2022年6月29日水曜日

流行り歌に泣き笑い。

 コロナ以来、行かなくなった場所の一つにカラオケボックスがある。以前は2次会で仲間と騒いだものだが、感染には危険な場所と指摘され、加えて会食もなくなると全く行かなくなった。

昔、取引先の大切な社長が肺気腫になり、歌う事がリハビリらしく度々お付き合いした。隣で拍手する私に「1人カラオケは虚しいから」と感謝され妙に納得した事を覚えている。

取引先様とのカラオケ接待では、盛り上げ役に徹っするが、請われたら歌うことだ。年配女性が相手ならサブちゃん系の男演歌、年配男性は皆で歌える懐メロ、若い世代なら子どもの頃の流行歌と定番曲を決めていた。

老若男女の場では、誰もが分かる歌が無難。上手い下手など関係ない。ただしマニアな十八番でも聞き惚れるほど上手いと、これはこれで盛り上がる。しかし私の定番曲はもはや懐メロ。今さら新曲を仕込むことも無く、突然、持ち歌が再ブレイクするのを待っている。


歌は世につれ 世は歌につれ


学生時代はギターで歌を覚えたが、社会人になると、流行歌がその時々の心に寄り添った思い出の歌として、五感にインプットされるから、いつまでも深く心に残る。


つい先日、公私共にお付き合いのある元宝塚・宙組のトップスター「姿月あさと」の昭和歌謡祭に出かけた。さすがの歌声に聴き惚れれていると、偶然、思い出深い曲が披露され感激した。

それは「Mr.サマータイム」1978年のサーカスのヒット曲。姿月さんの美声に包まれながら、私が入社したカネボウの昭和53年夏のキャンペーンを思い出す。岐阜販社に配属され、セミナー会場にポスターを貼りながら何度も聴いた曲だ。

ライバル資生堂の矢沢永吉「時間よ止まれ」に負けじとばかり、MrサマータイムをBGMに柳ヶ瀬の店頭イベントのビラ配りや、売り場争いを繰り広げた熱い夏を思い出していた。

姿月さんに、その話をしたら「次回は何の思い出を歌います?」と返された。この機転と笑顔に、私は益々「姿月ファン」になってしまった。

”歌は世につれ 世は歌につれ。人生で多くの歌と巡り会い、情景まで浮かぶ思い出曲が自分の「名曲アルバム」になる。自分の泣き笑いの数だけ思い出の流行り歌は増えていく。

湿っぽい話になるが、おふくろが亡くなる前に病院の窓辺でよく歌っていた「ミカンの花咲く丘」。地元静岡の童謡だが、戦後の少女時代の歌であり、窓辺から見える駿河湾を見ながら、昔を思う大切な「名曲アルバム」だとその時知った。


貴方の名曲アルバムはどんな歌だろう。お互い自分にとっての名曲は大切にしたいものだ。

先ずは、髪の毛フサフサの新人時代と、今は亡きおふくろに想いを馳せ、Mrサマータイムとミカンの花咲く丘をカラオケで歌うと決めた。♫