2024年11月20日水曜日

脳は正直者。

現在、香りのスキンケア「SINN PURETE」が好調な理由に、全ての「香り」に「エビデンス根拠」がある事が大きい。具体的には処方した香りを、慶應大学の満倉教授による脳波解析「感性アナライザー」を頭部に付けて測定し解析する。

静かな部屋で脳波を整え、ストレスゼロ状態で機器と同期。それから香りを嗅ぐとリアルにLIKE、EXCITE、STORESSがタブレットに波形で動く優れものだ。私も測定したが、好き嫌いや感情変化も分かるから会話が不要になるほどだ。

香りは0.2秒で脳に届き、心の状態を変える。例えばSINNPURET「心のスイッチ」3種の一つ「Passionate Awakening」ノンアル100mlはストレスが平均5%低下すると実証された。これは温泉に浸かり一息つくのと同レベルらしい。

満倉教授によると、香りは気持ちを上げる励み、心安らぐ癒し以外にも多くの効用がある。現在「生理期の不調改善」効果の香りが完成したが、満倉先生は他にも、食欲抑制(ダイエット)や、認知症の抑制効果の香りを研究中との事だ。


ご存知、人の五感は、視力、聴覚、嗅覚、味覚、触覚だが、唯一「嗅覚」だけが脳内で記憶を担う「海馬」に届く。つまり香りが最も強く記憶と連結するから、視覚の思い出も香りがセットされると、鮮明に記憶する事が多いのだ。

皆さんも香りが思い出になっている筈だ。学校の教室、川や野原、友達の家、大切な人の匂いが懐かしさと共に蘇る。それは自分だけの香りだ。

因みに「私の母の匂い」は、ぬか漬けのあと石鹸で洗った手の香りだ。最近はぬか自体が珍しくなったが、私はその匂いを鮮明に記憶している。


一味違う、香りを纏う習慣。


コロナ禍でフレグランス市場は一気に拡大、今も成長を続けている。香りが生活に浸透する現在、我々は衣服と同様に香りを纏いたい。当然、飲食業など香り御法度の職業もあるが、OFFタイムに香りを嗜むことや、心の安定にも大切だ。

営業職なら適度に漂う香りは相手に好印象を与え、気持ちが上がる覚醒の香りなら営業力も倍増だ。この秋、ファッション界の「アメリ」と「内田理央」とのコラボ新商品では、マーキング効果もあると満倉教授に面白い評価も頂いた。

有名ブランドの広告塔のような使い方から、自分が求める香りが見つかったら自分と相手に主張してみる。自分の香りと行動がセットされ先方の記憶に留まれば大成功だ。

逆に二日酔いやニンニクの匂いで、相手に嫌な記憶を与えると最悪で、それもずっと忘れないから更に厄介だ。因みに「加齢臭」とは相手が感じるもの。こまめに清潔を保ち、保湿ケアと香りを纏うことは中年のマナーと私は思っている。


「脳」は正直者。無意識の行動(ノンバーバルコミュニケーション)として、嫌悪感や相手を拒絶する時は瞳の瞳孔が縮む。逆に好感、興味深々だと瞳孔が開く。黒目を大きく潤んだ瞳にすることで、好印象を与えたい無意識の現象なのだ。

私は商談で相手の瞳孔が縮んだら、提案を止め話題を切り替える。腕を組むとか視線を外すなど拒絶の信号は幾つかあるが、必ずしも正確とはいえず、瞳孔の変化を観る方が確実だ。故に私は至近距離で相手の目を見て商談する。

その時、悪臭を放っていたら、提案がどんなに良くても0.2秒で撃沈だ。これが社内だと「爽やかな人」に対し「臭い奴」の勝ち目はないのだ。

皆さんも、ひと手間掛けて好印象を与える効果を実践されたらどうだろう。どうせなら嫌われるより好かれたい。そして、何より自分と相手の気持ちが変わるから面白い。





2024年10月25日金曜日

理不尽ファイル!

