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2024年3月30日土曜日

大学柔道物語⑩最終話

息子が大学を卒業した。小5から「柔道漬け生活」が終わるのは感慨深い。声を枯らした応援、全国行脚、道場送迎、一日一一升と大変だったが、私と家内には楽しませて貰い今となれば感謝しかない。

息子は高校・大学と柔道推薦で引っ張られ、一体どこまで成長するかと勝手に期待した時期もあるが、根本的にそれは間違っていた。

過度な期待は「失望と挫折」と表裏一体。彼も自分に期待した筈だが、全国の上位になる厳しさに加え、大学2年後半に腰痛が悪化してからは、戦績より勇斗(はやと)らしくが共通の期待に変わった。

彼はその期待に応えたようだ。後輩からの慕われ様と、12年、泣き言いわずにやり遂げた継続力は、勇斗らしい魅力的な武器になった。


柔道こぼれ話。


先日、帝京Gの卒業式が「日本武道館」で開催。柔道部にとっての武道館は、地区の代表しか臨めない全国大会の場所だけに、今後は一観客にしかなれない寂しさはあったようだ。

一方、嘉納治五郎が興した柔道の総本山である「講道館」は、やはり柔道家の聖地である。ここには高校柔道の思い出が数々ある。

講道館は、登録の息子たちも練習するが、何より強豪校揃いの東京都の高校柔道部が全国出場を賭ける激戦の場。「東京を制する者は全国を制する」と言われ、当時は声を枯らして応援したものだ。

講道館のこぼれ話。講道館近くの食堂には何と「1㎏ハンバーグ」のメニューがあり、それを食らう息子たちに他店の大盛話を聞くと安田学園の両国の「ちゃんこ・飯食い放題」と「すき家キング盛り」には2度びっくり!

すき家の裏メニュー「キング牛丼」とは、並盛の6倍の肉と2.5倍の白飯で一杯1,230円、2,300kcalとコスパ最強丼だが、重量級の息子たちには強い味方、大判振る舞いの「すき家」には大感謝なのだ。笑


飾った世界に流されるな。


世間では今年の新入社員を「さとり世代」と呼ぶようだ。その最大の特徴は「欲がない」。夢や希望がなくても今が安定していれば満足で、恋愛に興味がない、旅行に行かない、無駄遣いしない、熱くならない現実派と言われる。

育った環境が不景気とはいえ「枯れた年寄り」と変わらない。一方、息子たちは夢と希望に燃え鍛錬を重ね、大学で坊主頭と不休の練習から解放された。こんな柔道小僧は悟るどころか欲望満載で、彼らがさとり世代とは到底思えない。


さて、息子は研修で発令の赴任地に引っ越すだろう。どこに行こうが赴任先の先輩に喰らい付き無我夢中で仕事を覚え、お客様の心に寄り添うのだ。柔道のように、まず仕事を好きになり、向いていると思うまで全力で取り組め。

そりゃ大変なことは当然。だが大変とは大きく変わるという意味だ。それでダメならやり直せ。長い人生、大した問題じゃあない。

息子よ、勇斗らしさを失うな。今どきの冷めた虚栄の「我」は捨て「無我」となり、己の目標・夢へ「夢の中」に入り込め。これが誰もが認める「無我夢中」の姿なのだ。

願いは「時代遅れ」の唄。不器用でもしらけずに純粋でも野暮でなく、飾った世界に流されず大切な人を思い続ける。こんな男がそのうち判る。

最後に、昔から貴方に唱え続けさせてきた合言葉を、未来の勇斗に贈る。

『執念ある者は 可能性から発想し 執念なき者は困難から発想する』


■安田柔道物語最終編「時代遅れ」掲載

http://tanabeshiho.blogspot.com/2020/03/blog-post_17.html?m=1











2024年2月7日水曜日

大学柔道物語⑨就職編

息子の就職だが、年の瀬に本命先がダメになり慌てて就活を始めた。時期的に厳しい筈が、内定辞退の多発で追加採用が多く、息子はこの機を逃さず面接ラッシュでバタバタだ。

しかし春の実業団大会に登録までさせて、梯子を外した県警柔道部には憤りるが、今さら愚痴るより、今後の企業面接で今回の経緯で「口約束でなく契約締結までは安心できない事を学んだ」と語ればよい。

