見つけた時の「安心・喜び」が第一感情なのだ。安心が徐々に転嫁して怒りに変化する。

相手の第一感情の発見は、その場の表情をよく観察するしかない。第一感情は、瞬時に表情に出るのでそれを見逃さないことだ。

さぁオウム話法、傾聴、間をとり、話術を磨こう。くれぐれも気を抜いた間延びや、間・まを抜く「マヌケ」にはならぬようにしたい!



2021年10月1日金曜日

今までの自分が試される。

稚拙なブログだが「出会いは人生の宝」は変わらない。問題なのは、自分には宝の出会いでも、先方様も宝と思って頂いているかどうかだ。

お互い良き出会いなら最高だが、はっきりしているのは自分が「損した出会い」と思えば、相手もそう思っていると考えた方がよさそうだ。

懐かしい再会は嬉しいが、ビジネスや利害関係が絡む再会とは話が別だ。相手先様に、今までの自分が試されることになるから怖い。

当時は深い付き合いでも、会社や肩書きが変わったり魅力も無ければ、相手は洟もひっかけない。初対面も同じで先方様に適当にあしらわれたら、残念だが「不合格」と判断されたのだ。


実は、新ブランド「シンプュルテ」が、ECも百貨店様も好調な滑り出しで、当初から考えていた化粧品専門店様での展開をお願いしたくて、経営者の方々にアプローチしていた。

私がカネボウ時代にお世話になった全国有数の企業様だが、こちらは中小メーカーの未知ブランド、まして自分を覚えているかも分からない。

専門店流通から離れて15年。そのあとは違う道を歩んできた。既にカネボウ専門店の責任者は4代替わり、加えて定年退社から7年も経っている。

不安ながら先方にお手紙を発送後、電話をすると、何と嬉しいことに多くの方が覚えていてくれ、近況報告や発表会へと話が弾んだのだ。

思わず「今までの自分」が合格と喜んだが、合格はここまで。取引様となれば今までの自分から「これからの自分」が試されるフェーズになる。決して不合格は許されない。


世の中で一番哀れなのは「忘れられた人」


一体自分は、どれくらいの人を宝として積み上げられ、逆にどれだけの人に自分をそんな存在として記憶に残せたのだろうか。

仏の芸術家マリー・ローランサンの詩「鎮静剤」に、この世で哀れな女とは、退屈な女より悲しい女、悲しいより捨てられた女、捨てられるより追われる女、追われるより病気の女、病気より死んだ女と続き、死ぬより哀れは「忘れられた女」だと言う。確かに忘れられるのは一番切ない。

これは20世紀前半の作品で女性蔑視も甚しいが、本質は男女関係ない。存在があるから嫌われるのであり、忘れられたら好きも嫌いもない。

薄っぺらな付き合いに終始すると、忘れ去られるばかりだ。やがて昔の仲間に忘れられ、家族や友にまで見放されたら、生きる気力を失う。

せめて生きてる間は、相手に良い記憶を残したい。亡くなれば、評価も後悔も喜びも存在しない。突き詰めると「今、この瞬間を精一杯生きる」しかないと痛感する。

敬愛する坂村真民の「今を生きる」を読み返す。

『咲くも無心 散るも無心 花は嘆かず 今を生きる!』

猪突猛進の人生だったが、老いてくると「自分を見つめる」ことが多くなる日々である。









2021年9月14日火曜日

広島が好きなんよ

 久ぶりに広島に出かけた。花王出向で家族と過ごした広島を離れ10年が経つ。その間、竹宝堂の鉄舟氏のお孫さんの結婚式と、友人と熊野筆を訪れたが、かなり慌ただしかった。

今回は仕事で広島市内を巡ったが、先ず広島駅と駅ビルが改装されていて驚いた。訪問先様も益々お元気で、井口台の大型商業施設アルパークの全面改装の出店に期待で胸が膨らむ。


広島までは空港乗り換えが嫌で、新幹線で4時間揺られたが、車内で読んだ本、広島が舞台の袖月裕子「狂犬の眼」に夢中で退屈しなかった。

映画でも有名な「孤狼の血」の続編である。昭和63年の暴対法施行前の広島極道の抗争と刑事の物語だが、全くの創作なので念の為。

やくざ映画は1970年代「仁義なき戦い」が金字塔だが、10年前の広島時代に映画のモデルの人物の葬儀が呉であり、演じた菅原文太が出る出ないで話題になった記憶がある。

これは獄中の美能幸三の手記が元になっているが、今と違い戦後間もない頃の話である。

映画の孤狼の血では、マル暴の役所広司の「警察じゃけぇ、何をしてもえぇんじゃ」の広島弁は強烈だが、本来は優しい口調だ。特に女子の広島弁は穏やかで「ぶち可愛えぇ」と、映画の印象とは異なるので間違いなきように。


ええとこじゃけぇ きんさい広島


転勤で各地に住んだが、やっぱり広島が好きだ。もし極道映画の印象をお持ちなら、全くの誤解。娘は「老後は広島」と言うほどぞっこんで、家族も素敵な思い出ばかりである。

感動の平和教育とアオギリさん、家内お気に入りの宮島通い、ピザより多い宅配のお好み焼き、熱狂のカープ観戦、ゆったり流れる時間など、他では味わえない貴重な経験だった。

そして何より人が優しい。近所のご年配が「私ら一度死んだんよ。あとはオマケで生かされとるんよ。だから皆んなに感謝せんといけんのんよ」。

こんな心根を持つ方々が築いた街である。広島に家族で住んでくれるだけで嬉しいと喜んでくれ、我々を本当に温かく包んでくれた。

隣り近所、竹宝堂、花王仲間、子ども同士も未だ交流が続くのも、広島ならではである。

井口台からのんびり眺めた景色、静かな瀬戸内と遠くに浮かぶ宮島の赤い鳥居を思い出すと、娘と同じでまた広島に住みたくなる。

そんな想いにさせる懐かしい広島の旅であった。




2021年8月30日月曜日

ゴジラざライド!

