2020年1月19日日曜日

今ならブラック!だが。

自分にとって仕事の割合は大きい。優先は家庭だが、時間配分は仕事が中心。30代の営業時代は家庭も顧みず、当時流行った「24時間戦えますか」そのものであった。

あの頃、夜中も働く3つのボウ「ドロボウ・カネボウ・消防」が自虐ネタ。課長時代の合言葉が「今日中に帰ろう」。今なら許せない完璧なブラックだが、何故か楽しかった。

当時カネボウは業界1位を目標に、トップ資生堂の実績を100に置き、自社比率を算出(対A比)。商品・キャンペーン、エリア・流通別売上など、各自が局地戦でNO.1を単純明快に積み上げるランチェスターの法則を展開していた。

達成全国一位のタナベ組は地獄の一課とも言われたが、皆が優秀で頼もしい軍団。ドンペリ・ステーキ・マツタケ達成会など我が家は居酒屋状態で、達成して平日にリクレーションに行く等、今から思うとやりたい放題であった。汗。

そんな彼らも今は会社の要で、とても偉いのだ。後年、部下から「今なら、当時の有難味が分かるが、あの頃は課長死ね!と念じていた」と言われて「そのとき憎まれても、部下が一回り大きくなり上司を超えれば、それで良いのだ」と言い訳した覚えがある。

私も激務からか体調を崩し「殺す気か」と上司に詰め寄ったことがある。支社長は「そうや、死んでくれ。しかし死ぬときは一緒や」…憎くてずるいオヤジ(上司)だったが、妙に納得してしまった。思えば、あの時が「成長痛」であった。

人にやさしく、仕事に厳しく


マネジメントは、部下の強み弱みを把握し、各自の能力を機能的に最大化させること。部下を理解する為、興味と関心で会話を重ねることが「人にやさしく」で、業務を逐一チェックし、常に叱咤激励を重ねるのが「仕事に厳しく」である。

もう一つ、規則・期限の厳守に妥協など在り得ない。野球なら、ユニフォームで打席に立ち、バットで打ち、一塁に走るのと同じ。ルール厳守の先にしか個人プレーはない。


死ぬこと以外は、かすり傷



人生の真は「我々は裸で生まれ、裸で死ぬ」という事実。来世に、地位や名誉は持ち越せない。今、自然災害や事故で苦しむ方は、当たり前を失った事態に直面している。まさに「死ぬこと以外はかすり傷」の心境だ。

当たり前の何かを失うと、他の事で悲しみ悩む余地がなくなる。今の境遇を当然と思わず、有難いことと感謝すると、喜怒哀楽の質も変わるし成長の加速にも繋がる。


最後に一言。私は、過去のブラックぶりを容認する気など毛頭ない。今、話題の「働き方改革」とは、企業側だけに被せるでなく、働く側にも成果を出す意識改革が必要、と言いたいのだ。組織運営には、成果と改善は両輪なのだ。

私は、自分の働き方の礎が、ブラック時代に得たことを不幸とは思わない。仕事意識の改革は環境より、己が決断するタイミングの問題なのだ。

皆の心は火の玉に!