実際面接では就活の話も出たが、質問は総じて柔道話で率直に体験を語ると盛り上がり、その反応に息子の方が驚いていた。やはり12年間の柔道継続は興味深いのだろう。

ある役員から「柔道での学びと今後」を聞かれ、柔道精神「自他共栄・精力善用」と、今後は恩義ある道場で子どもを教え、裾野を広げたいと答えたらしい。ホントかよ、と思ったが、無難な答弁と道場への想いに柔道バカを少し見直した。

軒並み面接の結果、複数社から内定を頂き取捨選択できるまでになり本当に有難いことだ。


この道より我を生かす道なし この道を歩く。


彼は業種別に食品、設備、住宅、物販系の内定先から悩み抜いた結果、物販系の業界大手を選択した。取り敢えずの使い捨て営業と違い、全国展開で社員が数千名の上場企業なら、適材適所の人事や人材育成に長けているだろうとの判断だ。

正解は入社しないと分からないが、業界トップを狙う姿勢と将来性は興味深い。おそらく超多忙だろうがチャレンジ精神は鍛えられる筈。

そもそも「やりたいことを仕事にする」のは難しい。最初からやりたい事など分かる訳なく、好きか、嫌いか、向いてるかを模索し、好きで向いていると思う仕事のスキルと知見を積んだ先に、その仕事をやりたい事としてリンクさせるのだ。

先ずは与えられた仕事を評論する前に、その仕事を好きになる事に全力傾注だ。厳しくとも、石の上にも三年は試行錯誤して向かないなら転職だ。

転職とは「向いている仕事」探しで逃避ではない。そう、20代で汗を流さないと40代で涙を流し、30代で知恵を出し変革せねば50代で部下は持てない。


息子たち柔道部4年生は、新設柔道部一期生として、先輩も歴史もない帝京平成大をAリーグに昇格させ、全国ベスト16入りに誇りを持って欲しい。選手の力は勿論だが、小野監督とコーチ陣の指導のお蔭である事も忘れてはいけない。

この4年間の「固い絆」は人生の宝になり、流した汗と継続力は、これからの最高の武器になる。まさに自他共栄と精力善用の姿だ。

こうして息子は会社員を覚悟して卒業する。全ては柔道あればこそで、恩師に感謝し次は社会人という団体戦と個人戦で勝利を掴むのだ。

因みに私は、彼が何処に配属され、どんな会社員物語を紡ぐのか興味津々だが、ブログで語れるかは独り立ちした娘と同様で彼と相談だ。

何れにせよ、自分で決めた道を信じて歩み始める息子に、武者小路実篤の言葉を添える。

『この道より我を生かす道なし この道を歩く』



















2023年6月22日木曜日

大学柔道⑧教育実習。

 6月も終盤となり今年も折り返しである。時の早さに驚くばかりで、まだ先だと思っていた息子の安田学園での教育実習が始まっている。

実習3週間はスーツ姿にドカ弁と道着を抱え、早朝に出掛け夜遅く帰宅。先生業は大変だ。

家内は久しぶりの息子の長期滞在で大忙し。早朝から3人分の弁当と夕食に追われるが「一日一升の炊飯」の復活が何となく嬉しそうだ。

息子は先生方の授業を観察し、保健体育の指導案を作成し授業を行う。現在安田には14名もの実習生がいて教科別に実施要領が違う。受験科目の英語生は早々と小テストを任されるが、息子は保健体育と柔道部の朝練とガチ取り組みだ。

先生方は息子をよく覚えていて「田邊が先生か」とからかうが、元気が取り柄の息子に皆さん温かい。特に柔道部の川合先生には色々とご配慮頂き、感謝しきれないと語っていた。


柔道部4年の就活事情。


安田学園は偏差値も上がり、先ず入試に合格しないとスポーツ特待もない。結果、有力選手を集めにくい柔道部は、昨年表彰された関東大会30年連続出場の記録が途切れてしまった。

以前は、猛練習と自発的な切磋琢磨で、都内でも強豪の一角だったが、今は基礎練習と体づくりが先決で、息子なりに部員の指導に悩んでいる。


そもそも体育教員は供給過剰で、他で働き待機する人が多く私なら挫けそうだ。それでも教員免許は取得すべきだが、卒業後の免許取得からの採用試験は先行き不安の狭き門だ。

地方公務員の県警も同様で、千葉は採用165名に何と5倍近くが応募、そこから2次面接が息子たち590名だから合格率2割強と、かなり難関だ。

故に息子は7月から一般企業の就活も並走し、県警の結果と後期試験も考え、私学の教員募集を探りながら、最終の決断をするようだ。

親は先々を色々考えるが、息子の方は実習仕上げとなる大学側と先生20名が参観する「田邊の研究授業」の指導案の作成と、実習終了日は翌日に始まる全日本学生柔道の団体メンバーに合流する準備などバタバタで、今を精一杯である。