感染の話は重要だが、緊急事態は気が重くなる。こんな時は気分転換に気楽な話と思い、不謹慎ながら宣言前の私のワクワク体験を取り上げた。


実は、春から気になるスポットがあった。それは「新・西武園ゆうえんち」。1960年代の昭和の商店街とゴジラ大怪獣頂上決戦など、昭和オヤジには泣けてくる内容なのだ。しかしコロナ禍での開園となり成り行きを見守っていた。

昭和レトロ市場は年配者だけでなく、若者には非日常の新感覚らしく80年代ダンスミュージック、ラジカセ専門店、レコード、純喫茶の人気など新たな市場が生まれている。

昭和の64年間は戦前・戦後、バブル・崩壊と背景と変化が大きく異なり、簡単に一括り出来ない。

私の青春は昭和30~50年。東京五輪、万博、マック上陸と高度成長真っ最中。この頃が市場的にも最大ボリュームで、西武園も例外ではない。

当然、別の世代も古き良き時代がある。昭和45年(1970)生まれの家内は、ファミコンの昭和50年から昭和終焉のバブルと崩壊が青春時代。

故に15年差の家内と西武園は少しズレるが、以外に平成組の子どもが乗り気で、緊急事態の前がチャンスだと家族で西武園に出かけた。

夫婦は懐かしく子どもは興味深々の1日だった。話題のゴジラ・ザ・ライドは凄かった。体験型アトラクションとして必見の価値ありだ。

商店街は専用紙幣「拾圓と百圓札」を使う設定も面白い。昔のライスカレー七拾圓也が、高いか安いかは世代別で意見の分かれるところだ。

ポン菓子や街頭テレビの前で、ポン菓子オヤジがリアカーで作り売りに来たことや、街頭TVのプロレスに人が群がる話をしたが、家族には理解不能とスルーされた。💦


モノよりコトを大切に!


当時はスマホもPCもなく、不便でずっと質素だったが、周りの温かい価値感に包まれていた。我々には本来、助け合い励まし合う「向こう三軒両隣り」の精神が根っこにある。

震災時のように、向こう三軒両隣りの心配りで、今こそ地域が一丸となる局面にいる。昔の町内の事情通のお節介おばさん登場だ!


昔の三種の神器はTV・洗濯機・冷蔵庫。今はドラム式洗濯機・スマートスピーカー・ロボット掃除機らしいが、所詮不要な人には無用の長物。

今は「物より事」の時代。モノは多様だがコトの価値は変わらない。何に幸せを感じるかで、今は心の在り様や自然回帰へと変容している。

物質的な豊かさでは、心の平穏や安らぎは得られない。深呼吸して立ち止まる事も重要。

交通網の急拡大に「狭い日本そんなに急いでどこへ行く」の73年全国交通標語と「気楽に行こうよ♪俺たちは」の71年モービル石油CMを思い出す。

これは、働き過ぎで「日本株式会社」「経済アニマル」と揶揄された頃の作品。当時のモーレツ社員に「たまには肩の力を抜こうよ」と問いかけて話題になったが、気分の重い今こそ、肩の力を抜き一息つくのが必要かもしれない。

因みに、このCMをYouTubeで再視聴したが、今ならコンプラ的に絶対流せないなと思う。

やっぱり「昭和」は、おおらかな時代である。







2021年8月11日水曜日

デルタに負けず!

 デルタ株猛威もあり、感染拡大が止まらない。一方ではワクチン2回終了者も増えてきた。

職場接種の娘は39度で会社を休んだが、息子と合わせ子どもは2回目完了。家内が済めば一段落。気になるのは若者の接種率がまだ低い事。

しかし現在はデルタの脅威、2回接種者が感染、医療見直し、海外では3回目接種、集団免疫は8割以上と課題は山積みだが、今は現実を自分事として冷静に受け止めるしかない。

感染拡大は我々の気の緩みが大半。自戒も込めて今一度、気を引き締めて、更なる感染防止対策を徹底するしか他に手がないのだ。


身近な感染に気を引き締める!


最近は身近での感染が恐怖だ。先日は息子の柔道部の出稽古先で陽性者。幸い、息子たちは濃厚接触者とならず、部活1週間停止ですんだ。

初参加「全国大学柔道団体戦」は秋に延期。もうすぐの個人戦関東予選も延期になり、モチベーションを維持し本番に向け調整するしかない。

友人の話だが、同居の娘さんが発症。ところが病院が空かず家族で自宅隔離。その後、彼女は指定ホテルに移動したが、治療の先行きは不安だ。

いつ我が身にも降りかかるか分からない。今感染爆発で東京の自宅療養二万人。医療は機能不全だが、保健所は濃厚接触者の基準を厳しくした。現状では安全を担保できないのだ。

未だに若者で賑わう新宿・渋谷は何とかしないと大変なことになる。マスコミで政治家や見識者がいくら自粛を訴えても、若者には届かない。

彼らはスマホ中心でTV・新聞は蚊帳の外。SNS発信やYouTubeなどデジタルも多用しないと、危機感が希薄な人々の心は掴めない。


そんな最中の東京五輪。賛否両論あったが、始まれば日本の活躍に一喜一憂。私は柔道で不在だった階級のメダル獲得に歓喜した。

残念なのは注目選手の予選敗退。大会延期の緊張感の維持、コロナ禍ルール、加えて優勝への重圧が重なり、本来の自己管理が難しかったようだ。逆に、目立たずマイペースで当日に臨んだ選手が活躍したと思うのは私だけだろうか。

やはり外野に邪魔されず、淡々と臨むにかぎる。羽目を外さず細心の注意を心得たい。

税金で五輪委員のお粗末人事や他人のメダルを噛んでるならば、若者に刺さるカリスマ人物を使い「自粛ガンバレ」の訴求動画やインスタライブを配信しろ!と叫びたい心境である。

絶叫並みの蔓延だが、デルタに勝つには2回接種で安閑とするな!と自分に言い聞かせた。







2021年7月21日水曜日

大谷選手は無我夢中!

