2018年8月17日金曜日

安田学園柔道部④ 夏柔道も熱い!

今夏「全国高校野球・甲子園大会」の100回記念は大変な盛上がりだ。地元や贔屓の高校は目が離せない。実は、高校柔道にも九州柔連と西日本新聞社主管の最大の団体戦、福岡「金鷲旗大会きんしゅうき」がある。今年で第92回目の開催だが、関係者以外あまり知られていない。原因の一つに野球と柔道では競技人口が違うことがある。

高校生のスポーツ競技者数を調べると、1位野球17万人、2位サッカー17万人、3位バスケ16万人、陸上11万人、バトミントン10.6万、テニス10.6万と続く。双璧のサッカーだが、未だ野球人口がトップであり、甲子園ファンが多いのも当然だ。それに比べ、柔道は男女あわせて2.2万人。剣道の4.6万人の半数にも満たないのはショックである。

世界の柔道人口は、ブラジル200万人、フランス56万人、ドイツ18万人に続き、日本は17.5万人。日本発祥の競技なのにと悲しくなる。国内に向けて、柔道の魅力、ルール、組み手力の見方などの広報活動と「2020東京五輪」での日本柔道の大活躍を期待したい。

金鷲旗大会は熱かった


マリンメッセ福岡で金鷲旗2018は盛況に開催された。出場数500校で3,500名の選手が一同に並ぶ壮大な開会式で始まり、選手は学校の名誉をかけ熱い戦いを繰り広げた。優勝まで8試合を勝ち抜くので10面の試合場はフル稼働。A~Hの8パーツで勝利してベスト8。最終日は優勝まで5試合連続の体力勝負でもあり、別名「地獄の金鷲旗」と呼ばれる。

安田学園は1回戦シードで、初戦勝利の名古屋工と対戦。勝ち抜き戦なので、先鋒が2名と次鋒が3名勝ち抜き安田勝利。次の南福岡・熊野戦は安田先鋒が5人抜きで勝利。Gパーツでの強豪・岡山の作陽高校には残念ながら準々決勝で敗退した。作陽は塙の佐賀工、前回優勝の神奈川・桐蔭を破り、Gパーツ優勝のベスト8からの決勝ステージに進んだ。

しかし決勝ステージで、作陽は福岡の大牟田に敗退。その大牟田も奈良の天理に負ける。なんと、上には上がいるものだ。決勝戦は「国士舘×天理」。天理を下した国士舘の日本一を見届けた安田は「打倒!国士館」を誓い合い、金鷲旗の全行程を終えた。

男子は国士舘高校、女子は南筑高校が本大会の高校柔道の頂点に立った。準優勝校はもとより、残る498校3,486名の選手達は無念である。会場は応援者も含め喜怒哀楽の一種異様な風が吹く。来年は息子たちにも最後となる、暑く熱い金鷲旗が楽しみである。

金鷲旗開会式とGパーツの安田学園


その後、金鷲旗で敗れた天理高は、2週間後の三重インハイ団体戦で「国士舘×天理」と再度の決勝戦となる。誰もが金鷲旗のことがよぎったが、なんと天理は国士舘に2-2で、代表戦にもつれ込み、見事に勝利し日本一となったのだ。

勝敗よりも「自他共栄・精力善用」が柔道の教え


まさに勝負は時の運。当日の体調、組み合わせ、先鋒からの勢い、波に乗る、守りと攻めの気力の有り様など、実力以外の計り知れない要素が、勝敗に絡む事を実感した。

「練習は嘘をつかない」を信じる選手は、耳をつぶし、爪をはがし、手指・脛を変形させ、一途に練習に取り組む。息子も秋の学年別、選手権に向け同様だ。そして何より「武道」としての「礼・感謝・強い気持ち・諦めない心」を柔道で鍛えてくれている。

「古臭い・道着がダサい・ケガが多い」だけで日本の柔道人口が減少するのは、あまりに寂しい。「柔道の奥深さを知れば、柔道家を目指す若者は増える」ことを念じながら、私は一柔道ファンとして、こうして拙いブログを書くしかない。

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真の柔道家を目指して