とかくこの世は「理不尽」なことが多い。しかし理不尽の判断は難しい。一般的に理に合わないこと、道理から外れた振る舞い、態度、やり方を指すが、それだって千差万別だ。

最近は犯罪や災害に理不尽を感じるが、一昔前は会社崩壊で理不尽な辛酸を散々味わった。個人的に出会った理不尽な経験は営業の若い頃が多く、その中でも今なら「カスハラ」と騒がれそうな取引先との出来事は今でも忘れない。


理不尽な思い出。


30代の営業時代に「M薬局」と年末の返品で大揉めした。社内でも有名なクレーマーで幾多の担当者が潰されてきた「いわく付き」の店である。

担当の私は年末催事の残りを仮伝票で返品、締め前の年明け計上で棚卸しも請求も問題ない。ところが12月末付の本伝票にしろと言ってきた。

私が年末休で機械上は無理だが問題ないと説明すると「機械でなく生身の君に頼んでる」と譲らない。そんな押し問答中、急に「出て行け」と怒り出し、帰りませんと返すと「住居家宅侵入罪だ」と警察に電話をかけ始めた。私は慌てて外に出て「明日また来ます」と一言。

その頃はタバコの安売りで専売公社(JT)と係争中、役所とは電信柱の撤去で大揉めで、何かとトラブル好きな血気盛んなオヤジであった。

そんな12月の集金は案の定 12/31の23:50に来いと言う。今回支払いなき場合は会社として「商取引に於ける信頼関係の失墜」で解約宣告しようと覚悟し大晦日にスーツで出かけた。

自社ビル1階の店舗は既に閉まっており、裏手のインターホンを押すとオヤジの声で「今、屋上から小切手を落とすから下で拾え」と言う。まさに理不尽な嫌がらせでしかない。

私は返す刀で「先生、領収書はどうしますか」と聞くと「ふざけるな」と怒り出した。私の困惑を想定だろうが、そうは行くか。私は「ご指定の時間に伺ったのですから、通常に集金させて下さい」とお願いするが一向に埒が明かない。

遂に私は「深夜に来させ小切手を拾えとは、もはや信頼関はありません。支払いは結構ですから今後取引を考えます」と言い放ち帰りかけるとオヤジが渋々出てきた。彼も解約条件を承知なのだ。で、集金となり取引継続だが、揉め事はその後も絶えることはなかった。


因みに他の事件は、組事務所に軟禁されたり、得意先の夜逃げ騒動などに加え、本社の流通責任者時代は横流し捜査、非取引店の争い、粉飾事件は地検特捜、崩壊前はM資金詐欺まで現れて「理不尽ファイル」は列挙にいとまがない。

実は「理不尽」は相手にも理不尽と映る場面もあるようで、道理の解釈は難しいものだ。それには「物事の道筋」という広義の判断より「人として正しく生きる」ことに道理を絞らないと本質は見えてこない気がする。


「道理百篇 義理一篇」を噛み締める。


大晦日のM薬局から15年、再び事件勃発。私は本社の流通責任者となり、管轄のブランドの取扱い不可判定に猛反発のオヤジが、先ず支社に真っ向勝負の大喧嘩を仕掛けてきた。

このままでは不公正取引の泥試合になると察し、私は休日に新幹線でM薬局に出かけた。ブランド可否の論争などしたくない。それより彼とサシで腹割って話し込むつもりでいた。そう、今後のオヤジの生き方を知りたかったのだ。

実は、M薬局のお子さんは二人とも医学部で、上の子が最近2階で医院を開業していた。私は頃合いをみて「これからお子さんは地域の名士になるのに一体いつまでメーカーと喧嘩しながら商売するのですか。もう不毛の争いは止めましょう」と2人で深夜まで話し込んだ。

「医は仁術なり」子どもの話が効いたのか、最後に彼は「今の商売はやめる」と決断してくれた。そして別れ際に握手し再会まで約束した。

彼と鎧を外した会話はそれが最後だった。今は1.2階に2つの医院と隣りが調剤薬局となり、既にオヤジも亡くなった。晩年は人も訪れず、知らぬ間に葬儀も終えていた。最後まで孤独なツッパリ人生かと思うと無性に悲しい気持ちになる。


