2019年3月11日月曜日

春、新たな生活。

この4月が新年度のところは多い。企業の決算年度だけでなく、卒業・入学・就職など新生活のシーズン真っ盛り。花王時代に掃除用品の売り上げが、師走の大掃除から3,4月の新生活時期へとシフトし始めたことを思い出す。

環境変化を乗り切るコツは、少しの覚悟と慣れしかない。私はカネボウ時代に14回転居したが、観光と郷土料理を楽しむぐらいが丁度よい。子どもの学校生活が絡むと家族は急激に馴染む。可哀想な思いもさせたが、その分視野は広がり、逞しくなったと信じている。

感謝と決意の三送会


先日「安田学園柔道部の三送会」があった。在校生、先生、保護者が柔道部の卒業生を送り出す恒例行事である。厳しい練習の日々、大会での激闘、遠征合宿など苦楽を共にした先輩との別れは、感慨深い日となった。

終盤の、保護者への感謝の言葉と花束贈呈は、涙・涙の場面であった。図体のでかい猛者が、母親の前で感涙に咽び、言葉が出ない真っ直ぐな18歳に、司会進行の私も涙腺崩壊。

彼らは大学でも柔道に励む者と離れてしまう者、浪人する者など様々。今は理想の花が咲かずとも、花は一瞬に咲くのでない「花は一筋に咲く」ものだ。一筋に咲かせる花の道程は、これからスタート。そして先生の言葉「柔道から離れても、自他共栄の柔道家精神は生涯背負うのだ。それを忘れるな」も胸に刻んで欲しい。

君たちの根っこに育った「先生・先輩を敬い、後輩を想う心」は、これからの人生の財産となるなぁと喜びつつ、来年卒業する息子への不安と期待を隠せない三送会でもあった。


この時期は、多くの出会いと別れの季節。これも、双方に存在感があればこそ「別れと出会い」を認識できる。相手を認めなければ記憶にも残らない。常に感性を磨き、謙虚を忘れず、成長を求める自分で在りたいものである。

一方「再会が叶わぬ別れ」ほど辛く悲しい事はない。8年前の東北震災の友人や、叱咤激励を頂戴した恩人・恩師も、残念ながら来世でしか会えない方がいる。今はただ、限りある時間を噛みしめて、現世での「一期一会一筋」のお付き合いを全うするしかないのだ。

花は一瞬でなく一筋に咲く