 今、米国での大谷翔平の人気は凄まじい。当然だが日本でも大人気。私も大谷選手の異次元のショウタイムを観るのが日課である。

彼の細やかな礼儀作法や、野球と向き合う姿は日本人として誇らしいが、我々が最も見習うべきは、彼の夢実現への計画とその道のりである。

私は、花巻東の佐々木監督が仕掛けた目標設定表が、大谷を怪物にした原点と思っている。

前の会社フュージョン時代、マンダラーチャートがビジネスの目標設定に最適で、社内外の教育メニューにしていた。その際、大谷チャートを研究したので他人事とは思えないのだ。

彼の目標設定表は、何が必要で何をすべきか明確で、これを高校1年で作成したとは驚きだ。彼がこれを一途に追いかけた証が、今に繋がっていると深く納得できる代物だ。

9つのマスの中心に、目標「8球団ドラフト1位指名」と置き、具体的な「小目標」を周囲の8マスに、スピード160K、キレ、運、と設定していく。

次に小目標を中心に置く。彼は「運」を呼ぶ為に、①挨拶②ゴミ拾い③道具を大切に使う④審判さんへの態度⑤応援される人間になる⑥部屋そうじ⑦プラス思考⑧本を読むの8つの行動に設定。そう、彼のゴミ拾いは「運拾い」なのだ。

どうだろう。今の大谷選手の姿そのままである。高校1年から本質を変えず、軸をぶらさずに、ひたすら継続する彼の姿に感動してしまう。


無我夢中の姿に魅了される。


類まれな体格と運動能力は勿論だが、彼が更に凄いのは、自分を追い込むのでなく、純粋に野球を楽しみながら積み重ねている点だ。

そして結果的に、人は「無我夢中の姿に魅了される」という真理まで立証してくれた。

無我夢中の無我とは「我」を張らず、自我を捨てる忘我の精進の先に「無我」が得られるという。そして次が夢中。子どもがゲームに没頭するのも夢中だが、大人ならば、夢に日付けをつけ計画に変えての行動を「夢中」としたいもの。

「無我」は簡単ではない。人は地位を得ると自分を勘違いして「自我」が強まり、独善的で鼻持ちならない人になったりする。そうならない事が「魅力的で慕われる人」への道なのに、我を張り通す権威的心地よさには勝てないのだ。


結局、我々は大谷選手のような「一途で謙虚」が好きなわけで、自分の周りに一途に謙虚に一隅を照らす人は必ずいる。遠くの大谷より近くの人で「無我夢中の仲間」を発見する方が、不断の自分自身の励みになるから得策だ。

「一途で謙虚で無我夢中」答えは分かるが、その実現は難しい。凡人は少しでも答えに近づくために、今日も大谷選手を応援するとしよう。




2021年7月7日水曜日

2回接種を終えて。

 ワクチン接種の加速と供給不足は悩ましい話。今は嘆くより速やかな行政連携で、接種率6割の集団免疫化へと進むことを願うばかりだ。

娘は職域、息子は大学で今月に1回目の接種だが子どもから「接種すべきかな?」と問われ「当たり前だろ」とその時は迷いなく答えた。

後日、新婚の医療従事の友人に「私は子どもが欲しいので、遺伝子影響のデータが揃うまで極力接種は待機したい」と言っていた。

あくまで私見だが、医療関係者の接種状況が公表されないのは、接種ステイの方々が意外と多いのではと思ってしまう。

一方、医者は妊婦さんには接種を推奨している。接種したお母さんが「無事の出産と子どもにも抗体を」と祈るしかないのも悩ましい話だ。

リアルな副反応より、何十年後かの影響不明は、この先の人生が長い人には深刻である。子どもが是非を尋ねたのも迷う友が多いからだ。

そんな未来へと繋がる人々も、結局は自分で選択するしかない。あくまで接種は自由。接種拒否がワクチンハラスメントに繋がってはならない。

加えて、路上飲み、陽性隠し、マスク拒否の社会的モラルの逸脱者も現れた。犯罪行為は言語道断だが、集団での差別の発展は避けねばならない。


私には、倦怠感より安堵感!


そんな最中、生いさき短い私は高齢者枠でワクチン2回目を終了。感染防止以外に集団免疫化への一員になれた事は、少し嬉しい気がする。

2回目接種後は約半数が発熱と案じたが、高齢者の発熱は1割程度らしい。私の場合は平熱が約36.4度だが接種した夜に36.9度に上がった。

微熱だが、一応市販の解熱剤を飲み早々と就寝。翌朝は平熱に戻り普通に仕事に出かけた。

腕の痛みは2回目がきつく倦怠感と併せ2日後には回復した。しかし、そんなことより最大で最高の感想は、接種後のえも言われぬ「安堵感・安心感」の方が遙かに大きかったことだ。


今、コロナも生存をかけ変異に次ぐ変異。我々も生き方変異を画策するが、敵もなかなか手強い。まさに人類の英知vsコロナの変異の時間勝負だ。

コロナを封じ、以前の経済に戻すのに10年かかると語る学者もいるが、もはやそんな猶予はない。戦後日本が驚異の発展を遂げたように、私達一人ひとりが粉骨砕身する時である。

「七字のうた」と併せ「明けない夜はない。朝がくれば、昨日と違う一日が始まる」。一番に挫けそうな自分自身に、言い聞かせたい言葉である。




2021年6月19日土曜日

新ブランドの挑戦!

新規事業開発は、絶えず新たな販路や新事業を模索する。 この度、ご縁を頂戴して新しい化粧品ブランドを展開することになった。

会社としても大型ブランドは10年ぶり。私も現役最後のつもりで、このブランドが「新たな市場の創造」を成し得るか!本気の挑戦である。


「SINN PURETE」シンピュルテ。ジョンマスターオーガニック社のスキンケアブランドを取得したアナイス社が製造元でジモスが発売元になる。

アナイスとジモスとで、今までにないブランドコンセプトから商品設計を仕込んできた。このシンピュルテのテーマは「マインドフルネス」。

私たちは、自分の判断基準で物事を推し量る。過去に積み上げた概念が邪魔をしたり、その時々の気分次第でも判断が異なってしまう。

そんな先入観や雑念にとらわれず、その場・その時に気持ちを集中して現実を受け入れる手法が「マインドフルネス」である。

今騒がれているスマホ脳とマルチタスク脳。食事中にメール返信などの行動は、一見効率的だが、脳を疲れさせ心身へのダメージと加齢を早める。

重ねてコロナ禍の巣篭もり、リアルコミュニケーション不足、余暇でのストレス発散の場も限られ、常に先行きの不安がつきまとう。

こんな環境下に「瞑想」で心をリラックスさせ気持ちをスイッチしてから「今」と向き合うマインドフルネスは世界中でもブームになっている。

その背景の一つに、11年ぶりの自殺者の急増がある。うつ病で亡くなる方はコロナ死より多い。誰もが精神的に不安定になり「コロナうつ」とその予備軍は深刻な社会問題である。