先人が残した名言は素晴らしい。「無理が通れば道理が引っ込む」は権力の無理に道理が負ける事だが、道理以上に人の心を動かすのは、やはり「道理百遍 義理一遍」なのだ。

百遍の道理の理屈をこねるより、情義を尽くし心に訴える「義理一篇」の重さを、あの日、オヤジが私に教えてくれた。そんなオヤジに合掌。









2024年10月11日金曜日

読書が辛い年頃で。

最近、本を読むのが億劫になった。通勤電車で文庫本が開くのが面倒なのだ。本屋で探索する楽しみも今は足が遠のいてしまっている。

書籍と活字離れの要因はスマホの浸透だ。電車内はスマホだらけ、本や新聞を広げる人も激減だ。因みに私の読書離れは、軽い白内障に衰える記憶力と集中力と書籍がスマホに転換したことだ。

スマホという最強ツールは多岐に影響を与えた。辞書やカメラの衰退、ECの伸長と市場の起上は激しいが、それより深刻な問題は、スイッチONのまま情報処理が追いつかない「スマホ脳」が我々から記憶力と集中力を奪うことだ。

小学3.4年生の63%がスマホを持ち、中でも1時間以上のスマホっ子15,000名を調べたら、持たない子より平均学力が大幅に低い事が判明。加えて視力低下に睡眠障害の高い発症率。

私なら成長期の小学生に絶対スマホは持たせないが、ここまで機能が充実したらスマホなし生活は現実的でない(小学生は別)。ならば若者をスマホ依存症にさせない配慮が必要だ。

我が家は子どもが高校入学までスマホは禁止。中学時も柔道部の連絡はLINEだったが、部長の息子は固定電話の連絡だけで何とかなった。高校でLINE初の彼が「中学の電話連絡の方が部員との会話があったよ」の感想は印象的だった。

因みに我が家のゲーム問題は、当時小3の息子が利用時間を破った時点でゲーム機を没収。ところが、のちの柔道生活には無用だったようで、ゲーム機は今も返却しないままである。


読書に替えて、のめり込む。



今は読書が減り映画鑑賞が増え、映画好きに拍車がかかる。ひかりTV.ネットF.プライムV.ディズニー+と、マイリストは増える一方だが視聴が追いつかない。そのくせミーハーの私はリストにない「SHOGUN」に夢中になっているのだ。

どうやら無理に読書に戻す必要もなさそうで、それより私は記憶力、集中力の低下を止めたい。主治医に私は老化かスマホ脳かと尋ねると、典型的な老化とスマホ脳の混在型で、今やるべきは「脳の活性化」だと言われた。

その為には、健康づくり、人との会話、脳トレと、絶えず脳の訓練が大切で、その継続は楽しい事に絞るのが一番だと。加えてそれを誰かと共有すると会話も増えて復習にもなる。そして嫌な事は極力やらないこともポイントらしい。

そりゃ楽しい事だけなら最高だが、現実はそうもいくまい。そんな話を家内にしたら「限りある時間を思い切り楽しんで」と合意。限り時間は余分だが家内の「あと押し」は心強い。

よし好きなことに没頭、だが年を取ると出来なくなる事も増えるもので、好きなこと探しもけっこう難しいなと思いつつ、はたっと気づいた。

私を後押しする家内はどうか。果たして彼女は今の生活を楽しんでいるのだろうか。

28年も一緒なのに謎である。自分事ばかりでは「熟年離婚」だってありえるぞ。ここは今更だが何が楽しいか聴いて共有だな。💦

やはり『妻の悲しみに我は泣き 妻の喜びに我は舞う』を決して忘れてはいけないのだ。









2024年9月15日日曜日

空き時間の活用。

 仕事中ぽっかり時間が空くことがある。急なリスケや訪問先に早く到着した時など。PCで仕事には短かすぎボーとするには長すぎる。そこで最近の私の空き時間をたどってみた。

