今年、下請け法が改正され中小受託取引適正化法(取適法)が施行された。上下関係から対等を目指し下請けからの価格改定を一方的に据え置いたり、不当な要求がより厳格になる。
実は私がお手伝いする企業様も、原材料の高騰で再度の価格改定を取引先に交渉中だが、正直、大手取引先には少々気後れするのは事実だ。
中小企業は、全企業数の99.7%で人員比で70%を占めるも売上構成が20%では、人手不足とコスト高が経営を直撃する。私もこの10年中小企業にいるから分かるが「取適法」は絶好の追い風なのだ。
公取委との事件簿。
実はカネボウ時代に公取委とは色々あった。その一連を見返すと化粧品の変遷でもあった。
①「優越的地位の濫用」
ある大手小売業の新規出店にメーカー営業に深夜に及ぶ陳列応援の要請で揉めた。→従来の慣例は覆り先方の優越的地位の濫用と判断された。深夜作業には事前の合意と対価を欠いてはいけないのだ。
②「公正取引法」
小売店の訴えで公取から美容部員制度の件で召喚。売上での派遣は公正取引法違反という。→我々の美容部員は「美容指導」が目的で、売上でなく会員の接客数を基準に派遣する。故に売上が高いセルフ業態では派遣しないと説明。
~再販売制度の撤廃と安売り競争~
私が42歳まで、新聞、書籍、化粧品、CDは、常に品質向上させる制度品に選ばれ定価販売されてきた。1997年に化粧品の再販制度が撤廃、安売りが横行、弱小の小売店は淘汰され限定ブランドが誕生したが、同時に大手には価格拘束の嫌疑も始まった。
③「ブランド価値と価格拘束」
私が所管の限定ブランドが数百億円規模になると、価格拘束を疑われた。全国各地で同価格の販売はおかしいという。→希望小売価格は参考程度で、売価は小売店の自由裁量、我々は一切関与していないと言うと、次にブランド導入条件を聞かれた。
→社内の流通別戦略上の売場・売り方は共有するが、導入条件の仔細は企業秘密と断る。限定ブランドは制度品撤廃後の我々と小売店の生命線だ。
我々は取引を結んだら「著しい信頼関係の失墜」でしか解約できない。つまり支払い不履行でもない限り解約できず、契約には慎重になるのだ。
いつの世もブランドの価値と価格問題は付き纏う。メーカー・小売り・お客様が納得すれば正解だし、不正解なら市場から退場するだけだ。
公正取引委員会は不当な利益や不利益を許さない。昔は公取委とバトルもしたが、今は弱者が損をしない公取委の健闘を心から祈っている。
「立場変われば人変わる」だが、ここは「成長の証」とお許し願いたい。💦