化粧品の価値を変えたい。


「マインドフルネス」の概念を取り入れ「マインドフルビューティー」をコンセプトに設計した化粧品が「シンピュルテ」になる。

スキンケア前に、香りで気持ちを整える瞑想(メディテーション)、浄化(クレンジング)、巡る(ブースト)スキンケアメソッドを提案する。

義務化したスキンケアを「最高のマインドフルネス習慣」に変えて、疲れた心と脳を整え、厳選した配合成分をより効果的なものにして、芯から美しくなる事を想定している。

それには効果を立証しなければ発売する意味がない。そこで脳科学の第一人者である慶應義塾大学の満倉教授との共同研究で、香りと一連のスキンケアが脳に与える影響を測定した。

満倉教授の開発した世界初「感性アナライザー」は、リアルタイムでストレス、リラックス、好感などがグラフで変化表示される優れもの。

成分効果は立証済みだが、スキンケア時の脳波の測定は前例がない。まして測定が正確すぎて、箱から取り出す手間でもストレス度が上昇する。この正確無比な機器で一連のスキンケアに効果が得られなければ、販売の見直しを迫られる。

測定結果まではスタッフのストレスはマックス状態で、数週間後、満倉教授からの計測結果の報告会は、受験の合否を聞くような心境であった。

「香りもスキンケアも間違いなく脳波が良い状態に変化しています。被験者は確実にリラックスや好感度が得られ、特に香りは瞬時(0.2秒)で脳に好影響を与えています。この化粧品は想定通りで素晴らしいです」と言われたのだ。

予想以上のデータと満倉教授のお墨付きを頂戴し、スタッフが感激感涙した瞬間であった。

シンピュルテチームは、苦難を乗り越え上市までに至った。これは社内の各部署と商品製造のパートナー社との連携と、アナイス社のブランド世界観の制作がなければ為し得ない。


販路は、本業のECサイトと並行して、シンピュルテに賛同いただける百貨店、化粧品専門店、バラエティでの店頭展開を推進していく。肝はパートナー様との連携強化だ。

少数精鋭の弊社スタッフは、開発から運営まで一気に担い苦労かけたが、結果的に成長が著しく、最高に頼もしいチームに進化している。

彼らには「今が成長痛」と勝手な言い草を並べたが、本当は感謝のあまり言葉もない。

しかし、ブランドの育成はこれからがスタート。成長への道筋は立てたが、答えを出すのはお客様である。新たな挑戦に、高齢者などと言っていられないと、奮い立つ思いである。


■シンピュルテ公式サイト  

https://sinnpurete.com


■シンピュルテ・インスタ 

https://www.instagram.com/sinnpurete/?hl=ja










2021年6月4日金曜日

大学柔道物語③一部への道。

 多くの柔道大会が、無観客での開催を始めた。息子たちも、ようやく関東ジュニアと全日本学生柔道大会の地区予選が始まった。

関東ジュニア千葉県予選は、帝京平成大の各階級7名が上位を占めた。残念だが息子は敗退し周囲の期待に応えられなかった。これには彼も相当落ち込み、暫く音沙汰もなかった。

関東学生団体戦は2週間後。小野監督から激励と食事のフォローを頂き、息子からの「ありがたかった」の報告には感謝のあまりに言葉もない。

監督とコーチ・仲間のさりげない激励と激辛タンメンのお蔭で、単純な彼は元気になり、闘志漲る団体メンバーの一員として臨めたようだ。


大願成就を成し遂げろ!


「全日本学生柔道優勝大会」は7人制団体戦で、大学日本一を決する大会である。昨年は中止だが一昨年のTV中継「東海大vs筑波大」決勝は代表選となる手に汗握る好試合だった。

新設の帝京平成大は関東2部からスタート。今回の1部昇格条件は2部リーグで優勝するしかない。この1年間、待ち望んだ大会が遂に来た。

当日は無観客で、我々は関東学生サイトの速報を確認するしかない。それも1.2部.女子の試合終了時の更新なので、いつ流れるか分からない。

ふと気づくと「帝京平成大が2部決勝で7-0で勝利」の速報。圧倒的な勝利は本当か⁉…息子からの優勝写真で、ようやく実感。思わず万歳だ!

これで、関東学生1部昇格と同時に全日本出場が確定した。この1年間の猛練習の賜物だ。

小野監督曰く「強豪校はトップ選手が集まるが、二番手のウチは『決して諦めない心』を持つ集団にしていきたい。だから、今回の優勝は何より嬉しいんです」と報告頂いた。

確かに帝京平成大は新設で実績もない。強豪校が柔道のエリートならウチは不屈の雑草魂。勝手に自分の限界を決めてしまい、それ以上の努力を諦める選手がいてはならない。


諦めない奴に誰も勝てっこない。


諦めない心は最強だが覚悟がいる。「諦めない奴に誰も勝てっこない」と野球の神様ベーブ・ルースは言っているが、諦めるから負けるのだ。

自分には無理と思えば「諦めない心を持つ」ことを諦めることになる。それが嫌なら、自分の中に「諦めない心」を育てるしかない。

①成し遂げたい夢や目標を決める!…夢に日付をつけて目標。その手段を小目標にする。

②何でもよいから成功体験を得る!…小さなことでも成し遂げられることから始めよう。

③プラス思考への努力をする!…これは意識の習慣化。転んでのケガは「骨折しなくてラッキー」と、常に最悪の事態よりは幸運と思う回路を、クセになるまで叩き込むのだ。

と書いたものの、そういう私は諦めてばかりで情けない。好きな事なら乗り越えるのに、嫌なことは直ぐ諦めて続かないのが現実。

「好きこそ物の上手なれ」嫌な事を好きに変えて、成功を積み上げろと自分自身を戒める。


何より柔道が大好きな帝京平成柔道部。皆がこの先も「諦めない心」を貫くなら、人生の「技あり一本!」を手にするのは間違いない。






2021年5月14日金曜日

今でも信じ難い事件。

 世の中には信じ難い出来事がある。つまり常識や想定を超えた体験をいう。私もまだ若くて経験不足の頃、ぶっ飛んだ事件に出くわした。

昭和の話だが、友人は「今になっても信じ難い事件」だと言う。若気の至りとご容赦願いたい。

それは大学寮で起きた「隣室の男が殺害された事件」と「学生運動家と暴走族の対峙」の二つの事件で、どちらも身の危険を感じた事態だった。


驚愕の学生寮事件。


1回生の私は法政大学府中寮の寮生だった。広いグランドに鉄筋四階建て、8畳2人部屋、朝晩食事付き月7,500円は格安で、苦学生が多かった。

ある夜のこと、隣り部屋の4回生の「長髪」男が部屋にきて、いきなり私と同室の友人に鉄パイプを渡し「今夜、革マル派が寮を襲撃するとの情報が入った。襲われたら鉄パイプで身を守れ」と言う。あまりに突拍子な話で理解できない。