⓵実は今がその時。空き時間を活用しスマホでブログを書いている。前泊した仙台のホテルから藤崎百貨店様まで来て開店時間まであと15分。

藤崎百貨店様はSINN PURETの東北の旗艦店で、催事場の香りの祭典「KAORI LOVER」初日に私のトークショーが開催される。昨年が好評だったようで今回もお声がけ頂いた。

と、ここまで書いたら空き時間は終了。さぁこれから藤崎様のイベント・香りの祭典だ。

⓶無事に藤崎様を終え、新幹線はPCで仕事。今は自宅に戻り風呂から上がり一息して、寝るまでの空き時間にブログの続きを書くとする。

本日のトークショーはお客様もインスタライブも盛況で藤崎様にも感謝して頂いた。因みに今日の仙台はカラッと青空、東北本部長時代に家族で暮らした仙台で芋煮会を思い出した。

当時の忘れ得ぬ事件は、花王に買収されてもカネボウ魂は変わらないと「燃える東北軍団」のTV報道番組での放映が決まり、あの情熱大陸の制作スタッフが長期取材にきた事だ。

東北6県の新商品の全美容部員の達成を目指す「ワンデイ催事」を企画し取引先との事前活動と当日までを追うドキュメンタリー番組だ。

結果は、東北6支社の全員と全店が達成。中継で繋いだ各支社の涙と笑いの達成模様は最高の思い出となった。その日の夜は、私を追い続けた撮影隊も一緒になって狂喜乱舞だった。

ところがである。仮編集のVTRを局の幹部会にかけたところ、あまりにカネボウ化粧品の賛辞になり過ぎだと、局は競合スポンサーの反発を恐れ、何と放送中止になってしまった。

この番組の制作責任者が、ナレーション無しのDVD持参でお詫びに来社。我々も残念だが、それ以上に彼の悔しそうな顔が忘れられない。今でも当時のメンバーが集うと、あの達成と「幻の特番」事件で盛り上がるのは言うまでもない。


休日の空き時間。


⓷さて、休日を無駄にしたくない私の土曜は明け方から始まる。先ずはネットFとプライムVで映画を視聴。先日は「地面師」を一気に観てしまい、午後は殆ど寝てしまった。💦

本日はデンマーク発「ビューティフルライフ」。素朴な漁師が音楽の才能を見出されるサクセス話。「コーダ愛の歌」「イエスタデイ」同様に愛と一途さに溢れた秀作。次の「パリタクシー」は文句なしの推奨作品だ。タクシーに乗った終活マダムの数奇な人生とそれに魅了されていく運転手とのやり取りに感動してしまう!🥺

⓸視聴後も家人は起きずブログの続き。実は昨日、藤崎様から私のインスタライブの閲覧数がかなり多いと報告を受けた。怪しいオヤジの40分がなぜ受けるのかは全く謎である。

そう、SNSの反応は発信しないと分からない。何がバズるか炎上するか。どちらも新たな人々に拡散され認知度が上がるのは間違いない。企業は自社商品のバズマーケティングを駆使するが、一方で炎上マーケもある。企業の炎上は致命傷だが、最近は選挙妨害や都知事選のポスターなど炎上による知名度UPを狙う輩もいるのだ。

⓹週明けの仕事帰りの電車で①~④の文章を読み返すと、仕事以外の合間の方があれこれと考えるからか話が膨らみ長文になるのが分かる。


⓺帰宅後のゆったり時間にブログの続きだ。ここは起承転結の結の「空き時間の活用」に戻したい。誰にも仕事・通勤・帰宅後・休日と合間は山ほどあるから「デュオリンゴ」や「ちょこZAP」が爆発するように24時間を無駄にしたくない。

しかし反面「多忙が幸せか」の声もある。高度成長期の交通標語「狭い日本 そんなに急いで何処へ行く」を思い出す。時間に追われ心に余裕を失くした人への警鐘として有名である。