未知なる柔道部4年の就活事情。他人事なら面白いが親としては彼に根付いた?はずの「自他共栄・精力善用」を信じて見守るしかないか。














2023年5月13日土曜日

大学柔道物語⑦今でしょ。

息子は無事4年に進級した。授業時間は昨年より減り、腰痛は以前よりは楽なようで、今は大学最後の柔道部を楽しんでいるようだ。

柔道界も大会が再開されてきた。先日は千葉県実業柔道連盟主催「千葉オープン」の5名団体戦に出場と聞き、久しぶりに家内と観戦に出かけた。

関東だけの大会だが、注目は自粛していた警視庁、神奈川、千葉、埼玉の県警が出場する事だ。息子の帝京平成大は予選リーグCで、早稲田大、千葉工業大、埼玉県警の4チームの総当たり戦で優勝したチームが本戦進出となる。

埼玉県警との試合は興奮した。中堅の息子の相手は埼玉県警のエース。引き分けで上等と思ったら返しの小外掛けで勝ち、埼玉県警に勝利。こりゃいけると期待したら、サラッと早稲田に負けた。本戦進出した早稲田は柔道も強いのだ。


今、やるべきこと。


全日本学生大会も目前だが、それ以上に就活にも集中だ。実業団内定の一握りの選手以外は、柔道から就活生に軸足を移し自らで進路を掴むのだ。

彼の戦績は団体戦全国16位、個人戦は千葉県学生100k級優勝と全国区での活躍は及ばなかったが、唯一、誇れるのは小中高大と一途に柔道に打ち込んだ事。これは今後の彼の財産になる筈だ。

さて、息子は教育実習と県警の地方公務員試験を待つ。一般の企業就活だと内定が出る頃だが、お気軽な彼は千葉県警の説明会に行ったきりだ。

それを案じた息子から具体的な企業活動を聞かれ、今頃遅いと返したが、たまたま彼の近くに住む弊社の2年目生に就活レクチャーを頼めと伝えた。それをどうするかは本人次第だ。

今まで体を張った勝負だけの男が、今回は頭脳戦になる。さぁどうなるか、結果次第では企業就活か、後期の公務員再試験か、乞うご期待だ。

何にせよ彼にとっては正念場。不器用な極楽トンボの奮闘を願って止まない昨今である。







2022年11月20日日曜日

大学柔道物語⑥4回生。

柔道息子が来春で大学4年になる。あっという間に大学柔道もあと1年余りだ。いよいよ社会人としての将来を模索する時期が来た。

実は3ヶ月前、彼の腰に激痛が走りヘルニアと診断された。今までの柔道腰痛に加え、240㌔のデッドリフトが引き金になったようだ。今は相手の技を耐えようと踏ん張るとかなり痛むらしく、無念だが以前のような動きは難しくなった。


椎間板ヘルニアは腰を酷使する柔道家にも多く、手術しても完治は難しい。有明医療大の福田先生の指導で柔軟と血行促進に努めるが、今後は痛みと上手に付き合うことになる。

監督は先日の全日本学生の団体戦メンバーから息子を外した。大事な大会で、腰に爆弾を抱えた力不足の選手の入れ替えは仕方ない。本人はショックだが、これを自分と向き合う機会と捉え、柔道部は後輩に経験を積ませる機会となった。


柔道では飯が食えない。



柔道家なら憧れる世界柔道大会は、全日本代表メンバーから各階級一人しか出場できない。プロアマ問わず、どのスポーツでも一握りの選手に淘汰され、外れた者は今までの鍛錬や上下関係で得た礼節を身体に刻み、新たな道を歩むのだ。

