2019年1月18日金曜日

「伸びしろ」は魅力的。

3回生の娘の就活時期で、41年前の就職活動を思い出した。1978年は第2次オイルショック。企業は採用を控え、人気の会社はとんでもない競争倍率で、就職は困難を極めた。

当時一部上場の鐘紡の内定は嬉しかった。化粧品の内定者を横浜教育センターに集め、話題のCF視聴と豪華な会食に感激した。4月大阪の都島での荘厳な各事業合同入社式は、名門鐘紡を実感したが、繊維が本体も痛感した。

戦前、民間企業1位にもなった鐘紡は、戦後の財閥解体と基幹産業の変遷で、繊維・化粧品・薬品・食品・トイレタリー・住宅に分化するも幾多の迷走の末、崩壊・分離されカネボウ化粧品は花王に買収された。大企業病の驕りと縦割り組織が招いた結果である。

大会社は、人事部門が目的別・階層別教育を仕込み、評価、選抜から組織体制を目論むが、これは終身雇用と大量新卒、派閥等を前提とした形体。しかし大半の中小企業には無理な話。絶えず退職、採用、育成から知見を重ねながら仕組みを作るのだ。

生涯伴侶、滅私奉公の時代は終わった


手前味噌で恐縮だが、我が社には人柄も良く、自己啓発に取り組む社員が多い。重ねて、互いを尊重しあう社風なので、学び、教え合う場の開催・サポートの仕組み化が功奏し、人材教育が「人財共育」として機能している。

今や、終身雇用も、新卒者の培養も、学閥もなく、中途採用、まさに人物本位。安定より、働きがい・自由度などを重視する。結果、企業は生涯伴侶・滅私奉公・愛社精神から、ワークライフバランス・キャリアアップへと方向転換している。

就職も結婚も生涯「耐え忍ぶ美徳」は昔話。挑戦と出会いへのリセットは自然なこと。しかし過去から学習せねば同じことを繰り返す。己が一回り成長する事が絶対条件である。

自分が求める条件・処遇の基準は、受け入れる側も持っている。身の丈にあうかでなく、己に妥協せず自己成長しようとする姿勢の方に、魅力を感じるのだ。

私も採用する側になって、経歴や実績より、成長の予感でワクワクする人物を採用・登用してきた。それくらい「伸びしろ」は価値があり、その期待に投資をしたくなるもの。

入社後10年、当時の役員に「田辺の採用は「志保」の名前が決め手だった。こころざしを保つに期待した」と笑い話。名前で伸びしろ連想かい!と憤慨したが、親には感謝だ。

未熟な娘。今は自分の「伸びしろ」を信じ、生涯成長しようとする姿勢を持ち続けろよ!

会社の魅力も「伸びしろ」か!