2024年1月22日月曜日

よっさんとの別れ。

石川の地震で多くの人命が奪われた。その辛く悲しい中での避難生活には本当に心が痛むが、今は1日も早い復興を願うばかりである。

実は、昨年12月に私にも辛く悲しい出来事があった。以前ブログで紹介した大恩人で仲人の「よっさん」が、75歳で天国に旅立ったのだ。

急な知らせに最初は信じられなかった。よっさんの体調に合わせた昨年11月のST杯ゴルフを直前で欠席され心配したが「もう大丈夫、年内に会おうや」と約束したばかりだった。

よっさんが体調不良の頃ブログに「互いに元気は有期限…いつかは訪れるその日まで思い出を積み重ねよう」と書いたが、もう思い出を積むことは出来ない。勝手に逝って「ふざけるな」と言いたいが、直ぐに会わなかった自分にも腹が立つ。

よっさんとの30年の思い出は尽きない。鐘紡の崩壊前を二人三脚で乗り越えた戦友だったが結局、会社は解体・買収され、よっさんはクラシエ食品に私は花王カネボウに別れた。

経営破綻から20年、当時の仲間は年々減り、同じ痛みと悔しさを一番分かち合えるよっさんを失い、私の暗黒時代の幕が降りた気がする。


よっさんとの別れの日。


よっさんは家族に感謝を伝えたあと「昔の仲間に会いたいなぁ」と呟き「俺が死んだら志保に頼め」と言い残した。奥様とのゴルフを何より楽しみにしていたが、私への最後の依頼が「カネボウ仲間に会いたい」と聞き、私は号泣した。

当日は全国からよっさんを師事するカネボウとクラシエの仲間が集まり、今更だがよっさんの偉大な功績と門下生が慕う人徳を痛感した。

家内と火葬場までご一緒したが、ご遺体との別れは辛い。よっさんの無念と傷心する奥様を目の当たりにして、私と家内の涙は枯れた。


「人生は無常迅速」人生はあっという間。実に儚く明日は我が身と思い知る。男子の寿命が81歳で介護不要の健康寿命は72歳だから、もはや私は1日1日が無駄にできないのだ。

「娑婆にいる内は大切な人と過ごせよ、そしてお世話になっている方に常に感謝を伝えろよ」と最後によっさんが教えてくれている。

よっさん、本当に有難うございます。そして、安らかにお眠りください。合掌。


■お互い腐れ縁。「田邊志保のひとりがたり」2023.10.29

http://tanabeshiho.blogspot.com/2023/10/blog-post_29.html