息子も分かっている。体育の教職を選び、来年は母校の安田学園で教育実習だが、体育や社会科の教員は人数も多く空きが少ない。教員資格だけでは先生になれないのが現実だ。

先日の千葉県学生大会では、腰の調子が良く優勝したが、直ぐに事態の好転はない。さすがにお気軽な息子から進路相談したいと言ってきた。

勿論、幾らでも力になるが、一番重要なのは自分はどうしたいか、何をしたいかである。

柔道家に多い警察・消防の公務員だが、今は倍率も高くかなり難関。だからといって、どこかの会社の営業でもの仕方ない発想はダメだ。事前にOBや会社を訪問し、やりたい方向を絞らないと、あとで後悔して転職グセが付くだけだ。

「学生時代を謳歌」とは無縁な柔道漬け生活をやり通した一途さは素晴らしい。しかし柔道と素直と根性だけでは、厳しい世間を乗り切れない。

この3年間、大学柔道も大会中止か無観客試合で見学できずにいたが、ここにきて「柔道息子vs就職」という柔道以外の初試合が始まる。

この真剣勝負は柔道と異なり、私は多少のアドバイスしながら観戦できる。息子には一大事だが、正直、これは見ものである。



2022年4月30日土曜日

大学柔道物語⑤差し入れ。

 先日、久しぶりに息子の柔道部を見に行った。息子が小学柔道以来、公私ともにお世話になっている増田先生と差し入れの弁当を持参した。

昨年1部に昇格した帝京平成大柔道部は、これからが勝負の筈が大会の大半は中止。ここに来て、ようやく大会が開催され始めた。

先般、全日本Wカレッジ大会が天理大で行われ、帝京平成大も出場したが、上位に食い込めず残念だった。息子は選考会に発熱で自宅待機。大会以前に強敵「体調管理」に敗れた。笑えない話だ。


しかし早いもので、一期生の息子達は3回生だ。新1年10名に小野監督と三戸コーチと、新たに田中コーチが加わり総勢40名の体制となった。

柔道界では、全日本男子の井上康生監督が任期満了で、鈴木桂治氏と交代された。それに伴い帝京平成の小野監督が全日本の重量級コーチに就任。全日本と息子達の監督の両立は大変だと思うが、どちらも益々の活躍を期待してやまない。


一途な練習は噓をつかない!


当日は、出稽古の高校生や女子柔道部も参加した乱取りの真っ最中で、活気に溢れていた。

練習最後は乱取り1本取りで、勝敗がつかない2組の乱取りが延々と続く。その1組が肩で息する息子たち、ついに増田先生から懐かしい檄が飛ぶ。「勇斗!今だ、いけ~!」笑。

昼休憩に入り、1人2種類の弁当を差し入れたが、4個食う猛者もいて、100個の弁当は瞬く間に無くなった。皆が喜ぶ姿は嬉しいものだ。

創部3年目、伝統も実績もない無名柔道部だが、以前、小野監督が「絶対に諦めない雑草魂をもった部員にしたい」と言った言葉を思い出す。

質素な暮らしぶりと、朝晩のハードな練習に一生懸命の彼らを見ると、雑草魂が着々と育まれていると感じるのは、私のひいき目だろうか。

息子たちは午後の練習で、家内と下宿先に寄ったが自炊と洗濯は小まめにやっている様子。穴の開いたボロボロのアンダーウエアを洗濯し、大切に干してあるのを見て、1人暮らしのやりくりで、いつしか経済観念も生まれたようだ。

今回、柔道部の様子をみて少し安心した。息子はやはり柔道が大好きなのだ。これに不屈の雑草魂が備われば、この先、社会人になっても何とかやっていけそうな気がする。

それまでに私ができる事は、息子達の応援と私なりの柔道部の広報活動。少しでも知名度が上がれば良き後輩が集う一助になれるかもしれない。

これからも彼らに差し入れや、自宅に招待する為に、もう暫く引退せず仕事をするか。

さぁ頑張るぞ!柔道部から「元気チャージ」という差し入れを、私が貰った日となった。






2021年11月26日金曜日

大学柔道物語④非日常の世界。

 大学柔道も延期された大会が始まっている。各大会に出場する選手は練習に熱が入る。

大学日本一を争う7人団体戦「全日本学生柔道優勝大会」の帝京平成大の初戦は、何と天理大学。金メダルの大野将平を輩出した強豪である。

男子1回戦、帝京平成大は残念だが天理大に敗れてしまった。初の全国出場での負けも貴重な経験だ。決勝戦は東海大が筑波大を下し、男子も東海大学が柔道日本一の座を堅持した。

