ファイナリストの方々は、3月1日日本代表選考日までの2週間を、東京椿山荘での「ビューティキャンプ」に全員が参加する。各界から講師を招いて、外見の美しさだけでなく、「知性」や「物腰」「自己表現」などの様々なレッスンを受け、自分の将来も見据えた「女性を磨く」期間となる。
そんな「ビューティキャンプ」の折り返しの24日、友人の谷口氏のご縁で今年もキャンプ講師として椿山荘にお邪魔した。46名の代表者が学校形式で並んだ部屋は、抜群のスタイルと美しい笑顔に溢れ、会場内は独特の雰囲気に包まれていた。
私と同行したフュージョンアナリティクスの平岡さんは、明らかに緊張して、彼の鼓動が聞こえてきそうだった。私は、たまたま前の会社が、圧倒的な女性パワーで成り立つ会社だったので、若干懐かしさも感じた。
講演は、以前紹介したことがある「ザイアンスの法則」から話を始めた。突然の田邊をみて胡散臭さを払拭して、好印象から好感まで高めて「聞く耳」を持って頂く為である。
未だ「人は身なりや印象で判断する」は世の常で、我々は今までの物差しで、好き嫌いを判断してしまうもの。良くないとわかっていても「あの人とは合わない」とか「あの人、苦手」と決めてしまう傾向がある。
ところが、自分が意識して相手を自己開示させていくと、知らなかった相手への理解度が増す分、自然と好感を持ち始めるという法則である。苦手と思う方を思い浮かべるよく分かる。その方の人間的側面を全く知らない場合が多い筈だ。
次は、対人関係のアドバイスである。コミュニケーションには、ちょっとしたコツを知り実践するだけで、随分とお互いの印象や好感度を変えることが出来る。人が意識する行動と、無意識の行動を理解して、話し方、目線、物腰、傾聴のうなづき、などひと工夫すると、相手の反応を変え、好感度が深まりコミュニケーション力は大きく変わる。
具体的に興味のある方は、以前のブログを是非お読みいただくことをお勧めする。
今回の彼女たちも、真剣な眼差しで瞳孔を開いて受講いただき、こちらが恐縮するほどであった。まさに話し手の心をくすぐる「積極的傾聴」の実践を見る思いであった。
最後に、野口雨情の「シャボン玉」を合唱し、創り手の想いを知ることで、今までの価値観や概念を捨て、本質を見据えた深い概念と価値観を築こう、といった主旨もお伝えでき嬉しい限りだ。
本当の美しさ
彼女たちは、誰もが羨む「美しさ」を既にもっている。しかし、本当に美しい人とは、他人の美しさに気付ける感性と、素直にそれを認める度量をお持ちの方である。勿論、コンテストだから自己アピールの主張は大切だし、グローバル社会では肝要な要素である。
しかし、これからの長い人生「私が、私が」の「我」を忘れ、「無我」に近づき、他人の痛みを知りながら、目指す「夢」に向かってひたすら歩み、夢の「中」に入ることが、最も大切だ。
これが「無我夢中」の姿である。まだまだ私もたどり着けない境地であるが、見返りを求めず、ひたすら努力を重ねる「無我夢中」の姿は、魅力的であり、思わず見習ってしまいたくなる。46名の無我夢中の努力の姿勢が、日本代表選考会だけでなく、これからの人生の根っこになれば素晴らしいことである。
日本代表は一人だけである。言い換えればあとの45人は、優勝者にエールを送り、世界舞台の夢を託すわけだ。「悔やしさ」は次なる挑戦のバネとして、これからの課題と対策を考えることだ。しかしそれ以上に得たものが、地方大会からこのキャンプまでにある筈だ。多くの方々の応援と温かい言葉、隣人の気遣いなど、全てがあなたの財産である。
まさに「出会いは人生の宝」を実感して欲しい。
昨年のビューティキャンプでの講演後、記念撮影で隣に座ってくれた長崎代表の宮本エリアナさんを思い出す。彼女は見事日本代表に選ばれた。98%が同民族の日本で、アフリカ系米国人を父に持ち、差別や偏見やいじめを跳ね除け、日本をこよなく愛する彼女は、見事に世界にその存在をアピールした。
2016の日本代表になられた滋賀代表の中沢沙理さん、切磋琢磨した仲間の想いと、今までの方々への感謝を背負って、悔いのない自分らしい世界大会を思い切り楽しんで欲しい。
結果より、「無我夢中の健闘」を、心より祈念している。
「信念」と「無我夢中」。ミス・ユニバース・ジャパンの皆様に、私自身が教えられた日であった。
田辺 志保
http://missuniversejapan.com/e20160/⇒ザイアンスの法則