今回の⓵~⓺で「仕事の合間」は、次の業務に追われるのか文章に余裕がない。やはり、どこかで息抜きという「充電時間」が大切なのだ。

身体共に疲れを感じたら、スマホやPCの手を止め、ボーと空を眺め深呼吸で瞑想?なんてのも必要だなぁと思い至った。『マインドフルネス』
























2024年8月26日月曜日

継続って何だ。

人生で「これを継続した」と言える事はどれほどあるだろう。それは期間もあれば本気度もある。人間関係やビジネスの継続は双方の合意が前提で断られたら途切れる。会社なら市場からNOと言われたら経営交代か最悪は倒産である。

私の双方合意の継続は、会社員48年目と結婚28年目。これ、相手が我慢強い。己の意志での継続はブログ12年目。これ、我ながらマニアック。

ブログは人生の紆余曲折を綴ったので感慨深い。会社買収や美白事件の頃は仕事ネタを控え、私生活と柔道ネタが増えた。しかしどれもが人々とのご縁で成り立つ話ばかりで一貫して「出会いは人生の宝」を綴ってきたつもりだ。

思い出すのは「鐘紡崩壊のリスク管理」と「学ぶ気のない奴に教えても無駄」のブログ。柔道の先生と「子ども教室」の運営は平等でも、公平な指導とは、生徒の才能以上に上達への意欲度に応じた指導分けではと盛り上がった。

本来「やる気」とは自発的なもので、親は熱心でも嫌々な子どもは上達しない。これは社会人も同様で義務感だけで「本気で成長したい」と思えない仕事なら他を探した方が良い。

とかく企業は才能ある人に速攻成果を求めたがるが、遅効性でも成長意欲と学ぶ苦労を知る人に「優れたリーダー」が多いと知るべきだ。


「学び」の継続こそが力となる。


私のブログに今まで無関心だった息子が、最近眺めているらしい。そういえば急に「謙虚に学ぶ」などと宣うから、新人として社会人の心構えや商談の必要性に迫られたのだろう。

向上心に目覚めたら「先人の教え」を深掘りし、自分流に置き換える癖を付けること。それが知見を蓄える体質になる。学ぶとは教えて貰うではなく、自ら学ぶ能動的な行動なのだ。


さてブログのGoogle分析だが、昨年までの閲覧数18万回、月1,500回。僅かな数で恐縮だが、国別とその閲覧比が面白い。日本79%で次が米国10%、ロシア、シンガポール、香港、ウクライナ、ドイツ、英国、仏、オランダと続くのだ。

海外の閲覧は不思議だ。米国在住の武道家と広島の平和教育の英語版しか思いつかない。友人が言う、何やら自動巡回システムもあるらしいが、海外からの閲覧も事実で、海外でこのブログを発見したことには驚くばかりだ。

継続した事で、発見の機会が増えたなら「継続は力なり」の小さな成功かもしれない。

「ローマは1日にして成らず」「石の上にも3年」「雨垂れ石を穿つ」。小さな成功を積み重ね念願を成就する教えだが、最近思うのは、成就への「精一杯の努力」の過程にこそ価値があり、諦めない継続力が最大の成果だということだ。


さぁ、来春の古希70歳にまだ「想いを綴る」意欲があればブログ継続だ。私もやがて老いて書けなくなる。その日がくるまで、私の駄文にお付き合い頂ければ、翁は幸せ者である。







2024年8月7日水曜日

世の中の世界基準。

米国の誹謗中傷の大統領選、悲痛なウクライナにパレスチナ、国内は円安に値上げラッシュと悩ましい中、パリ五輪の日本活躍は真夏の清涼剤だ。累計500個の金は柔道45kの角田夏美だ。あの巴投げは誤審の余地などない芸術品だ。

柔道団体の日仏決勝戦、代表戦がリデールと斉藤立とは出来過ぎだが、痛恨の極み。息子もよく知る斉藤選手には今後の活躍に期待したい。

柔道人口が日本の4.7倍のフランスでは柔道が大人気。因みに世界ではブラジル200万人、フランス56万人、ドイツ15万人、何と日本は12万人と世界4位。既に日本柔道は世界JUDOとなり、日本選手は国内とは異なる戦い方を強いられる。

