2016年1月22日金曜日

夢を諦めるな!

今年はリオでオリンピックが開催されるので、4年後の日本・東京開催は目の前である。
準備も大変だが、開催国としてメダルの獲得必須種目の関係者には相当なプレッシャーである。

この春で中3になる息子は、小学校の卒業文集に「柔道で東京オリンピックを目指す」と書いた。
始めて1年足らずで、随分と無謀な夢を掲げたものだが、本人はひたすら練習に明け暮れている。
親としては、怪我でもした時の心配から「文武両道」を唱え、進学など将来的に潰しの効く道を考えるが、息子は全く意に介さない。

友人の息子さんに、ジュニア日本代表からサッカー選手を目指し、大学でもサッカーに取り組んでいる好青年がいる。彼は昨年、半月板損傷の大手術をして、ほぼ1年間を棒に振る事になった。
友人は、親として「将来のことも考えて、勉強と就職活動、それから人脈作りも大切に」とアドバイスしたらしい。息子さんは「あと1年、頑張らせてくれ」と頭を下げたとのこと。
小・中・高時代は、息子を見守り応援してきたが、大学生ともなると、夢だけでは飯は食えない、という自覚も必要、とつくづく友人から教えられ、私も早々息子に伝えることにした。

その日、道場から戻った息子に、とうとうと、その話をした。じっと耳を傾けていた息子が一言。

「よくわかったよ。結局、夢は諦めるな、ということだね」
「・・・。いやいや違う、夢は大切だが他の道も考えて、今は勉強もしろ、ということだ」
「でも、お父さんの友達の息子さんは、もう1年頑張るんだよね」
「・・・」。

どうしたものか、と困ってしまった。翌朝、友人にラインで報告すると、暫くして返信があった。
何と、日本ジュニア代表でのフランス大会のメダルの表・裏の写真が添付されてきた。
何も書かれていない返信だけに、気持ちが伝わる。


やはり、夢はあきらめられない

『今はとことん努力し、這い上がってでもやり切れ』なのだ。息子は、メダルを見て目を輝かせていた。「やらずに諦める後悔」より、たとえ夢には届かなくても「やりきったことへの満足」のほうが、重いんだろうな。友人もきっと子どもが完全燃焼するまで見守るのだな、と納得した。

そんな息子たちの練習は、当然きつい。部活以外にも須賀道場で夜遅くまで練習である。道場が休みの土日は、部活と塩浜の市川柔道教室にも通う。周りの先生たちの卓越したご指導と練習量のお陰で、息子たちはみるみる強くなった。


昨年秋の千葉県新人戦では、市川七中が男女とも優勝。個人戦でもレギュラーは各階級トップクラスである。息子も81キロ級で優勝でき、千葉県中学強化選手に全員が選ばれた。これで強化練習もプラスされたので、柔道漬けの毎日になってきた。



千葉県の強化スケジュールは、秋から半年間続く。熱心な強化担当の先生たちのご尽力で、地元の大学・高校も協力してくれ一体となって練習して頂ける。
先日の3連休も強化合宿があり、食事と風呂の時間まで惜しんでの練習メニューに、戻ってきた息子たちは「暫く柔道は見るのも嫌だ」と言ったきり、死んだように爆睡していた。
先生たちは、ついてこなければ、いつでも辞めて構わない。強制でもお願いでもない、とはっきりしている。爆睡から目覚めた息子は宿題もやらず「柔道ノート」をつけていた。喜ぶか悲しむか複雑だが、正直ここまで突き抜けると呆れて文句も言えなくなる。

そんな最中、昨年暮れに千葉県団体戦優勝校として、念願の「サニックス旗福岡国際中学生柔道大会」に出場してきた。こんな機会はもうない。レギュラーの家族と須賀道場の岩崎先生も応援団で福岡に出向き、正月前の大旅行となってしまった。世界11カ国の柔道中学生が参加する大会で、ロシア、韓国の選手の体格と強さには驚いた。対戦はなかったが、翌日の練習試合は世界柔道を体感できる良い機会であった。

試合結果のほうは、1回戦目は5-0で圧勝したが、2回戦が昨年優勝校の愛知・大成中に2ー3で敗れ、残念ながらそこで終わった。因みに決勝戦は、東京の国士舘中対福岡の大蔵中で、1-1で代表戦にもつれ込み、延長時間無制限の壮絶な戦いの末、国士舘が優勝した。精魂尽き果てた代表選手2人に、場内惜しみない拍手が鳴り止まなかった。



やはり全国の強豪校を見ると、「上には上がいる」と実感する。所詮、今は千葉の大将なのだ。
「全国から選手を集める私学と違い、公立の市川七中さんは、仕方ないですよ」と慰めてくれる方もいるが、勝敗にはなんの関係もない。ましてそれを理由に「仕方ない」と他責にしても解決はしない。課題と対策は、自責からしか生まれない。体格、経験、組手のさばき、技のキレ、練習量など、どれをとってもやるべき対策は山積みだ。先生たちは全国中学大会を睨んで、練習を組み立ててくださるが、何より本人が自分の課題を腹に落とし、考え、工夫して自ら克服するしかないのだ。

