2023年10月29日日曜日

お互い腐れ縁。

自粛も明け、3年ぶりに仲間と集まった。仲間とは、私が30代から今までに「くされ縁」を互いに自覚し合う友人達で、利害関係も忖度もない。

元部下が10年前にST会と銘打って立ち上げ、発起人は大昔に私が養成係を務めた新入生。今では彼も50代後半になり現在は会社の大幹部である。

今やメンバーも40~60代となり雇用延長組や再就職組も増えて色々と面白い話が聞ける。

当日は近況と思い出話に花が咲く。それぞれ環境変化はあるが、何より全員が元気で嬉しい。販売時代の部下からは、キツかった、地獄の一課、過重労働と言われ、私は鬼か悪魔の存在だ。正直、反論できない販売課長時代を思い出す。


最強の達成軍団がビールかけ。


静岡の販売一課は、日本一の達成軍団と呼ばれ、泊まり込みの計画書とその実践、達成ビール掛け、締め前に達成して遊ぶなどやりたい放題。

特に達成のビールかけは凄かった。事務所の広間にビニールシートを敷き300本のビールをプロ野球の優勝会の如く掛け合うのだ。案の定ビルからは禁止令が出たが、中止どころか翌期はホテルのプールサイドで更に派手にやった。

ビールかけは、目を守るゴーグル、ビーチサンダル禁止、シャワー施設が肝心。最初は、滑って転ぶ、瓶が割れてケガをする、天井にビールがとぶ、近所の銭湯からはビール漬け社員が押しかけ大クレームと色々あったのだ。💦

この解決場所を探した結果、シーズンオフのホテルのプールサイドに行き着いた。ビールは常温だしコストパフォーマンスは最高で、社員の結束と意欲喚起には持って来いである。


思い返すと腐れ縁の共通は、社内外問わず強烈で忘れえぬ思い出を共有した人ばかり。平々凡々の日々からは固い絆は生まれなかった気がする。

転勤や退社で離れようが、鬼か悪魔だろうが、こうして継続して付き合えるのは、苦楽と共に成長を実感した濃密な時を一緒に過ごしたからだ。

実はST会の長老で鬼の上司「よっさん」が春先に脳溢血で入院した。幸い軽症でリハビリで快方と聞き、次のST会をリハビリ目標のゴルフ宴会に設定し、よっさんの参加を目論む。

よっさんに電話すると何と100を切る回復ぶりに「しぶといオヤジだぁ」と言うと「やかましいわ」と即答。この突っ込みが戻れば大丈夫だ。


強烈な思い出が腐れ縁を生み、次世代に繋がるのは嬉しいが、今回よっさんの件で「互いに元気」は有期限であることを再認識させられた。

いつかは訪れるその日まで、この腐れ縁の仲間との思い出を積み重ねようと決めた。


◾️ブログ「よっさん」の教え。

http://tanabeshiho.blogspot.com/2022/10/blog-post.html?m=1







2023年10月13日金曜日

娘の会社の顧問。

娘の会社(建材メーカー)の開発部に、現役フルタイムの78歳の顧問がいる。後期高齢だが、娘曰く、私より元気で頭もキレッキレらしい。

資材設計のコツや難しい計算は、顧問に聞けば即答で部内は一様に尊敬の眼差しだ。娘から「顧問は凄い」とよく聞くので色々と尋ねてみた。

私より10歳年上だが、日頃の運動量と体型が全く違うらしい💦以下に列記してみる。

①最寄駅から会社まで片道25分歩く(娘はバス)②体型は中肉中背の筋肉質(昔から体重が一定で腹など出ていない)③若者との会話が好き(新しい情報に詳しい)④何より建築業界では著名人(現在の耐震天井の生みの親)

顧問の功績と知見なら生涯雇用は当然か。加えて経営陣にもストレートに意見するようで、又それが的を得てるらしい。上に物申すは私も得意だが、言葉の重さは足元にも及ばない。


誰もが求める「柔軟で積極果敢なデキる奴」


モノづくりには経験豊富な凄腕職人を求めるが、会社では経験でこなす人より、得た知見を環境変化に柔軟に対応できる人材が欲しい。これは現社員でも絶対に手放せない存在だ。

しかし、そんな「デキる奴」は自己成長を求め、条件次第で転職していく。今や帰属意識は会社にでなく「やりがいのある仕事」に紐つくのだ。

それを理解しない旧態依然の企業は、日本株式会社の如く年功序列や派閥がはびこる。そして「やりがいのある仕事」を創出する努力を怠る。


さて今回、顧問から学ぶべきは「健康管理」「知見伝承」と「自己啓発」の3つ。この実践は「デキる奴」へと繋がる対策でもある。

顧問は赤門の大学で建築を学び、企業では耐震のV字理論を確立し、実証データは会社が一般公開している。そもそも頭の構造と姿勢が違う。

しかし我々凡人の能力は高が知れている。だから持てる力を最大化する為、自己啓発を積むのだ。こうして積極果敢なデキる奴を増やすほど、会社の人材は「人財」として蓄積される。

最後に「ほんの少しの違い」を再紹介。デキる奴とは、言葉より行動で示し、話すより傾聴し、お金より成長を求め、未来を見て可能性を探り、他責より自責で捉える人のことだ。

少しの違いが、やがて大きな差になる事を、今一度噛みしめようと痛感した。顧問に感謝!


■(株)桐井製作所「耐震天井ストーリー」

https://www.kirii.co.jp/aseismic/story.html