大学柔道はレベルが違う。高校に比べ体格も試合の攻防戦も一段と長けてくるので、試合が緻密で面白くなる。大学生が一般の国際大会でも活躍するので、考えれば当然である。


息子たち柔道部の日常は、指導者の支えもあり、みな楽しそうだ。1回生が下僕と化す大学もある中で新設は悪しき慣習もなく、最上級生が優しい2回生なので真面目で平和なもの。

しかし平和とは言え、一般人には耳の潰れたマッチョは異質に映る。電車内で人に避けられると少し落ち込む柔道部。彼らの日常を知ると印象も変わるかもしれない。


柔道部の日常は非日常か。


先日、仲間が楽しそうにバリカンで五厘坊主にしている動画を見た。聞くと柔道部員の総意で、練習に遅刻3回で坊主頭!と決めたらしい。今更と笑ったが、丸坊主からやっと解放された彼らだから、大学生での丸刈り罰則は効果的なのだ。

帝京平成大の練習は小野監督と三戸コーチのもと、日曜以外は朝7時の朝練と授業後の夜練の一日2回にプラス筋トレと充実した日課である。

学生寮がない為、皆アパート住まいの自炊生活で、ちゃんこ鍋は肉の取り合いで揉めるらしい。息子は学食では足りず、タッパに白米と増田先生ご提供のハンバーグや牛丼を詰め、朝と昼2食分の手弁当を持参している。マメな行動に驚いた。

1回の練習だけで、体重はかなり落ちるので毎日が飢餓状態だ。まるで排気量は多いが、燃費の悪い重量級の戦車と軽量級はジープのようだ。

柔道部は皆がこんな生活。金と時間に余裕があれば、お洒落や女性の話に花も咲くが、今は「食欲」に支配されている?が真相は不明。

そんな柔道部5人が我が家に宿泊。一升半の酢飯と大量具材で手巻き寿司、寸胴の豚汁と唐揚げと肉団子も瞬時に無くなる。翌朝もしっかり平らげ嬉しそうに帰ったが、片っ端から食べ尽くす姿に、家内シェフが一番嬉しそうで「又いつでもおいで」と言っていた。💦


因みに帝京平成の女子サッカー部は日本一。何事もサッカー部優先で新米の柔道部は肩身が狭かったが、1部昇格で筋トレ利用時間が増えたと喜んでいた。更に戦績をあげ予算獲得して「柔道部、ここにあり」の存在感へと繋げるしかない。


宿泊した日、彼らは我が家から覗くスカイツリーを「初めて見た」と喜んだ。練習で夜遅くに帰宅、自炊、道着洗濯に追われ帰省も東京見物も叶わない。側からは非日常でも、彼らには当たり前の日常には感嘆するが、少しだけ切ない。

新設で無名の柔道部だが「雑草魂」は育っている。一期生の息子達は来春3回生。大学柔道界に少しでも痕跡を残し、将来も固める時期がきた。

私の願いは一つ。負けて心折れるより、ケガでの挫折だけは絶対するな!である。












2021年6月4日金曜日

大学柔道物語③一部への道。

 多くの柔道大会が、無観客での開催を始めた。息子たちも、ようやく関東ジュニアと全日本学生柔道大会の地区予選が始まった。

関東ジュニア千葉県予選は、帝京平成大の各階級7名が上位を占めた。残念だが息子は敗退し周囲の期待に応えられなかった。これには彼も相当落ち込み、暫く音沙汰もなかった。

関東学生団体戦は2週間後。小野監督から激励と食事のフォローを頂き、息子からの「ありがたかった」の報告には感謝のあまりに言葉もない。

監督とコーチ・仲間のさりげない激励と激辛タンメンのお蔭で、単純な彼は元気になり、闘志漲る団体メンバーの一員として臨めたようだ。


大願成就を成し遂げろ!


「全日本学生柔道優勝大会」は7人制団体戦で、大学日本一を決する大会である。昨年は中止だが一昨年のTV中継「東海大vs筑波大」決勝は代表選となる手に汗握る好試合だった。

新設の帝京平成大は関東2部からスタート。今回の1部昇格条件は2部リーグで優勝するしかない。この1年間、待ち望んだ大会が遂に来た。

当日は無観客で、我々は関東学生サイトの速報を確認するしかない。それも1.2部.女子の試合終了時の更新なので、いつ流れるか分からない。

ふと気づくと「帝京平成大が2部決勝で7-0で勝利」の速報。圧倒的な勝利は本当か⁉…息子からの優勝写真で、ようやく実感。思わず万歳だ!

