白内障は加齢により水晶体が濁るもので、50代で半数、60~70代は8~9割、80代は殆どが白内障らしい。片目10分の手術を2回、水晶体を人工レンズに入れ替えると劇的に視界が変わるという。
60代で手術した友人によると、保険適応外のレンズだと近視、遠視まで治るらしいが、私は未だ遠視でなく中間ピントの保険適応内の手術にした。
痛い目に合い目から鱗。
手術は緊張した。濁った水晶体を管で吸い取り、透明ゼリーを注入する模様をモニターで観る家内は「見事ね」と感嘆の傍観者であった。💦
術後3日間は顔も洗えず、就寝時は保護眼帯と色々面倒だが、経過は良好で視界は目に見えて変わった。術後2日目には永ちゃんライブにも出かけた。
しかし自分が人工水晶体とは不思議な気分だ。今までの己の眼から網膜に焼き付けてきた像から、一旦リセットされて網膜に映し出される気がする。
世に「目に関する諺」は多い。目が離せない、お目が高い、目が肥える、目に物言わす、目は口ほどに物を言う…多種多様な表現に目を見張る。
故に我々の表情には「目力」が宿る。眼光鋭い人と接するのは怖いが、優しい目の人と接すると嬉しくなる。まさに「目は心の鏡」と言われる所以だ。
私も昔、目力が強いとか眼光が鋭いと言われた時期もあったが、役職や立場で目で威圧するのは間違いだ。それこそ度が過ぎると目に余る。
財が無くても人様に施せる「無財の七施」を思い出した。先ず優しい眼差しで相手に接することが出来る「眼施」。次の「和顔施」で和やかな笑顔で迎え「言辞施」で優しい言葉で語るかけるのだ。
残るお布施の「身施・心施・床座施・房舎施」も検索して頂くと、その大切さが分かる筈だ。
私に残せる財産は僅かでも、無財の七施なら与えられる。人工眼も笑顔とセットなら「眼施」になると信じて、今日も優しい眼差しを向けよう。
白内障になり「無財の七施」に目覚め、手術をして「目から鱗が落ちる」とは言い得て妙すぎる。