「何ですか急に。襲撃とか理解できません。それに私は学生運動とは無関係ですが」「お前が無関係かは奴らに分かるわけない」「ですが…」「だから防戦しないと死ぬぞ」信じ難いが、今夜は鉄パイプを抱いて寝た方が良さそうだ。

結局、何もなく朝を迎えた。なんだ、ガセかと思ったら長髪が「寮の手前で夜中に革マルが凶器準備集合罪で一斉検挙され未遂に終わった」と。

半信半疑が食堂のTVから「国分寺で学生集団が一斉検挙」には鳥肌がたった。次の驚きは、長髪は全共闘の大幹部で、彼を狙っていたことだ。

長髪は速攻行方をくらまし潜伏。2週間ほど経った頃、警察が隣りの部屋を家宅捜索に来た。何と、身元不明で公開中の神田川の撲殺死体は「長髪」だった。1974年の夏である。

学生運動は、1971~72年の狂気の連合赤軍事件がピークだが、赤軍の流れをくむ全共闘と中核派は、敵対する革マル派との抗争を「法政大vs中央大」闘争として継続していた。


新入生を舐めんなよ!


寮の自治会は寮長、副寮長、各階の階長で、自主運営されていた。入寮した1年生に役職が割り振られ、私は4階の階長になっていた。

入寮暫くは、金曜のカレーを全員が食べられる対策を議題にするなど自治会は平和だった。ところが、徐々に寮の実態が判明してくる。

数年前、府中寮が主体の「学費値上げ粉砕運動」は超過激で、これを止める替りに大学側から寮の自主独立を勝ち取ったと聞く。

寮を牛耳る全共闘は、無垢な1年に自治会幹部をやらせ、何かあった時の人柱にしていたのだ。

責任と雑用に追われる1年は、冗談じゃないと思いながら、このまま我慢するのか!

悶々とする私に、後輩の暴走族総長から近況報告の電話が入り、ピンと閃いた。「横暴な寮の先輩に会いに、特攻服で全車両グランドに集合してくれ」「押忍、事情は分かりました。派手に行きます」ここは阿吽の呼吸だ。

土曜の夜8時、遠くからゴッドファーザー愛のテーマのクラクションが聞こえる。爆音を響かせ、正門から続々と入りグランドに隊列を組む。横一列に4輪の前に2輪が並び、車両から降りた特攻服が前列に揃う姿は、さすがの迫力だ。

寮生達は窓を開け「何事か」と顔を出す。私は隊列中央に歩み寄り直立の特攻服に一礼。片手を上げ「よーし、ご苦労」全員を見まわし「これにて解散!」と叫び、手をおろす。

一同「オス」と頭を下げると車両に乗り込み、順に派手な音を響かせグランドを一周し正門から消えていく。二度と見られぬ闘争家と暴走族が対峙した光景は、今だに忘れられない。


変化は摩擦を生み、摩擦は進歩を生む。


30分の出来事だったが、寮生には強烈な出来事で全共闘リーダーの死も重なり、彼らのトーンは急速に下がり始める。こうして、大学と対立してきた寮の自主独立は変化していく。

当時の私は大した信念もなく、ただ「俺たちを舐めんな!」だけだった。軽率な行動だが、何かをせねば、何も変わらないと思ったのは事実。

「変化は摩擦を生み、摩擦は進歩を生む」の言葉を思い出す。この事件が進歩を生んだかは怪しいが、行動を起こす原点にはなった。

何れにせよ、血気盛んな府中寮は徐々に落ち着き、2010年には老朽化で廃寮となった。今では信じ難い思い出が残るだけである。長髪に合掌。










2021年4月26日月曜日

迷走から瞑想へ。

 多くの企業と学校が、コロナ禍での新年度に突入した。在宅勤務が半々の娘は2年目に、柔道息子は無事に2年生に進級できた。

仲間と会えずに2年目を迎えるリモート環境。期待のキャンパスライフが消滅して、中退してしまった大学生は本当に気の毒である。

本年度は多くの式典・行事が予定されているが、感染拡大が開催を不透明にした。企画運営側は、従来の不安とは全く質が異なると頭を抱える。


ニュースタンダードを求めて


コロナが人々の習慣と価値観を変えたことで、生き方も大きく変わった。人々は、溢れるデジタル情報をじっくり吟味し、自分に有用な情報を得る選択眼を急速に進化させた。

ビジネスでは市場変化の大激震だ。化粧品市場はマスク多様でメイクが激減。スキンケアは好調だが、ここは各メーカーが争奪戦を展開中だ。

大手化粧品会社は広告をデジタルにシフトし、昨年はTVの広告料を超えた。デジタル集中は広告単価を上昇させ、中小の通販企業は四苦八苦だ。

化粧品には精神的効用として、オフの自分時間のスキンケアが「癒し」を与え、オンの戦闘モードはメイクで「励み」を与えると考えている。ところが、コロナ禍のリアルなコミュニケーション不足は「励み」の機会を減少させてしまった。

ゲームやお取り寄せの癒し需要は増えたが、健康、生活の不安は、満足、期待の「励みスコア」を下げた。まして在宅勤務はオンとオフの切り替えが難しく、ストレスは継続する。


マルチ・スマホ脳の迷走から瞑想へ


悲しい話だが、昨年の自殺者は女性が1.4倍も増え、11年ぶりに前年を超えた。心の不安定は生きる力を奪うので、心のケアは常に欠かせない。

洗濯機を回しメールを確認。PC睨みながら食事。こんなマルチタスク脳の酷使で疲弊すると、癒しと励みを求め、瞑想、ヨガ、座禅で穏やかな心や、漲る活力を得ようとする人が急増している。

