「気が利く」とは、心配り・思いやり・配慮・気遣いなど。これは、好い奴・優しい・好感から信用、信頼へと波及しやすい。具体的な気が利く人の7つのポイントを挙げてみる。
まず①「挨拶と感謝」を大切にするので気持ちが良い。常に全体をみて②「場を読む」ので正確な状況判断ができ③「先読み」ができる。会話では④「相手を否定せず」⑤「聞き上手」なので人の気持ちや⑥「相手の気遣いに気づき」呼応した⑦「気配り」ができる。しかも、さりげないので、計算やアピールに映らないのだ。
並べると「気が利く」は容易ではない。しかし「気が利かない人」から学ぶ事はできる。「我」や「自己主張」は大切だが、極端すぎると付き合いが継続しない。先様が人物より、提案の中身次第だけになるからだ。また社内の軋轢も生みやすい。仲間の声を反映しないと、周りを巻き込む一体運営が成就できない。
前行程は神様、後行程はお客様
松下幸之助は「前工程は神様、後行程はお客様」と言う。部品などを供給する協力会社は神様の存在で、その後の行程を担う社内部署は、お客様のように接しろと言うことだ。
我が社も同様で、協力会社がなければ業務は滞るし、案件遂行の後行程、バックグランドの社内の企画・推進チームへの細心の気配りは、高質化と停滞解消への近道になる。
松下幸之助は、後ろの行程をお客様とするポイントを3つ上げている。
①お客様を意識した後行程の依頼をする。
②後行程の「しやすさ」を考えると知恵を出す事に繋がる。
③後行程に「困っていること」を聞いてみる。ニーズはそこにある。
世間で活躍する方は、自分の主張以上に相手を見つめ、謙虚である。総じて誰もが受け入れたくなる魅力がある。つまり根っこに「気が利く」があることだ。
「能ある鷹は 爪がない」
切れ者を目指していた生意気な頃、ガツンと言われた上司の言葉が、今なら沁みる。
「剃刀のような切れ者は要らない。能ある鷹は爪を隠すだ。突き詰めると『爪がない』方がうまくいく。皆が自分より優秀なのだから、協力を頼むのさ」
「真の賢人は、あえて愚鈍を装う」組織内に承認欲求が渦巻く中で、自分を殺して相手を活かし育てる度量は、さすがである。因みに、この元上司には今でも頭が上がらない。
「能ある鷹は、爪がない」「吾、唯、足るを知る」こんな心境になりたいものである。
気が利く仲間に囲まれて |