これで、関東学生1部昇格と同時に全日本出場が確定した。この1年間の猛練習の賜物だ。

小野監督曰く「強豪校はトップ選手が集まるが、二番手のウチは『決して諦めない心』を持つ集団にしていきたい。だから、今回の優勝は何より嬉しいんです」と報告頂いた。

確かに帝京平成大は新設で実績もない。強豪校が柔道のエリートならウチは不屈の雑草魂。勝手に自分の限界を決めてしまい、それ以上の努力を諦める選手がいてはならない。


諦めない奴に誰も勝てっこない。


諦めない心は最強だが覚悟がいる。「諦めない奴に誰も勝てっこない」と野球の神様ベーブ・ルースは言っているが、諦めるから負けるのだ。

自分には無理と思えば「諦めない心を持つ」ことを諦めることになる。それが嫌なら、自分の中に「諦めない心」を育てるしかない。

①成し遂げたい夢や目標を決める!…夢に日付をつけて目標。その手段を小目標にする。

②何でもよいから成功体験を得る!…小さなことでも成し遂げられることから始めよう。

③プラス思考への努力をする!…これは意識の習慣化。転んでのケガは「骨折しなくてラッキー」と、常に最悪の事態よりは幸運と思う回路を、クセになるまで叩き込むのだ。

と書いたものの、そういう私は諦めてばかりで情けない。好きな事なら乗り越えるのに、嫌なことは直ぐ諦めて続かないのが現実。

「好きこそ物の上手なれ」嫌な事を好きに変えて、成功を積み上げろと自分自身を戒める。


何より柔道が大好きな帝京平成柔道部。皆がこの先も「諦めない心」を貫くなら、人生の「技あり一本!」を手にするのは間違いない。






2021年2月5日金曜日

大学柔道物語②乱取り

コロナ禍で、大学柔道部のブログネタが少ない。創部して初となる大舞台、階級毎に3名出場の関東大会は、準備も虚しく中止となった。

大学も慎重で、朝練や乱取りを控えて、ハードな筋トレ中心と聞く。相変わらず息子は大喰らいだが、練習の手抜きは、ただのデブになるぞ。

この時期、息子達は大鍋に肉と野菜を放り込み、皆で炊飯器2台分をたいらげる。まさに相撲部屋のちゃんこ鍋。全国でキャンパス生活が消滅する中、熱く楽しい日々に感謝すべきだ。

帝京平成大学柔道部も練習だけの1年間となるが、積んだ練習は嘘をつかない。春は全員2年生。開催を信じ、1部リーグ入りを成し遂げろ。


明日を信じて、今を過ごす。


対戦競技では実戦的練習が大切で、柔道は乱取りで、相手とガチで組み手争い、躱す、仕掛けるを繰り返す。これが足りないと試合運びが鈍る。

IJFの試合時間は5分で、ジュニアで3~4分。これが全力疾走と同じで精魂尽き果てる。延長戦だと筋力も握力も無くなり、まともに戦えない。

試合時間内での試合運びを身に付けるのも重要だが、延長戦の時間無制限の場合を想定し、試合より1~2分延長した乱取りを何十本と行い、決着までフルで戦える気力と体力を培うことも肝要だ。


年末にTV放映した66k五輪代表戦「丸山vs阿部」の24分の戦いは、気が遠くなるほど練習した証。血を流し爪を剥がし限界を超えてなお、攻め続ける死闘に、私も言葉を失った。

2人を見守る全日本関係者と井上康生監督、解説の帝京平成大の小野監督など口を揃え、両者を称え感動したのは、24分の重さを知るからだ。

井上監督の現役時代、7分30本の壮絶な元立ち乱取りを終え、意識朦朧の彼を後輩が浴室に連れていき、その場で血の小便を流す姿に「俺には世界は無理と悟った」と後輩本人に聞いた話は忘れられない。そして、井上選手は世界を制した。