脳科学でも実証された「マインドフルネス」の考え方は、世界的なブームへ拡大している。

瞑想のリラックスには、右脳からのアルファ波と「1/Fゆらぎ」が深く関わる。揺らぎ(リズム)は自然界の全てに存在し「万物は揺らぐ」だが、突発や意外性の揺らぎを除く、心地よい周期が「1/Fゆらぎ」だと言われる。

海の寄せては返す波の音、小川のせせらぎ、バロック音楽、ろうそくや焚火の炎など、生命の起源である地球の揺らぎと連動されている。

人は生を受けると、胎内で母親の血液の流れを耳にして育つ。この「ザー…ザー」という血流音は海の波と同じ1/Fリズム。海を眺めて癒されるのは、生命の起源に包まれるからだ。

当然、人の心音は1/Fだが、人工物や人口音の空間だけでは瞑想は得られにくい。たまには自然の中に身を置き、心音と同期させるのも必要だ。

休日は家内と裏手の公園から、のんびり海を眺めるとしよう。皆さんも、人混みを避け「1/Fゆらぎ」に包まれてみてはどうだろうか。







2021年4月9日金曜日

就活は悩まず見直せ。

 就活に悩む学生の話。巷では新入社員らしきスーツ姿の若者を見かけるが、既に企業も学生も来年に向けての活動が始まっている。

今はコロナ禍で、採用計画を見直す企業が増えている。通常なら事業計画と退社数を見越して採用するが、採用を控えると数年後に人材不足がボディブローで効いてくる。

ところが、今はそんなことを言ってられない。好調な企業は、求めるスキルと採用枠にも限度があり、全体は就職氷河期に突入している。

一方、学生側も苦労する。希望の業界を諦め、取り敢えずの選択では、お互いが後悔する。

先日、就活する学生から「そもそも何をしたいか分からない」と相談された。当時自分も明確な将来像など無かったが、基本的心構えは伝えた。

先ず、自分のテーマを見つける。やりたいことが無ければ、業種より大手企業の安定型か、業界劣位でトップを目指す挑戦型。安定と貢献なら公務員型、起業や資格取得なら学び重視のキャリアアップ型と、自分の志向するテーマを探ることだ。

それには、知り合いやOBからの情報収集が肝要。企業のHPでは掴めない生の声を聴き、方向性を幾つか絞り込むことをお勧めする。


小さく纏るな、大器晩成であれ。


私ごとだが、当初TVCM制作が希望で、広告代理店の大学OBを手当り次第訪問。すると「代理店より広告主の宣伝部を狙え」と皆が言う。

そこで、広告に投資する企業のOBに職種問わず、片っ端から会うと、何故か、業界のトップを目指している会社のOBが活き活きとしている。

ならば、果敢に広告を打つ各業界2位の会社に絞り、願書、面接。そして、トップ資生堂に「追いつけ追い越せ」のカネボウと巡り合う。

法大就職課は、カネボウは慶應学閥、成績も悪く無謀だと言われたが、カネボウ化粧品が頭脳より気力・体力・挑戦を求めたことも功奏した。

私見だが、トップは守りの姿勢が強く、優秀でそつがない人材を、劣位の企業は攻めの姿勢が強く、冒険をおそれない人材を求める傾向がある。

私も採用側になると、頭脳明晰以上に伸びしろがある覇気のある人材を求めた。質問や依頼に、虚勢を張らず真摯に応える姿が重要で、完璧より未完の大器に魅力を感じる。


頑張る奴は夢を語り、怠ける奴は言い訳を語る。


最後に入社後に自己成長するコツを一言。成長は育成されるのでなく、自ら掴み取るもの。その為には「教えがいがある」と思って貰えるような自分になれるかだ。嫌な先輩・上司は必ずいるし「反面教師」の教えと思えば気が楽だ。

要は「謙虚・好奇心・正直」があれば他は要らない。頑張ってるアピール、分かってる自慢、あれは嫌だの不平不満は、何の役にも立たない。

「頑張る奴は夢を語り、怠ける奴は言い訳を語る」は名言だ。常に夢を語り、言い訳や愚痴だけの生き方は、絶対にしたくない。








2021年3月26日金曜日

半世紀ぶりの友に。

 先日、驚きの出来事があった。突然、50年前の友人から連絡が来たのだ。広報に私宛のメールが届いているとの連絡を受け、開けてみる。

相手からはブログで私の所在を知った経緯と、友人だけの内容に友人と確信し連絡した。

やはり、高校時代の国分寺の仲間だ。私は上京し吉祥寺に下宿していたが、友人宅に入り浸りの日々だったので、懐かしくて泣けてくる。

ワクワクで彼の会社に出向く。チョコレートのOEMで有名な製菓会社だ。現れたオヤジを見た途端「おぉ一郎」時が戻り、固い握手を交わす。

現在、現役で専務として活躍中。お互い、半世紀の空白を埋めるような報告会となる。

一郎の米国でのブルーグラス三昧の放浪生活、大学卒業後、大手企業で管理系の経験を積み、今の会社は10年目とのこと。真面目で頭が切れ、ギターが大好き男だったが、さすが手堅い経歴だ。

私といえば、暴走族にうつつを抜かした赤面の時期があり、さすがに彼はその頃、距離を置いてしまったようで、まぁ考えれば当たり前の話だ。

一気に時が戻り気持ちまで若返る。総じて高校時代は、メンクラの街のアイビーリーガースに憧れて、フォークの大御所より加川良が好きで、VANとギターに夢中だった。

そんな仲間との日々も変わるもの。私は暴走族を抜け、真面目に大学を目指す。その頃から、皆とは疎遠になってしまった。


今や全員が後期高齢者、元気でいるかだ。しかし、なぜ最高の仲間が音信不通になったのか。絶えず何かが引っ掛かっていた。今回の事がなければ、そのままだった筈だ。

カネボウでの全国転勤を経て、本社時代は崩壊・再生に振り回され、心に余裕もなくクラス会も家族サービスも忘れ、旧友と会うこともなかった。

しかし、それも言い訳。仕事しか見えず、大切なことから逃げて、まして多感な時期の大切な思い出を忘れ、現実に流され放置したのだ。

もうすぐ66歳。生涯に2,000名と出会い、死ぬ間際に100名の顔しか浮かばないなら、半世紀ぶりに交友を温める機会をくれた友に感謝である。

これからは、時々彼と会うことにした。柵も上下もなく、あの頃の不器用で危うい生き方を反芻しながら飲む酒は格別だろう。

旧友との再会は、絶大な信頼を前提に、また違った友人関係に変わるなぁと実感する。ぜひ皆さんも旧友へのご機嫌伺いをお勧めする。

「ニッティ・グリッティ・ダートバンド」のフォーギー・マウンテン・ブレイクダウン。当時、一郎と信一に倣い、マニア気取りで聴いたブルーグラスが、今のほうが心地良いのは何故だろう。…やはり、出会いは人生の宝である。