それでも日本柔道は世界からは驚異の的で、基本は日本で学び、大会は各国が日本選手を研究し尽くしてくるから一瞬も気が抜けない。

昔、息子が16歳対象のロシアでの世界JUDOの決勝戦でロシア選手から未体験「帯取返し」の技を喰らった。身長と長いリーチで上から手を廻し帯を掴み後方へ投げられ、返したが「技あり」を取られ、時間切れまで逃げられて銀で終わった。

日本発祥とは言え、国際JUDOは体格も技も異なり一本に拘る日本柔道とは勝ち方も違う。しかし今回の五輪ではフェンシング、レスリング、スケボーと海外発祥でも日本人が大活躍で、最初から世界基準で競い合う重要性を痛感する。


グローバルスタンダードあれこれ。


世界基準はビジネスでも当たり前。その一つに、メーカーと小売業が商品・取引額・販促を先様のトップも参加し年間計画を握る「ジョイント・ビジネスプラン JBP」がスタンダードで、私も花王時代に大手小売業とのJBPを推進した。

トップtoトップ合意は、従来の部門を越えるから商品幅も広がり、商材と売り場と販促担当の新たな連携が加速する。先様のグループ会社のジムの会員にヘルシア年間販売や、めぐりズムと寝具とのコラボなど懐かしいJBPの思い出だ。

今や百貨店も売場の縄張りは無くなり、お客様の未開拓品のLTV獲得を目論むから、水着とUV品や下着と香りなどクロス展開が増えている。


さて、ビジネスより重要で困難な世界基準は「地球温暖化」である。国内は猛暑と豪雨で被害甚大だが、76年後の2,100年には世界各地で海没が起こる危機的状況にあるのだ。

人類が招いた地球温暖化こそ、グローバルスタンダードで取り組むべきがCO2削減は各国任せ、世界は自国優先で我が身良ければの流れ。このままでは「世界の平和」は形骸化されただのお題目に成り下がる。これは共存共栄のモラルが崩壊することだ。

利己主義では、貧富、差別、戦争抑止は生じない。ひと時の我が子、我が部族、我が国のエゴは通せるが「温暖化」に関しては子や孫が直面する。この流れを良しとするのだろうか。

決して利他主義の愚かな自己犠牲を求めるのでなく「他人など関係ない」の「他人」を、自分の子、孫、大切な人に置き換えるだけでよい。

やはり「自分だけ良ければ」を恥とする自分でありたい。「関係ある大切な人の為、自分がいる」の考え方を忘れるなよ!と自身を戒めた。






2024年7月19日金曜日

新人に教えられ。

 弊社新卒が研修を終え7月から各事業部に配属された。以前に書いた俗にいう「さとり世代」だが、見る限り冷めた面子は一人もいない。

新人の日報から不安や期待は窺えるが「誰もが通る道」とは言わない。昔、私はそう言われ「知るか、自分は初めてだ」と反発したからだ。

当時の私は、振り返るどころではなかった。これが、ある程度業務を把握してからの不安と期待次第で、継続への意志を固める第一局面になる。

その後の人材育成は入社3~5年でステップUPを考える。大手なら転属転勤のジョブローもあるが、環境が同じなら後輩の指導や業務の幅を広げ「中堅社員」の自覚と周知を促す。

仮に転職するなら職歴書に記載できる内容が大事。短期間や浅い経験ではあてにならず、面接で知見が深いと判れば好条件でも欲しくなる。

しかし新人のうちは、不満と期待の変化を楽しむつもりで、雑用でも何でも引き受けて、自分の価値を上げる為に全てを吸収する時期だ。


「親思う心に勝る親心」から脱出。


先日、新人の息子が社販購入の車で金沢から6時間かけて戻ってきた。全日本学生柔道に集結した一期生たちと泊まり、翌日は仕事で我が家には2時間ほど立ち寄っただけだった。

それでも息子は初任給で購入した家族のサイフにカードを添え置いていった。感激!しかし手弁当を持参する彼の懐を知るだけに、私は大量の冷凍総菜を返礼したのだった。甘い!

