2016年6月28日火曜日

変える事と変えてはいけない事。

2016年も折り返しとなる6月も終わろうとしている。今更ながら時の速さに驚いてしまう。

先日、社長が「消費税引き上げ延長になる経済変化と、増税翌年の2020年オリンピックの予想を語っていたが、この業界あっという間に進化する。駆け込み需要を見越した住宅関連は、供給過剰になりそうで、物価上昇に歯止めがかかると、当面の円高予想は多くの企業に影響が出る筈だ。

「ダイレクトマーケティングエージェンシー」として快進撃のフュージョン(株)に入社して、ちょうど1年が経つ。最初の半年は、社内言語が理解できず苦労した。
ビッグデータ管理、分析、小売の進化系オムニチャネルへの対応、効果的DMの差別化など、顧客分析から打ち手の提案など、時代の最先端を走るメンバーとお取引先様に囲まれ、「昭和男」が、何とか生き延びているのは、「不易流行」精神のおかげである。

「不易流行」は永遠のテーマ

「不易流行」を考えさせられる最近の面白い仕事を紹介したい。ある有名私立大学から、少子化で減少する受験者数を獲得する目的での効果的DM制作のご相談であった。大学側とうちのスタッフで、学校の強み弱みを分析し、効果的メッセージを決め、受験したくなる内容でデザインをお起こし、クリスマスカードとして発状した。

結果的に過去5年の記録を更新する受験者数を獲得できたのである。大学からも大変喜ばれ、それを知った他の私大からも依頼が舞い込んできた。
因みに内容は秘密である。

子どもの数が減り、大学も塾も市場の奪い合いである。合格実績や就職率などの数字以外にも、トピックスや他にない魅力が無ければ、生徒は集まらない。
不動人気の大学以外は、生徒獲得が重要なミッションである。いわば「流行」である。

しかし、学校の不易が「学び舎」ならば、その目的は学びたいと思っている老若男女を問わず学びの場を提供することだ。企業の不易が「企業は人なり」ならば、学閥や成績で採用するのでなく人物本位で選択することだ。これを基軸にすれば、打ち手も変わる筈。

ブランドの価値を守り育成するには、時間も手間も金もかかる。企業も大学もコーポーレートブランドや商品ブランド育成にその投資を惜しまない。しかし積み重ねたブランド価値も、人為的な偽装や粉飾騒ぎ、不祥事などの反社会的行為によって、一瞬にして信用もブランドも失墜する。ブランドは人の力で育てるが、崩壊させるのも人である。

組織活性化は、一人一人の当事者意識

この会社は、あの大学はと人が評するときは、そこに「集う人」を指す。「集う人」が組織を育み「人材」を「人財」へと継続し続けて、社風・校風が構築される。

今の若い方から見たら、私は古い思考回路かもしれないが、社風・校風を起こすには、まず形から入ることも大切と思っている。会社には、社則、社訓があり、社旗、社歌、社章がある。学校ならば校則、校旗、制服、校歌、校章がある。これは管理でもなければ、人を縛るためではない。

野球の試合でバッターボックスに立つには、ユニフォームを着てヘルメットをかぶり、バットを握るのは当たり前。そしてバットにボールが当たれば一塁に走るのだ。それがルール。そこに特例や妥協は存在しない。個人プレイやスタンドプレイはその先だ。

今時の方々は「社章も校章も関係ないさ」と思われるかも知れない。しかし、この存在の重みは、それを失った時にひしひしと判るものだ。私は10年前に、社則も社訓も社歌も社章も失った。当時、企業再生の真っ只中で、振り返る間もなく再生に没頭してきたから、会社に集う人の心を見つめる暇もなかった。

会社が買収され、最後のカネボウ社員の全体会議で、今まで面倒だと思いながら歌っていた社歌「鐘紡我ら」を皆で歌い、三色マークの社章をスーツの襟から外した時、「ああ、我々の会社は、この世から無くなってしまった」と痛感したのだ。
私は不覚にも涙が溢れてきた。あの寂しさと悔しさは生涯、忘れることは出来ない。

新たな会社に勤め、若い仲間の仕事ぶりを見ていると、「流行」には敏感でありながらも、一番重要な当事者意識とは、強い絆や「愛社精神」と「人に優しく仕事に厳しく」の上位概念の上に成立する、不変、不易だということを今更ながら実感する。

営業時代の襟元には社章

東北時代も制服・社章は必携でした

今はなき三色マークの社章

フュージョン(株)取締役 田辺志保