先月のドーハの柔道ワールドマスターズでの日本の不調は、実践練習の自粛もありそうだ。

早く感染が落ち着き、本来の濃密な練習を再開して欲しい。そして日本柔道界だけでなく、我々の為にも、東京五輪の開催を期待して止まない。

世界が五輪に集うことは「コロナに勝利」の御旗であり、従来とは次元の違う役割を日本が担うこと。難問だが、その日が来ると信じたい。

「明日ある我が身を想い、今日を生きる」今は、ひたすら乱取りを頑張るしかない。





2020年12月11日金曜日

大学柔道物語

 息子は、新設柔道部の活躍と体育教師を目指し、帝京平成大学に入学した。待機を経て7月から大学近くのアパートから元気に通っている。

新生部員18名は、監督とコーチの指導を受け熱い日々。練習と課題提出に追われるが、仲間との毎日が楽しそうで何よりだ。

筑波大から移籍した小野監督と三戸コーチは、部員たちと大学1部リーグ入りを目指すも、ご存知コロナ。大会は中止となり、今は練習を積み重ね来年に賭けるしかない。

先日、息子がケガをし監督から「気の緩みが原因」と注意されたが当然だ。今は回復したが、乱取りの油断や自分への誤魔化しはご法度だ。


コロナ禍でやるべきことは。


先月「講道館杯」が無観客で開催。帝京平成大から、昨年インハイ2位の81級の老野選手が出場。BS配信で応援したが、延長戦での指導での惜敗は残念無念であった。

今大会は、コロナの影響で学校毎の感染状況次第による練習と調整不足の格差を感じた。

今後、無観客でのモチベーション、三密回避のコーチィング、最少人数の大会を想定し、試合運びや準備を整える必要がありそうだ。

ここにきて、年明けに千葉県選手権大会、2月は関東学生体重別選手権が予定された。感染拡大が不安だが、帝京平成大が大活躍の新風を巻き起こして欲しいものだ。

大学柔道は、指示待ちの高校柔道と違い、自主性を重んじる世界。何をどう克服するか考え、行動するかどうかは自分次第だ。

息子は、今度こそ95㎏前後の体重を102~3㎏まで増やし体幹と持久力を鍛えて、本番には100㎏以内に絞り込む体づくりを目指すようだ。

毎日、自炊の肉料理と4合飯を食い続け、菓子・糖質飲料も一切取らない息子に、弊社の自信作「四季の塩」を使わせ、遂に彼は食いトレと筋トレのマニアと化した。

現在は98㎏だが「練習で減り、食べて増やす」を繰り返しながら増量していくと話す息子に一言。頼むから「脳トレ」強化も加えてくれ!


我慢でなく、辛抱の先に希望が灯る!


正直、もうコロナにはうんざりだ。昭和男には、相手の体温と脈を感じる付き合いが懐かしい。リモートとメールだけでは安心できない。しかし今は心配するより、やるべき事を気を緩めず粛々と継続するしかない。

コロナに「勝つ意欲」は誰もが持っている。しかし意欲だけではどうにもならない。最も重要な意欲とは「勝つために準備する意欲」であり、周到に万全な準備以外に勝つ手はない。

我慢の先は不満が残り、辛抱の先に希望が灯る。我々の辛抱が「コロナ終息と東京五輪」を実現!の希望をもち、準備万端の2021年を迎えたい。

比べる過去がなく、我慢や辛抱とも思わずに頑張る「帝京平成大柔道部」。彼らの活躍を祈念して止まない。そして、これからも目が離せない。


■帝京平成大学男子柔道部インスタ

https://instagram.com/t.heisei.judo?igshid=22qtchj1fx7n

■Coyori:自然の恵み「四季の塩」https://camp-fire.jp/projects/view/337549








2020年2月4日火曜日

ひとつをねがいひとつをしとげ

息子の大学の授業料を払い込んだ。娘は就職だが、オヤジは当面ラク出来ない。新設柔道部に燃える息子に望むのは、大学での学びを通して将来の自己設計図を描くことだ。勿論、柔道部が活躍するのは最重要だが、それだけではつぶしが効かないと案じてしまう。

親としては、柔道に没頭すると共に「自分はこうなりたい」に向けた不断の努力と、上手く立ち回る狡猾さまで求めたくなるものだ。

反面、漠然と企業に入り、そつなく生きた自分より、迷いも打算もなく「今を貫く」だけの猪突猛進の危うさも面白い。

困窮した生活より安定した生活、と言うが、一体、何を基準の安定かは千差万別だ。裕福でないが、学生から音楽一筋で今も活動中の友をみると、そもそも安定と幸せの価値観が違う。好きな道を突き進む人生も素敵だと羨ましくもある。

