これを機にCD転送のウォークマンから、TPO別のBGM集や選曲が無尽蔵に揃う「Spotify」に変えた。もはやCDは過去の遺物になる。
若者には当たり前が、私には新鮮で面白い。CDに慣れた昭和男は「食わず嫌い」で過去の習慣を手放せないのだ。ようやくCDを捨てたら、今はレコード盤を針で聴くのが流行りという。えー昔、LP盤を大量に捨てたが「後悔 先に立たず」だ。
私は仕事上、PCやSNSを一通り使うが、年配者には苦手な人が多い。増える引退者と高齢者達は、進化する文明の利器から徐々に取り残される。
私の友人で、現役なのに未だガラケーでSNS無関心の還暦オヤジがいる。迷惑な話だが本人はどこ吹く風。私の知る限り「食わず嫌い王」トップだが、これ職場内では老害だろうな。
確かにPCとスマホの進化は早い。30年前、文書作成はOASYSだったが、静岡転勤2年を経て本社に戻ると1人1台のPC業務に大転換。ところが最近の学生はレポート・パワポをスマホで作成、今やPCが苦手という新人生が出現するほどだ。
しかしPC・スマホの習熟と仕事の成果は別物だ。語学力だけでは海外で通用しないように、折衝力と営業力がないとビジネスは成就しないのだ。
本末転倒、急がば回れ!
昔カネボウは、語学堪能者の海外赴任はパッとせず、ならばと国内で営業力のある奴を選抜、英国に1年間ホームステイさせ英語学校に通わせるという荒技を強行。選抜者には過酷な日々を強いたが不思議と話せるようになるのだ。
2年後、彼らを海外に送り込んだら大成功。私の部下も英国留学させ、最初は泣き言ばかりだったが、24時間英語漬けの効果は抜群だった。
「語学力ある奴に営業」でなく「営業力ある奴に語学」の発想は、まさに本末転倒から、急がば回れで、長期的人材育成と組織人事の成功例だ。
当時、英国留学する部下からメールが届いた。辛いの後に「小説、漫画、それと大好物の魚肉ソーセージが欲しい」と切実なメール。私は早速、スーパーで魚肉ソーセージを買い込み、段ボールの書籍の下に隠し発送してやった。
「ビールと魚肉で一人乾杯した夜を忘れない」と言われた。秋田支店長から突然、英国留学した彼は、その後20年ほど海外を渡り歩き、最後は国際部本部長として大活躍した。一昨年引退したが、彼は未だ海外で生活している。
その彼から学んだこと『食わず嫌いはダメ、先ずは食ってみろ!』人生は挑戦である。