今、米国での大谷翔平の人気は凄まじい。当然だが日本でも大人気。私も大谷選手の異次元のショウタイムを観るのが日課である。
彼の細やかな礼儀作法や、野球と向き合う姿は日本人として誇らしいが、我々が最も見習うべきは、彼の夢実現への計画とその道のりである。
私は、花巻東の佐々木監督が仕掛けた目標設定表が、大谷を怪物にした原点と思っている。
前の会社フュージョン時代、マンダラーチャートがビジネスの目標設定に最適で、社内外の教育メニューにしていた。その際、大谷チャートを研究したので他人事とは思えないのだ。
彼の目標設定表は、何が必要で何をすべきか明確で、これを高校1年で作成したとは驚きだ。彼がこれを一途に追いかけた証が、今に繋がっていると深く納得できる代物だ。
9つのマスの中心に、目標「8球団ドラフト1位指名」と置き、具体的な「小目標」を周囲の8マスに、スピード160K、キレ、運、と設定していく。
次に小目標を中心に置く。彼は「運」を呼ぶ為に、①挨拶②ゴミ拾い③道具を大切に使う④審判さんへの態度⑤応援される人間になる⑥部屋そうじ⑦プラス思考⑧本を読むの8つの行動に設定。そう、彼のゴミ拾いは「運拾い」なのだ。
どうだろう。今の大谷選手の姿そのままである。高校1年から本質を変えず、軸をぶらさずに、ひたすら継続する彼の姿に感動してしまう。
無我夢中の姿に魅了される。
類まれな体格と運動能力は勿論だが、彼が更に凄いのは、自分を追い込むのでなく、純粋に野球を楽しみながら積み重ねている点だ。
そして結果的に、人は「無我夢中の姿に魅了される」という真理まで立証してくれた。
無我夢中の無我とは「我」を張らず、自我を捨てる忘我の精進の先に「無我」が得られるという。そして次が夢中。子どもがゲームに没頭するのも夢中だが、大人ならば、夢に日付けをつけ計画に変えての行動を「夢中」としたいもの。
「無我」は簡単ではない。人は地位を得ると自分を勘違いして「自我」が強まり、独善的で鼻持ちならない人になったりする。そうならない事が「魅力的で慕われる人」への道なのに、我を張り通す権威的心地よさには勝てないのだ。
結局、我々は大谷選手のような「一途で謙虚」が好きなわけで、自分の周りに一途に謙虚に一隅を照らす人は必ずいる。遠くの大谷より近くの人で「無我夢中の仲間」を発見する方が、不断の自分自身の励みになるから得策だ。
「一途で謙虚で無我夢中」答えは分かるが、その実現は難しい。凡人は少しでも答えに近づくために、今日も大谷選手を応援するとしよう。