2020年6月25日木曜日

僕らのヒーロー!

コロナで、TV放送が様変わり。出演者はリモート参加、番組制作もままならず、過去の映像の再放送が多発。スポンサーからの収入減もあり、使いまわしは仕方ない。

この時期、マス宣伝の投下を見直す企業も多く、放映予定のTV・CM枠が空くと、ACジャパンと番宣に差し替えられている。視聴者はどこの企業が飛んだか気になるところだ。

経済再開は嬉しいが、第二波の警戒と中止した行事は元に戻らず、経済的ダメージと、需要の拡大と縮小する市場の構図は当面変わらない。

化粧品事情は、小売りと通販で異なるが、共通項はマスク顔でメイクは激変。自宅で毛染めは大盛況。盛況といえば美容整形外科。術後の在宅勤務はプチ整形には絶好らしい。

TVのCM考察も一興だが、そもそも最近はTVを見ない人が急増。これを機に、マス宣伝の在り方は急激に変わり、ユーチューバーとアフィリエイトが神様になるか。しかし昭和世代はTVのヒーローが神様で「8マン」シール付商品を買い漁った私は、少し腑に落ちない。



子どものヒーローは永遠!



実際TVの再放送は数年前のドラマが多い。私は大昔の歌番組を見たいが、最近の懐メロは、昭和から平成に移行らしい。もはやTV界では昭和30年代は絶滅危惧種だな。

一方、若者は再放送の初見よりYouTubeが面白く、私には再放送のターゲットが見えてこない。年輩者向けコンテンツなら、涙流して食いつくのに一向に再放送してくれない。

1964年(昭和39)の東京五輪で普及したTVの影響は計り知れない。大きな屋敷に巨大冷蔵庫、贅沢な暮らしに憧れた米国のホームドラマ、奇想天外なSF、日本番組は、人情物からヒーロー物など、高度成長と共に影響力も増大していった。

私自身、当時の主題歌からナレーションまで丸暗記。パティーデュークにドキドキ、逃亡者にハラハラ。ヒーローは月光仮面から007へと変遷し、漫画全盛時は「あしたのジョー」に「巨人の星」と語り出したら切りがない。


先日、息子に「年を取ると流行りに疎いのは何故だ?」と聞かれた。逆に息子に「当時の戦隊ヒーローはデカレンジャーだろ。今の戦隊は?」と尋ねる。「知らないな、今は鬼滅の刃だよ」「だろ、流行に疎いのでなく年代ごとに変化するだけ!」と答えておいたが。

一つだけ明確なのは、全てに興味を失い感動しなくなったら、人生終わりということだ。「大人の爆買いや、ディアゴスティーニに乗せられてるうちが花よ…」と、言いたい。

そうだ!このセリフを家内に向けて、先日、全巻爆買いしてしまった漫画「がんばれ元気」と「柔侠伝」の言い訳にしようか⁉汗。

永遠のヒーローたち!










2020年6月6日土曜日

感応と官能とAIと。

4月に社内に新部門設立したが、在宅勤務で奮闘中。転勤者の引越しも延期で未だ東京事務所に全員が集合できず、コロナが恨めしい。

友人の会社も、人事異動や新入社員の受け入れ変更で大変そうだ。新人の娘も在宅継続で、業務もないのに給料だけは頂戴して、正直申し訳ない。

企業は、ニュースタンダード・新常態を検討。雇用、清潔、在宅勤務、勤怠管理、マネジメント、販促対応、事務所の在り方など課題は多い。

一方、在宅勤務では出来ないこともある。弊社だと、コールセンターは在宅では不可能。加えて、化粧品の開発、品管は、色・匂い・感触など商品に触れての打ち合わせが多い。これは画面越しのリモート会議では不可能だ。

物づくりで、感触や香りの確認をすることを「官能検査」という。食品や製品には欠かせない基本的な検査で、人間の五感で品質特性を調べる。最後は人間の感覚に頼るのだ。

勿論、処方、安定・安全などは科学的な分析だが、テイストや感触の評価は人間しか出来ない。「感性」鋭い人が「官能試験」で「感応」することが最重要。製品以外、恋愛も友人も選ぶ決め手は「互いが感応」しなければ話にならない。


血が通う人間ならどうする?



急速に進化するIT(情報技術)とAI(人工知能)業界。ITで分析しAIで的確な対策を得る時代だが、それだけでヒット商品が生まれ、市場を圧巻できるなら苦労しない。

AIの神様・北大の川村教授と話すと、何をどう活用するかの明確化と、データ自体の重要性がよく分かる。何となく良さげだから導入!は最悪だ。

米国の会社で、AIでの採用活動を試みたが上手くいかなかった。過去の採用データをAIに学ばせ、採用を判断させたところ、何と過去の人種差別の傾向を学んでしまって「過去の白人偏重採用」の出現に経営層は驚き、導入を諦めた。活用の危うさを思い知る事例だ。


先頃、漫画の神様・手塚治虫の作品をAIに学ばせ、手塚治虫の発想・構成・登場人物を徹底的に学習させ、人間とAIの共作漫画が話題となった。近未来の東京を舞台にした管理社会に挑むホームレスの哲学者「ぱいどん」の事件解決の物語。

手塚治虫にどこまで迫るか見ものである。この作品の近未来とは「鉄腕アトム」が誕生した2030年と同じ設定なのだ。AIと人間の仕込みは、実は心にくいのだ。

今後、経営の神様から、営業の神様、学者の神様など、あらゆる分野の神様から学んだ「天才AI」が、社会にどう反映されていくのか。

天才の替えはない。ゴッホの絵はゴッホしか描けず、松下幸之助も唯一無二。だから徒弟制度は、師匠に近づくため傍らを離れず五感で学び、盗み、精進し自分流に昇華させる。

人間の学習能力は、ITとAIには到底かなわない。だからこそ、活用の設計図は我々人間が描くのだ。そして「官能検査」で五感が感応するまで昇華させて、AIに血を通わせるのだ。

お茶の水博士を目指す!