はなをさかせよ よいみをむすべ


繰り返すが、墓の下に地位や資産は持っていけない。「生きる間の充実感」が人生ならば、可能性を摘むような世馴れた口出しは、余計なお世話かもしれない。

願うのは、中途半端に妥協した満足より、悔いなき生き方。その為に、5つに大別した目的別な時間を使いたいものだ。 

①時間を仕事に使い「成功」を導き、②思考に使い「力」を養い、③遊びに使い「若さ」を保ち、④読書に使い「知恵」を深め、⑤友人と使い「幸福」に至れの5つ。

それぞれの使い方に一点の曇りなく過ごしたならば、悔いなど残らない。息子は、春から一人住まいで母親の庇護から脱却する。今までの柔道一直線は、家族のお陰と思い知れ。娘の方は、安定企業を選択し、資格取得の時間を作る算段らしいが、先ずは仕事にのめり込め。

未熟な二人が、日々に追われ現実の厳しさに直面しながら、足元のロービームの先に何が見えるか見えないか、そして、どうするかは本人次第。

「明日ある我が身を想い、今日を生きる」・・やはり坂村真民の「七字のうた」だ。
子どもたちには「またか」だが、ついでに期限付お助けカードも添付するから。

【本当に困った時は、力になる!】…(但しハイビーム視点の相談に限る)

先みて今を楽しめ!









2019年11月1日金曜日

JUDOと柔道(番外編)

8月、日本での世界柔道選手権大会は興奮した。オリンピックの柔道も、聖地・日本武道館で開催されるので、日本選手の活躍が楽しみである。

ラグビーワールドカップは、日本のベスト8の快挙に、俄かファンの私も卒倒寸前。階級制限もなく、体格、パワーに勝る外国勢に、半端ない練習で培った鉄壁のチームワークと、最後まで全力で食らいつく気力と持久力は圧巻であった。

柔道とJUDOの違い



世界199か国が加盟する国際柔道連盟(IJF)の「JUDO」と日本の「柔道」は同じようで違う。私見も入るが、IJF(含オリンピック)の外国人選手は型にはまらず、力技、相手への指導誘い、組手封じ、相手からの返し技に長けている。

ポイントで勝つJUDOと、一本に拘る柔道とは価値観が異なる。柔道人口はブラジル200万人、フランス56万人、何と日本は16万人とシェアの違いもあり、JUDOが直ぐに変わらずとも「柔よく剛を制す」は不変と関係者は口を揃える。

爽快な1本勝ちだけでなく、勝って奢らず敗者を気遣う大野選手などに魅了される外国柔道家が増え、武道の魅力が万国共通になりつつある。その為にも、日本の柔道人口拡大とファンの獲得は必須。「俄か柔道ファン」大歓迎である。

今更だがルールを紹介すると、一本・技あり×2・指導×3で勝敗が決定。組まず、場外、掛け逃げ等、消極的姿勢に「指導」だが、実際はポイントで有利だと時間切れを狙い、不利な方は攻めるのみ。本来はどちらも攻めてほしい場面だ。

実際は、残り1分頃から、お互い攻めずに守るシーンが増えるの。息子に聞くと、攻めを諦めたのでなく、体力の消耗で気持ちとは裏腹に体が動かなくなるらしい。つまり、正念場で技を仕掛ける「気力と体力」の残存量で決まるのだ。

オリンピックの柔道観戦に向け、組手争い・指導ポイント・残り1分の攻防戦を知っておくと面白さ倍増なので、長々と説明させて頂いた。


「執念ある者は可能性から発想し、執念なき者は困難から発想する」



息子たち高3生は、大学での柔道取り組み度が、進路や環境で分かれるのは仕方ない。今の彼らの形相は戦闘モードから穏やかな顔つきになっているが、柔道家としての礼節と、最後まで食らいつく精神力と体力は、簡単には消えない筈だ。

息子は、尊敬する先生が就任する大学で、新設する男子柔道部の一期生の道を選んだ。先生とゼロから立ち上げで、伝統も先輩も踏襲もない分、成果も責任も真っ白な道である。


我が家の合言葉「執念は困難でなく可能性から発想する」を再度、息子は胸に刻め。そして、柔道部3年生は、これからの未来の夢に向け「明日に好奇心」の火をつけろ!

前途洋洋の君たちが、柔道家の魂を根っこに据えて、強く歩むことを願うばかりである。


いつまでも柔道家たれ!