2019年2月2日土曜日

安田学園柔道部⑥武道館の壁

高校柔道「3大タイトル」とは、①全国高校選手権大会(春の武道館)②金鷲旗大会(夏の福岡)③全国総合体育大会(インハイ)である。高校柔道部が目指す憧れの大会である。

3月の武道館・全国選手権大会を賭け、4地区の選抜による東京都予選が開催。個人戦が60.66.73.81Kと90以上の無差別の各優勝者と、勝ち抜き団体上位3校が武道館に進む。

安田学園は、81K級で増地選手が見事優勝し東京代表となった。加えて秋の国体の階級別予選参加者5名(ベスト8)が選出された。しかし、最大のヤマ場は団体戦である。

実は、昨年の実績でシードされた団体組み合せ表をみて、安田が東京代表へのチャンスと色めき立った。周到な準備で望んだが、結果は力及ばず敗退。勝ちを目の前にしながらの惜敗である。悔しいの一言しかない。選手も応援者も、茫然自失。

勝敗を分けたのは「勝ちへの執念」の差なのか。力量以上に気持ちで負けたとしか思えない。心の糸が切れたか、その後の3位決定戦の不甲斐なさにも唖然。完全な気持ち負けである。どこかに油断や、諦めの弱い気持ち、自信喪失を感じたことが残念至極である。

息子には、最後の1秒まで攻め続けず、受けに回ったことを責めた。詰めでの迷いが勝敗の分かれ道だからだ。すると息子から「この負けを活かして、次回はガツガツいきます」との返事がきた。いやいや違う「しなかった」から「次はする」の回答は願望に過ぎない。

本気で変化を具体化しない奴は、掛け声だけ。
本気で学ぼうとしない奴は、教えてもムダ。
本気で意識した練習をしなければ、成果なし。

と、息子に返した。自分で何が足りず、どうするかを考えて行動するしかない。努力すれば報われるはドラマの世界。本気の努力で得るものは、後悔しない納得感だけだが、振り返って、悔しさや「たら・れば」が出るうちは納得の努力ではない。

かく言う私も「あの場面でこうしていれば」が渦巻くのも事実。未練一杯だ。
「後悔先に立たず」しか浮かばない凡人だから、坂村真民を読み返してみた。


「咲くも無心 散るも無心 花は嘆かず 今を生きる」


そうか・・無心で嘆かずか・・後悔と未練を乗り越えるのも本気の努力だな。

納得の努力まで