2021年3月7日日曜日

四つの幸せ。

 以前紹介したテーマだが、最近思うところがあり、再び認識したくて書かせて頂く。

一般的に、人間関係で「人が幸せ」を感じる事は、この4つだと言われている。

①「愛されること」②「褒められること」③「役に立っていること」④「必要とされていること」の4つ。人は、いつもそう思われていたいのだ。

しかし承認欲求は待っていても満たされない。全て能動的な関係から生じるので「4つの幸せ」は自からも働きかけないと成立しない。

「働く」とは、収入を得る以外、自己成長することでもある。傍(はた)を楽にさせるのが「はたらく」なので、自分だけが満足では成長しない。

上司ともなれば、承認欲求は捨て、部下を愛し、凄いな、役立っているよ、必要だよと承認してやるのが重要な仕事。幸せは与えるだけで、自分が貰おうとは思わないぐらいが丁度良い。

中には既に地位や名誉もあるのに、自慢したがる方がいる。その方は、未だ成長過程で、私にまで承認されたがってと喜ぶことにしよう。


4つの幸せ不足は、存在意義を疑ってしまう。役立たずで不要だと察知したら、事業も人も潔く撤退すべき。我慢は傷口を広げ後任人事も遅れる。

夫婦間も不要になれば離婚の危機だし、介護、痴呆、難病は、愛情だけでは乗り切れない。やがて本人がその自覚すら無くなると最悪だ。


大切な人に想いを伝えること。


その為には遺言アプリじゃないが、元気なうちに、自分の想いを大切な人に伝えることだ。

我が家では8年前に、母に先立たれた父が重い癌になり、3人の息子を呼んで「無駄な治療や延命処置は止めてくれ。遺族の負担は無駄だから、墓も葬式も不要。そんな暇と金があるなら、残された者が生きる事に使え」と言われた。

「そうはいかんよ、俺たちの気持ちもある。それにずっと遺骨を置いたままはおかしい」と返すと「母さんと一緒に海に散骨してくれ」と言う。

散骨とは遺骨を粉砕し、思い出の場所や海や山に撒くのだが、勝手にできない。誰が粉骨し、どこに撒くか。業者に頼めば手間も費用も掛かる。

結局、父を説得し「散骨も迷惑がかかるな」となり、海洋散骨は断念して貰った。遺族に幸せを感じてもらうのも簡単ではない。

人は生きる限り「しがらみ」を背負う。誰かを守るため、辞めずにしがみつく事もある。誰の為に何を我慢する・しないは、自分が腹を括るしかない。

「誰かのために生きることが、価値ある人生」とアインシュタインは言っている。そうか、家内に幸せを与える事が、私の使命と心得た。汗。







2021年2月25日木曜日

今は電車と注射が怖い?

 私は毎日、京葉線と有楽町線と大江戸線を利用する。京葉線は普段も混むが、隣りの舞浜駅でTDLの利用客が合流すると激混みとなる。

駅で通勤客が降りようとすると、舞浜から乗り込んだ電車不慣れの方々が、ドア付近で吊り革や柱にしがみつき、流れを堰き止めてしまう。

一旦、降りて再乗車してほしいが、トランクを抱えた家族連れや若者が「降りたら最後」とばかりに踏ん張るので、とんでもないことになる。

そのTDLが苦しんでる。事前チケット客のみで、レストランもショーも半分が休業。おまけに10~19時営業では、舞浜駅も寂しい限りだ。

結果、TDLが赤字決算。近所のファンとしては残念でならない。スーパーでみた白雪姫や自転車に乗るアリスも、最近は見かけなくなった。

米国ディズニーは、3万人の人員削減と、駐車場をワクチン接種所に転用し、一部のパークを無料開放してお客様との接点を繋ごうと苦心する。

まさに「夢の国」が挑む「現実の冒険」である。


話を電車に戻すと、新木場始発の有楽町線と、大江戸線は途中から座れるのは嬉しいが、やはり地下鉄は空調と激混み区間が不安のタネ。

大江戸線は他より車両が狭く、以前に運転手の宿泊所の水道蛇口の感染クラスターもあり、吊り革とパイプが怖いのは変わらない。

電車での感染実体は不明だが、結構やばい筈。三密の最たる空間だし、無症状の感染者が電車内にどれだけいるか、考え出したらキリが無い。

こうして、人々の感染防止の意識は高まり、安全基準も上がる。私も布マスクから不織布かフィルター付きに切り替えた。不織布マスク条件から、2重マスクを要請する施設まで出てきそうだ。

一方、飲食・小売・旅行業救済のGoToは中断だが、GoToイートのシステムがワクチン接種に転用できるようで、接種会場の要員として、苦しむ業界の雇用確保を画策している。

いよいよワクチン接種が始まる。医療関係者の次が高齢者3600万人、基礎疾患者820万人と続くが時期は不明。我が家では、優先接種の私の副反応が恰好の参考事例だと吐かしてる。

「案ずるより産むが易し」でワクワクして接種を待ちたい。その模様はブログに書くので、次の方の参考になればと思うが、いつのことだろう。



2021年2月5日金曜日

大学柔道物語②乱取り

コロナ禍で、大学柔道部のブログネタが少ない。創部して初となる大舞台、階級毎に3名出場の関東大会は、準備も虚しく中止となった。

大学も慎重で、朝練や乱取りを控えて、ハードな筋トレ中心と聞く。相変わらず息子は大喰らいだが、練習の手抜きは、ただのデブになるぞ。

この時期、息子達は大鍋に肉と野菜を放り込み、皆で炊飯器2台分をたいらげる。まさに相撲部屋のちゃんこ鍋。全国でキャンパス生活が消滅する中、熱く楽しい日々に感謝すべきだ。

