日本は今どこも人手不足だ。輸送、建設、飲食など深刻で、頼りの外国人は、労働環境の問題や円安の目減りなどで先行きは不透明である。
娘曰く、建設の施工管理者は常に人不足で休日返上当たり前。彼女は工期に追われるのが嫌で、建築資材メーカーに入社したが、施工側の外国人向け取扱説明書の納期に追われる。娘よ、やはり仕事は追われるより追うもんだ。
食品スーパーの裏方も外国人が多いが、特に惣菜の食材カットや調理は技能訓練が必要だ。製造業同様に技能者も高齢化で、先を担う若手と指導役の熟練職人の争奪戦は熾烈らしい。
この先、我々は何処に行く?
この人手不足の元凶は人口減少にある。2004年の1億2,800万人をピークに2030年に1億1,150万人、2050年は1億を切り9,500万人と予測。高齢化率は2004年19.6%から現在の31.8%、2050年は39.6%と実に4割を占める超高齢社会になる。
そして後期高齢者(75歳~)のピーク2040年に、労働者と高齢者が同人数になる。つまり1人の働き手が1人の高齢者を支える社会。私も生存していれば85歳の迷惑爺いの1人である。
加え、全国の世帯平均人数2.27人は2047年に1.92人まで減少。つまり1人住まいの方が多くなる。全国最下位の東京は1.9名と2名を切って久しいが、いよいよ単身世帯が主流となり、サザエさんのようなホームドラマは傍流になるのだ。
加えて更なる追い打ちが「認知症」の激増だ。来年500万人の認知症が2050年は1,000万人になるいう。政府は予防と医療の見直し(オレンジプラン)を推進するが、このままでは4割の高齢者に認知症が4人に1人の恐怖社会が待っている。
…と、人不足の行方を書き進めたが、話が大き過ぎて、私如きでは結論は出ない。ただ一つ明確なのは、日本を背負う若者が近い将来、この問題に直面するという事実である。
倍賞千恵子【PLAN75】という2022年のSF映画がある。政府は75歳以上になると生死を選択できるPLAN75を導入。この仮想の制度を媒介に「生きる」という究極のテーマを全世代に問う作品だ。高齢者本人の葛藤、市役所の担当と外国人のケア担当の呵責など痺れる話だが、これが全くの絵空事でないから重く切なく怖いのだ。
私なりに今すべきは・健康寿命を1年でも伸ばす努力・どこまで人に寛容になれるかの再考・今一度生きる事に向き合う事かなぁと考えた。
ぜひ家族で「PLAN75」を視聴して、2040~50年の自分と取り巻く人々の姿を想定し「私は何をすべきか」を大切な人と話し合う事が必要だ。
因みに我が家は、私が要介護で重篤な病いは「尊厳死」希望と伝えてある。スイスの「安楽死」が可能な日本になれば再考だが、願うのは私がその時ボケてないことだ。💦