そういえば大昔、私も両親にペア時計を贈った事がある。両親が何度も電池交換し大切に使っていた事を、家内に聞いて初めて知った。嫁にまで自慢した親父の気持ちが今はよく判る。今更だが「子を持って知る親心」を実感する。

今までは「親思う心に勝る親心」と嘆いたが、息子から財布を貰った時、私は自分の親に対する不義理を思い出した。殆ど静岡に戻らず随分と心配させた。実家に顔を出さない息子は、昔の自分そのものだ。それこそ因果応報ってやつだ。


そんな親不孝の私が思い知った『いずれは出来なくなる貴重なこと』を共有したい。

一生で、子どもと過ごすのは2,400日、家を出て親と会うのは480日、子どもの行事参加は30回、家族全員での休日は500日。何と少ないか!私は子ども行事と家族休日は期限切れだが、家内との休日は従来の「家族サービスしてやる」発想を捨て、当たり前に楽しむ気持ちで過ごそうと思う。

皆さんも家内安全と豊かな人生に向け、残された家族との時間を大切にと願わずにいられない。




















2024年7月2日火曜日

時と旅とDNA。

今も全国の出張は多いが、インバウンド需要の宿泊費の高騰は凄まじく、社内規定を無視しても予約が取れない事態には困っている。

旅費以外にも交通機関の進化でも行程は見直す。最近は乗り換え不要の北陸新幹線に感謝。他には空港が遠い所は新幹線に変更。例えば広島は新幹線で3時間50分、飛行機は1時間半だが、市内にバス1時間と空港待ちと乗り継ぎの総時間は殆ど変わらずコストも安いのだ。

それに新幹線は乗り換えずに済む。長時間だが気が楽だしPCとスマホで広島到着。故に本州内で新幹線の駅がある出張は基本的に飛行機をやめた。


強い奴より敏感な奴が生き残る。



人は自力の速度以上で移動するほど疲労度が増すらしい。同時間の移動だと『自動車<電車<飛行機』と速いほど身体の負担は大きくなる。

大昔ヒトの移動は徒歩だった。つい160年前の江戸時代は庶民の間で「徒歩旅」が大流行。日本橋~京都の東海道500㌔を14泊15日で歩いていた。宿場まで1日平均40㌔で往復1か月の楽しい長旅だ。今は新幹線で2時間12分、徒歩の50倍速の負担はかなり大きい筈だが、我々はもはや高速に対し身体的支障を感じなくなっている。

ヒトは文明進化に変化対応する進化論なのか。ダーウィンは「強いものが生き残るのでなく、変化に敏感なものが生き残る」と言ったが、同種の劣性遺伝子は淘汰される。つまり足の遅い兎は捕食され逃げ足の速い俊敏な遺伝子が繁栄するのだ。

ではヒトの淘汰はどうか。お互い不足する遺伝子を補完し優秀な子孫を残そうとする恋愛・出産では、俗にいう「美女と野獣(秀才)」の組合せは自然の理に適っていた。

結果、最近の若者は「足長の美男美女」ばかり。次は頭脳まで優秀な人々が出現し、彼らが更に厳選した出産を続けると100年先に「大谷翔平と真美子夫妻」並みの容姿端麗・頭脳明晰の集団が街を闊歩する姿を見られるかもしれない。

それはそれで気味が悪いが、これも淘汰か。しかし、私はエリート集団より個性溢れる「十人十色 それぞれが美しい」の方が好きだ。「たで食う虫も好き好き」だから優劣でなく個性だと学べるし、多様性を認める社会が面白いのだ。


何にせよ技術革新は現在も進行中。リニアなど旅と時間はより便利に効率化される一方で、非効率で不便でも「旅情」が重要になる。散歩する山間の花を愛でたり、海辺でボーとお茶を飲むなど、観光より癒しの過ごし方に魅せられるのだ。

健脚なら徒歩旅に惹かれるが、私は家内とのんびり船旅が最高だ。効果効率で換算する出張でなく「時を忘れた旅」に原点回帰したいのだ。

ところがそんな旅が、一番金と時間が掛かり贅沢なことだ。ヤバ、こりゃ困ったもんだ。