2024年5月31日金曜日

人不足の先は恐怖。

日本は今どこも人手不足だ。輸送、建設、飲食など深刻で、頼りの外国人は、労働環境の問題や円安の目減りなどで先行きは不透明である。

娘曰く、建設の施工管理者は常に人不足で休日返上当たり前。彼女は工期に追われるのが嫌で、建築資材メーカーに入社したが、施工側の外国人向け取扱説明書の納期に追われる。娘よ、やはり仕事は追われるより追うもんだ。

食品スーパーの裏方も外国人が多いが、特に惣菜の食材カットや調理は技能訓練が必要だ。製造業同様に技能者も高齢化で、先を担う若手と指導役の熟練職人の争奪戦は熾烈らしい。


この先、我々は何処に行く?


この人手不足の元凶は人口減少にある。2004年の1億2,800万人をピークに2030年に1億1,150万人、2050年は1億を切り9,500万人と予測。高齢化率は2004年19.6%から現在の31.8%、2050年は39.6%と実に4割を占める超高齢社会になる。

そして後期高齢者(75歳~)のピーク2040年に、労働者と高齢者が同人数になる。つまり1人の働き手が1人の高齢者を支える社会。私も生存していれば85歳の迷惑爺いの1人である。

加え、全国の世帯平均人数2.27人は2047年に1.92人まで減少。つまり1人住まいの方が多くなる。全国最下位の東京は1.9名と2名を切って久しいが、いよいよ単身世帯が主流となり、サザエさんのようなホームドラマは傍流になるのだ。

加えて更なる追い打ちが「認知症」の激増だ。来年500万人の認知症が2050年は1,000万人になるいう。政府は予防と医療の見直し(オレンジプラン)を推進するが、このままでは4割の高齢者に認知症が4人に1人の恐怖社会が待っている。

…と、人不足の行方を書き進めたが、話が大き過ぎて、私如きでは結論は出ない。ただ一つ明確なのは、日本を背負う若者が近い将来、この問題に直面するという事実である。


倍賞千恵子【PLAN75】という2022年のSF映画がある。政府は75歳以上になると生死を選択できるPLAN75を導入。この仮想の制度を媒介に「生きる」という究極のテーマを全世代に問う作品だ。高齢者本人の葛藤、市役所の担当と外国人のケア担当の呵責など痺れる話だが、これが全くの絵空事でないから重く切なく怖いのだ。

私なりに今すべきは・健康寿命を1年でも伸ばす努力・どこまで人に寛容になれるかの再考・今一度生きる事に向き合う事かなぁと考えた。

ぜひ家族で「PLAN75」を視聴して、2040~50年の自分と取り巻く人々の姿を想定し「私は何をすべきか」を大切な人と話し合う事が必要だ。

因みに我が家は、私が要介護で重篤な病いは「尊厳死」希望と伝えてある。スイスの「安楽死」が可能な日本になれば再考だが、願うのは私がその時ボケてないことだ。💦




2024年5月14日火曜日

ピカピカの新卒は。

多くの企業は新入社員を迎え、新鮮な風が吹いているが、一部の新人は想像した会社と違い「こんな筈じゃあない」と思う頃でもある。

今、退職代行が過去最多とは情けないが焦燥な「五月病」の方に一言。そもそも完璧な会社などあるわけがない。それより今の会社が成果と知見を蓄えられる環境かを判断すべきだ。

キャリアアップの転職なら、職歴書に披露できる知見がないと勤めた意味がない。ただ嫌だから辞めますでは、同じことを繰り返すだけだ。


さて息子は新人研修を終え、運営する480店舗から大型の「金沢店」に2名配属され、快適な社宅と親切な先輩に囲まれ元気に奮闘中だ。

実は私も26歳から5年間を福井で勤務し、最も営業力が培われた地。北陸は「弁当忘れても傘忘れるな」と言われるほど雨と雪は多いが、何より人が暖かくて最高の思い出ばかりだ。


昭和の価値観を今に問うTV「不適切にもほどある」じゃないが、昔は馬車馬のように働き、どこにも頼れる熱血上司や教師がいたもんだ。今なら過重労働とパワハラで大炎上である。

1978年(昭和53)入社の私は社歌「鐘紡われら」斉唱の入社式や業界一位を目指す環境からか、愛社精神と火の玉社員ばかりで、それこそ働き詰めだったが不思議と楽しかった。

しかし鐘紡は崩壊してしまう。2004年の鐘紡解散の前夜に幹部が集い、涙ながらに最後の「鐘紡われら」を斉唱し、伝統の社章(3Sバッジ)を襟から外した無念さは忘れない。


自分の無限なる可能性を追求せよ。


さて前回、新卒はさとり世代と書いたが、それを物語る息子の話。事前提出の赴任先に挑戦・全国どこでも希望は僅かで、大半が安定の地域指定の希望だったらしい。欲も夢もない「さとり世代」が透けて見える。彼らは21世紀生まれ初の大卒で昭和男は理解に苦しむ。

一方、息子は全国どこでものお陰で、金沢を思い切り楽しめる。今後は、知らない街での出会いと経験が積めるラッキーな環境なのだ。


ところで彼は、盛岡研修や金沢移動の立て替えと給料日まで収入もなく、金沢に旅立つ前日に「当面のお金を貸して下さい」と頼んできた。

そうか、既に息子の仕送りは終了したのだ。健康保険と扶養家族と住民票から外れ、彼は完全な独立独歩となる。今後は「便りが無いのは元気な証拠」と見守るだけは寂しくなるが、いや、待て、息子より私の子離れの時がきたのだ。

さて彼の借金だが、家内は年内返済の借用書を書かせ、相応の額を振り込んだ。家内には甘いと言われそうだが、実は私からの「最後の仕送り」にしようと思っている。💦


さぁピカピカの1年生よ。無我夢中で自己成長する奴がキラキラに変わるのだ。それには先ず肩の力を抜いて仕事を楽しむこと。つくり笑顔でもNK細胞の活性化で気持ちが前向きになり、義務的で嫌々に見えるような態度は激減する。

この先、人間関係で悩んだり成果が出ない時もある。そんな時は自分にパワー充電するチャンスと心得て、この言葉を肝に銘じよう。

『何も咲かない 寒い日は 下へ下へと根を伸ばせ やがて大きな花が咲く』

最後に一言。世の中、未だ昔の価値観のオジサンが幅を利かせているのも事実。さとり世代には面倒だろうが、そのことを忘れてはいけない。