帝京平成大学柔道部も練習だけの1年間となるが、積んだ練習は嘘をつかない。春は全員2年生。開催を信じ、1部リーグ入りを成し遂げろ。


明日を信じて、今を過ごす。


対戦競技では実戦的練習が大切で、柔道は乱取りで、相手とガチで組み手争い、躱す、仕掛けるを繰り返す。これが足りないと試合運びが鈍る。

IJFの試合時間は5分で、ジュニアで3~4分。これが全力疾走と同じで精魂尽き果てる。延長戦だと筋力も握力も無くなり、まともに戦えない。

試合時間内での試合運びを身に付けるのも重要だが、延長戦の時間無制限の場合を想定し、試合より1~2分延長した乱取りを何十本と行い、決着までフルで戦える気力と体力を培うことも肝要だ。


年末にTV放映した66k五輪代表戦「丸山vs阿部」の24分の戦いは、気が遠くなるほど練習した証。血を流し爪を剥がし限界を超えてなお、攻め続ける死闘に、私も言葉を失った。

2人を見守る全日本関係者と井上康生監督、解説の帝京平成大の小野監督など口を揃え、両者を称え感動したのは、24分の重さを知るからだ。

井上監督の現役時代、7分30本の壮絶な元立ち乱取りを終え、意識朦朧の彼を後輩が浴室に連れていき、その場で血の小便を流す姿に「俺には世界は無理と悟った」と後輩本人に聞いた話は忘れられない。そして、井上選手は世界を制した。

先月のドーハの柔道ワールドマスターズでの日本の不調は、実践練習の自粛もありそうだ。

早く感染が落ち着き、本来の濃密な練習を再開して欲しい。そして日本柔道界だけでなく、我々の為にも、東京五輪の開催を期待して止まない。

世界が五輪に集うことは「コロナに勝利」の御旗であり、従来とは次元の違う役割を日本が担うこと。難問だが、その日が来ると信じたい。

「明日ある我が身を想い、今日を生きる」今は、ひたすら乱取りを頑張るしかない。





2021年1月23日土曜日

五十肩の痛みと重さ。

 昨年末から左肩が痛い。40代で四十肩になり50代半ばの五十肩はゴルフコンペで、腕前は上がらず、痛む腕も上がらず最悪スコアを記録した。

その後、痛みが消えて喜んだのも束の間、次は反対の肩が痛みだした。不思議だが片方だけが痛み、両肩同時は無いらしい。そして今は六十肩。60代でも五十肩らしいが、どちらでもいいから、この辛さを何とかして欲しい。

これは加齢で骨、靭帯、腱が固まり組織が炎症を起こす状態で、動かないと更に固くなる。服を脱ぐ、物を拾うなどの拍子に激痛が走る。痛み止めと湿布では、あまり効果はない。

整形外科のリハビリは、脇下と肩甲骨の筋肉マッサージ。3割の負担でも1回1,330円で、今の混雑ぶりからも膨大な医療費と人手不足を実感する。

健康自慢が健康不安になる。その対策は「後手の治療より先手の予防」しかないか。

作家で医師の帚木蓬生の書「老活の愉しみ」に、経済が国民総生産なら、健康は「国民総筋肉量」で、年配者1人の筋肉量が100g減ると、年間医療費で男性25万円、女性32万円が上昇するとのこと。やはり筋肉の衰えは大敵だ。


痛みの値段と、悼む値段


統計上、何らかの慢性の痛みで悩む方は約2,700万人で、医療費と経済損失を合わせると2兆円近いという。昨年の概算医療費は43兆6千億円で過去最高だとか、先を思うと恐ろしい。

慢性の痛みの病名は様々で、簡単に仕分け出来ないが、患者側の我々が「生存を最優先」に考えて診察を取捨選択しないと医療は崩壊してしまう。

今は感染防止に全集中。外出や会食は以ての外で、肩が痛いなどと言ってられない。自己完結で済む事を増やして、治療と防止を優先させたい。


確かにコロナ禍の経済的損失は計り知れないが、人の命より尊いものはない。企業も経済の活性化も「人が元気」でなければ成り立たない。

大切な人を失い、残された者がその人を悼む痛恨の重さは、五十肩や皆で集う楽しみとは、比べる余地もないほど重いのだ。











2021年1月3日日曜日

想いよ届け!2021年。

 謹賀新年!穏やかな新年を迎えられた事と推察致します。旧年中の感謝と共に、本年も変わらぬご厚情を宜しくお願い申し上げます。

人々の年末年始を変えたコロナ自粛。私も静かに過ごしたが「皆で集う場」の消滅は、人としての楽しみや生活の張りを失くしていく。

そんな一つが「須賀道場の越年稽古」の中止だ。大晦日の夜、道場OBが続々と練習を始め、除夜の鐘で一斉に正座・黙想のあと、新年の乱取りに突入する須賀の名物行事だ。

私も道場と隣の神社の初詣も行けず、寂しい元旦となったが、考えようで高齢の基礎疾患者の私には、不幸中の幸いと言い聞かせるしかない。


2021年に望むこと


一縷の望みは、ワクチンの浸透で収束に向かうこと。日本は6月までに8千万人にワクチン接種を想定する。人口の6割が免疫を持てば、集団免疫が働き感染を抑え込めると聞く。

コロナの終息が、格差なく平等に訪れ、疲弊で傷んだ心まで回復させてと願うばかりだ。


どんなに環境が変わろうが変わらないのは「人の心」。今更当然の「心の在り様」が絶えず語り継がれるのは、人の世の永遠のテーマだからだ。

私たちは、人との関係で、悩み、喜び、絶望を知り、至福を味わう。自分と関わること、他人と関わることで「心の届け方」を学び、成長する。

環境も仕事も勉学も、成長の手段でしかないから、コロナ禍という難易度が高い環境だけに、飛躍的な成長が期待できると前向きに捉えたい。

本年も、皆さまの心に「想い」が届きますよう精進して参りますので、倍旧のご支援、ご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。