会社員46年目になる。前半は自分の連続達成を追い、後半は事業場の数字を追ったが、それ以上に危機管理と組織の在り方に追われた。
2004年まで会社は永遠だと信じていた。当時は出世街道ひた走りギラギラだったが、会社崩壊で経営も役回りも、何とでもなると思い知った。
そして会社は買収され、今まで以上に「実力と魅力」がないと通用しない世界に突入した。
具体的に実力をつけるなら、今の業務をケーススタディと捉えて取り組むことだ。幅広くスキルを磨き、力まずにマネジメントを学ぶ。社員は教師(反面)にもなり成果検証もできる。
因みに部下は賢いから、上司が知見を与える為の話か、単なる自慢かは直ぐ見分ける。使えない昔の自慢話など誰も聞きたくないのだ。
承認欲求は大切だが、部下が「媚を売る」のは最悪だ。それを喜ぶ勘違い上司には耳障りのよい報告が蔓延し、やがて「裸の王様」になっていく。
人間力って何だろう?
やはりリーダーの決め手は「人間力」に尽きる。ビジョンを語る人に魅力がないと響かないし「あの人なら」という心証が左右するのも事実だ。
一般的に人間力とは「自律した人間が力強く生きる総合的な力」と言われ①知的能力②社会・対人関係力③自己制御力の3つの力だという。
人間力の錬成は、過去を否定する覚悟で己を変える事だが、自信過剰者はプライドが邪魔をして、自信がない人は変化する事に臆病になる。
そう、一番の敵は「変われない」でなく「変わらない」と決断してきた自分自身なのだ。
昔の私は自信の塊だったが、課長時代に部下にやらせる「靴の上から足を痒く」想いを経て、部下の能力の最大化の任せ方(采配)を覚えた。
実は、もう一つ私が変わった理由は他にもある。それは崩壊した己の容姿。その頃私にハゲとデブが襲来し「ハゲデブ中年」になった時、私の生意気な鼻っ柱はへし折られてしまった。
髪の毛フサフサには勝てない。この劣等感が、己の強みづくりを決意させ、折衝力やマネジメントを磨いた。スキンヘッドもこの頃だ。
今思うと、若さと少しの容姿だけで粋がっていた自分に虫唾が走る。それまでは、己の薄っぺらさに気づかない、イヤ気づこうとしなかった。
「フレッシュなイケメン&美人さん」と「何となく仕事が分かった風の君」に告ぐ!それは永遠ではない。後輩が来れば仕事の質は変わるのだ。
今は若さで許されている事に早く気づくことだ。そこから本気で啓発すれば、将来は人間力溢れるリーダーになれるのは間違いない。
人として輝きを放つのは、向上心に溢れた「人たらし」に宿るのだ。未だ薄っぺらな自戒も込めて若者に伝えたい46年目の老兵である。