2020年11月27日金曜日

リケジョは何を考える

 最近、新社会人になった娘の動向が興味深い。今どきの女子と違い、おしゃれや化粧品に全く関心がない。思えば学生時代からそうであった。

理系女子(リケジョ)の典型か、マイペースで融通が効かない。飄々として感情の起伏が希薄。あまり物事に動じないので、脅しても張り合いがない。柔道息子の方が恐怖映画で絶叫し、彼女はそれを見て笑っている。

興味がある事はのめり込むが、それ以外はどうでもよい。卒論のアサリの研究では、夢中で東京湾の稚貝を採取し顕微鏡で調べ尽くしていた。羽田沖はアサリの数が多く、川崎沖は育ちが良いと興奮していたが、家族は「へー」で終わった。

洋服は母親任せで、ノーメイク。先日銀座で待ち合せたが、ごつい体にリュックを背負い大股で歩く娘を、体育会系女子の別人と間違えた。

そんな娘の関心事は、天気予報の「そらジロー」とサンリオグッズ。友人と日テレやピューロランドに、一体いつまで出かけるかを心配している。


リケジョも社会人


建築科の娘は、五輪村の天井を提供した建築資材メーカーに入社、開発部に配属された。最近は、ライバル社の動向も気になってきたようだ。床材や壁材が主力だが、面白いのは柔道場のバウンドする床材。実は柔道場も一つの市場だ。

15年程前の改正教育基本法に「伝統と文化の尊重」が盛り込まれ、8年前から「武道」が中学の必須となった。それで「武道場」の設置が増え柔道床材の需要の波が来たのだ。

総じて開発部は、資材の品質向上と、依頼主からのカスタマイズや、研究・企画開発をしている部署とのこと。早く戦力になれと願うばかりだ。


さて、リケジョの恋愛や婚活は気になるところだが、最近、あられさんのブログ「東大リケジョの婚活記」が話題のようだ。東大卒リケジョが付き合う男性の酷評が面白い。

私見だが、リケジョは冷静に相手を値踏みして「付き合っても時間の無駄」と割り切るタイプが多いようで、娘は今のところ恋愛は他人事のような顔をしている。

近頃、お疲れ娘はソファで寝込んでしまう。息子の独居で飼育解放された家内は、娘との会話が増え「彼女はずっと独身かも」と分析している。

父親としては、娘が自宅の居心地の好さに甘えて何もしないので、早く自立への修行をしたらと思うのだが、どうだろう。

結論は、基準が全く違うリケジョの生き方を、変えようと思わないことにした。この先、気の合う母親と、友達のように楽しく暮らす姿が浮かぶ。会話に入れないオヤジは、家内と娘の「お邪魔虫」にならないようにしよう。


聞いた話だが、これからの女性に「王子様を待たない戦略」があるそうな。従来型の「男に依存」から、自立できる生き方を目指すのは正論だ。

一方で、普段から何もしないオヤジが自立し「女房・子どもに依存」から脱却する方が、もっと正論かもしれない。えっ、それって、私だけ?









2020年11月10日火曜日

本が読めないゴジラ。

最近、通勤途中の読書が苦手だ。裸眼で月2.3冊は読んでいたが、今は読みづらくて億劫だ。

集中力が欠けて、ずっと同じ作業が辛い。友人からは、そりゃ昔からだと言われそうだが、堪え性が乏しくなったのは寂しい。

ながら音楽の感覚で、聴く本「オーディオブック」にしようかと検討中だ。何より手軽だ。

心配は、この先、耳が遠くなること。相変わらず「都合の悪い話」は聞こえないが、家族には適正なTV音量が、聞き取りづらいのは事実。


「高齢者」は「功労者」


平均男子の健康寿命が72歳で、7年後の79歳が寿命。目標は、少しでも健康寿命を延ばし、何らかの介護を要する7年間をどう縮めるかである。

高齢者基準の前期65歳、後期75歳は極めて妥当。強がっても体の疲弊は、その頃に訪れる。扶養家族を抱える私は、前期の過ごし方が重要。

同世代の仲間との切磋琢磨なら、元気も続くが、企業は60~65歳定年や若手の台頭など、この手の話は社内では盛り上がらない。

やはり地域の在り方が重要で、重松清の「定年ゴジラ」のように新興住宅街の30年後には、公園に子どもがいなくなり、あてもなく散歩する定年組が公民館で徒党を組むのだ。

街の模型をゴジラのように破壊する場面や、定年4人組の奮闘記は、今読んでも面白い。


子ども叱るな 来た道ぞ 年寄り笑うな 行く道ぞ


浦安市から届いた「介護保険被保険者証」は地味にショック。この街も20年経過して子どもは社会人となり親は定年ゴジラの予備軍だ。デイサービスの送迎車も目立つようになった。

今更だが、子どもの成長と親の摩耗は並走する。当時、新設の高洲小学校は「老人ホーム」に転用の仕様だし、届いたシニアブックは、老人会、サークル、健康法がてんこ盛り。

ぽっくり逝きたいと言うくせに、病院通いをする面々は、川柳の秀作「クラス会、それぞれ持病の 専門医」になり、皆と対策を共有だ。

手前味噌だが、高齢者の方をよく見て欲しい。皆さん、それぞれの家庭を守り、地域に貢献し、世の中を支えた「功労者」に他ならない。

家族には「オヤジは功労者」との認識祈願。私も、亡き両親への懺悔もあり「後期高齢者」を「高貴功労者」と認識しよと思う次第。大汗。