2024年2月23日金曜日

事件と報道の裏側。

能登地震から2ヶ月。その間に様々な事件が報道されたが、その大半が痛ましい事件と企業や政治家と芸能系のモラルハザードとは、被災地で苦労する続報と比べると情けなくなる。

企業や政治家の不正は、倫理観の欠如に組織が絡むと始末に追えない。性加害もガキ大将の鬼畜化だから大将を除くしかないが、これも派閥解消で裏金を幕引きしたい輩と同じで、対症療法を繰り返すだけで根本的に何も解決しない。

一方、報道にも問題ありで、権力に忖度したかの弱気な報道や、スキャンダル事件は発行部数を獲る週刊誌のスッパ抜きを、マスコミが視聴率や閲覧数を獲りに追いかける図式。必然的に報道は偏り、重要でも地味な事件は飛ばされる。


ペンは剣より強く動画はペンより強い!


カネボウ迷走時は、粉飾・上場廃止・買収と連日の報道で、私でも地下駐車場から出入りしマスコミ回避、朝は各新聞に弊社の掲載がないと取引先の対応不要で安堵する日々だった。

特ダネを掴んだ新聞社は週末の売店の新規買いを狙い、金土日で3部作を仕込むから金曜は要注意だ。報道の体質はデジタル化でも変わらない。

ついでに取材を受ける注意点。様々な角度から質問されるが、答えを一貫させ余分な発言は厳禁。最初と最後の単語を繋いで「見出し」にするのは得意技で、見事に自分の意図から離れるが、それぞれ発した言葉は事実なので尚更厄介だ。

今は活字より映像(動画)。人は外見や態度で相手を判断するから謝罪会見は特に気を使う。マスコミと視聴者の心証次第では、今後の業績を左右するから失敗は許されない。

会社の不祥事会見では、謝罪・原因・再発防止の3点を固めたら、擬似会場で撮影しての想定問答からお辞儀までシュミレーションする。実はこれを請け負う会社があるのには驚いた。

多くの謝罪会見でも異物混入のペヤングは、即対応と本気の再発防止策の会見で、逆に売上を伸ばした希少な事例。だが大半は、囁き女将の船場吉兆、スシロー、日大、健忘症の大臣のように炎上する悪事例ばかりだ。その原因は、遅い、ごまかす、態度が偉そう(傲慢)で、事態を甘くみた結果である。

傲慢は「百害あって一利なし」だが、謙虚は「良いこと尽くめ」である。ドラマ正直不動産じゃないが、今は「正直者がバカを見る」から「オネストisベスト」の時代なのだ。

『謙虚を失った確信は、確信でなく慢心になる』やはり松下幸之助は鋭いなぁと実感した。

                   





2024年2月7日水曜日

大学柔道物語⑨就職編

息子の就職だが、年の瀬に本命先がダメになり慌てて就活を始めた。時期的に厳しい筈が、内定辞退の多発で追加採用が多く、息子はこの機を逃さず面接ラッシュでバタバタだ。

しかし、実業団大会に登録して梯子を外した県警柔道部には憤りを感じるが、今さら愚痴るより、面接で今までの経緯と「口約束でなく契約締結までは安心できない事を学んだ」と語ればよい。

実際面接で就活の話も出たが、質問は総じて柔道の事で、率直に体験を語ると盛り上がるらしく、その反応に息子の方が驚いていた。12年間の本気の柔道は珍しくて興味深いのだろう。

ある役員から「柔道での学びと今後」を聞かれ、柔道精神「自他共栄・精力善用」と、今後は恩義ある道場で子どもを教え、裾野を広げたいと答えたらしい。ホントかよ、と思ったが、無難な答弁と道場への想いに柔道バカを少し見直した。

軒並み面接の結果、複数社から内定を頂き取捨選択できるまでになり本当に有難いことだ。


この道より我を生かす道なし この道を歩く。


彼は業種別に食品、設備、住宅、物販系の内定先から悩み抜いた結果、物販系の業界大手を選択した。取り敢えずの使い捨て営業と違い、全国展開で社員が数千名の上場企業なら、適材適所の人事や人材育成に長けているだろうとの判断だ。

正解は入社しないと分からないが、業界トップを狙う姿勢と将来性は興味深い。おそらく超多忙だろうがチャレンジ精神は鍛えられる筈。

そもそも「やりたいことを仕事にする」のは難しい。最初からやりたい事など分かる訳なく、好きか、嫌いか、向いてるかを模索し、好きで向いていると思う仕事のスキルと知見を積んだ先に、その仕事をやりたい事としてリンクさせるのだ。

先ずは与えられた仕事を評論する前に、その仕事を好きになる事に全力傾注だ。厳しくとも、石の上にも三年は試行錯誤して向かないなら転職だ。

転職とは「向いている仕事」探しで逃避ではない。そう、20代で汗を流さないと40代で涙を流し、30代で知恵を出し変革せねば50代で部下は持てない。


息子たち柔道部4年生は、新設柔道部一期生として、先輩も歴史もない帝京平成大をAリーグに昇格させ、全国ベスト16入りに誇りを持って欲しい。選手の力は勿論だが、小野監督とコーチ陣の指導のお蔭である事も忘れてはいけない。

この4年間の「固い絆」は人生の宝になり、流した汗と継続力は、これからの最高の武器になる。まさに自他共栄と精力善用の姿だ。

こうして息子は会社員を覚悟して卒業する。全ては柔道あればこそで、恩師に感謝し次は社会人という団体戦と個人戦で勝利を掴むのだ。

因みに私は、彼が何処に配属され、どんな会社員物語を紡ぐのか興味津々だが、ブログで語れるかは独り立ちした娘と同様で彼と相談だ。

何れにせよ、自分で決めた道を信じて歩み始める息子に、武者小路実篤の言葉を添える。

『この道より我を生かす道なし この道を歩く』