練習は嘘をつかない

今は、息子が柔道をやってよかったとつくづく思う。小学校で浦安柔道協会で素晴らしい先生に出会い、中学で熱心な顧問先生のいる市川七中柔道部に席を置き、名門須賀道場の門下生となり、その御縁で市川柔道協会の先生たちとも巡り会えた。
柔道の王道を貫く、名だたる指導者に囲まれている奇跡的な出会いに感謝してもしきれない。
中には「強けりゃいいんだ」とばかりに、試合態度も無作法で、挑発や頭突きまがいの試合をする子どももいる。しかし、うちの先生たちは絶対に許さない。
やはり、少年柔道の原点になる教えは「礼儀は僕らの得意技!」なのだ。

当り前として、親と先生と先輩に礼を尽くす。そして夢に向かいひたすら練習に励む。
息子は「大外狩りの打ち込みを1万回やったけど、5000回から変わり始め、1万回で少し分かった気がする」と言っていた。傍観者から見れば凄い練習だと思うが、平然と練習させる先生と、実行する子どもには、それが当然なのである。


「かけた情けは水に流せ。受けた恩義は石に刻め」 須賀先生と岩崎先生の人生訓


「諦めず 気が遠くなるまで 繰り返す」 立花克彦先生の人生訓

「百折不撓」 廣田先生、増田先生から頂いた道着の刺繍





先生から頂戴した言葉も、練習道着も、日々のご指導も、全てに恩師の想いがこもっている。

4年後に、東京オリンピックはやってくる。限られた時間だけに、ただ、ひたすら夢を諦めずやりきって欲しい。挫折しても這い上がれ。よしんば夢敗れてもいいじゃないか。
それ以後も人生は長い。そのためには「やり切る気持ちと諦めない心」を、今こそ養うのだ。

還暦オヤジも、全ての方も、今からでも遅くない、と元気が出てくる。
誰にでも「やる気」と「元気」と「根気」は、まだまだ育つものだから。


知識融合化法認定法人フュージョン株式会社
 東京オフィス長 田辺志保

2016年1月4日月曜日

2016年を迎えて

新たな年を迎えて、本格的に街も会社も通常モードに変わり、追われるように動き始めた。

本年も昨年以上に好奇心を持って全力で取り組んで参ります。昨年同様のご厚情を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

2016年に起こる世間の変化を眺めると、我々の動きにも変化対応を求められそうである。
国内では「マイナンバー制度」が稼働を始める。政府も企業もこの対応に追われるが、抜け道ビジネスの出現や、そのシステム対策を講じたりと世間を賑わしそうだが、新たな事業も生まれそうだ。
何れにせよ、各人のセキュリティ意識はさらに敏感になる事は間違いない。

札幌に本社を置く当社に関係ありそうなのが、「北海道新幹線開通」だ。東京ー函館を4時間で結ぶので、町おこしは北陸の再来を予感させるので期待が持てそうだ。

経済界では電力小売りの全面自由化。価格・サービスともに既に100社以上が事業申請しており、ガスや水道などのセット売りなど競争激化が予想される。
政治では、参議院議員の任期満了に伴い通常選挙が行われる。この年から公職選挙法改正により18才以上が投票できる。若者は、政治に無関心などと言わず、将来の日本に関心を持ち、政治家の高齢社会充実の訴えから、若者社会への活性化にシフトする公約を見極める事が大切だ。

海外では、フィリピン大統領選挙、アメリカ大統領選挙がある。日本の国際的関係性にも影響はあるだろうし、リオのオリンピック、NYのF1開催など、テロ対策のせめぎ合いは激化する一方だ。

不易流行

大きな変化に「変わらなければいけない」ことがあるように「変えてはいけない」こともある。
温故知新も同様の意だが、過去を学びながら大胆に進む、の大切さは以前の会社や実生活でいやというほど学んできた。先人の思いの真理を探る事は重要である。

1887年創業の以前の会社は「正しく行って何人も恐れず」を基本に「愛と正義の人道主義」「社会国家への奉仕」「科学的合理主義」の根本精神を掲げてきたが、同じ創立118年目の「正道を歩む」を忘れず「絶えざる革新」を継続してきた会社に買収されるとは、あまりに皮肉な話である。
経営陣が、創業の精神を忘れた時に、何かの歯車が狂いだす。誰も止められない歯車はその規模が大きいほど修正や制御が効かない。苦しい時や新しいことを追求する時こそ、歴史、知恵、慣習を学び大切にしなければならないのだ。

我が社フュージョンは、昨年12月で25年目を迎えている。全社一丸となり、ひたむきに正道を歩み、根本精神を皆で胸に刻んでいる最中である。
入社時に頂いた「FUSION MISSION」小冊子の社員行動指針に、こう書かれている。

抜粋だが、
「知識や経験を惜しみなく伝える人」
「約束を守り最後までやりぬく人」
「相手を思いやり感謝を伝える人」
そして、1番目の指針が「心をこめて人の話を聞く人」である。

この会社がこの先100年経とうが、変えてはいけない行動指針である。

大河が大河であり続ける如く、どんなに会社が変化しようが、その源流には「人のあるべき姿」が流れていると、つくづく感じる。



鎌倉時代の三大随筆「方丈記」も、我々に大切なことを教えてくれるなあ。

知識融合化法認定法人フュージョン株式会社
 東京オフィス長 田辺志保