弊社新卒が研修を終え7月から各事業部に配属された。以前に書いた俗にいう「さとり世代」だが、見る限り冷めた面子は一人もいない。
新人の日報から不安や期待は窺えるが「誰もが通る道」とは言わない。昔、私はそう言われ「知るか、自分は初めてだ」と反発したからだ。
当時の私は、振り返るどころではなかった。これが、ある程度業務を把握してからの不安と期待次第で、継続への意志を固める第一局面になる。
その後の人材育成は入社3~5年でステップUPを考える。大手なら転属転勤のジョブローもあるが、環境が同じなら後輩の指導や業務の幅を広げ「中堅社員」の自覚と周知を促す。
仮に転職するなら職歴書に記載できる内容が大事。短期間や浅い経験ではあてにならず、面接で知見が深いと判れば好条件でも欲しくなる。
しかし新人のうちは、不満と期待の変化を楽しむつもりで、雑用でも何でも引き受けて、自分の価値を上げる為に全てを吸収する時期だ。
「親思う心に勝る親心」から脱出。
先日、新人の息子が社販購入した車で金沢から6時間かけて戻ってきた。全日本学生柔道に集結した一期生たちと泊まり、翌日は仕事で我が家には2時間ほど立ち寄っただけだった。
それでも息子は初任給で購入した家族のサイフにカードを添え置いていった。感激!しかし手弁当を持参する彼の懐を知るだけに、私は大量の冷凍総菜を返礼したのだった。甘い!
そういえば大昔、私も両親にペア時計を贈った事がある。両親が何度も電池交換し大切に使っていた事を、家内に聞いて初めて知った。嫁にまで自慢した親父の気持ちが今はよく判る。今更だが「子を持って知る親心」を実感する。
今までは「親思う心に勝る親心」と嘆いたが、息子から財布を貰った時、私は自分の親に対する不義理を思い出した。殆ど静岡に戻らず随分と心配させた。実家に顔を出さない息子は、昔の自分そのものだ。それこそ因果応報ってやつだ。
そんな親不孝の私が思い知った『いずれは出来なくなる貴重なこと』を共有したい。
一生で、子どもと過ごすのは2,400日、家を出て親と会うのは480日、子どもの行事参加は30回、家族全員での休日は500日。何と少ないか!私は子どもとの休日は期限切れだが、家内とは、従来の「家族にサービス」発想でなく純粋に楽しむ気持ちで過ごそうと思う。
皆さんも家内安全と豊かな人生に向け、家族との僅かな時間を大切にと願うばかりだ。