2021年2月5日金曜日

大学柔道物語②乱取り

コロナ禍で、大学柔道部のブログネタが少ない。創部して初となる大舞台、階級毎に3名出場の関東大会は、準備も虚しく中止となった。

大学も慎重で、朝練や乱取りを控えて、ハードな筋トレ中心と聞く。相変わらず息子は大喰らいだが、練習の手抜きは、ただのデブになるぞ。

この時期、息子達は大鍋に肉と野菜を放り込み、皆で炊飯器2台分をたいらげる。まさに相撲部屋のちゃんこ鍋。全国でキャンパス生活が消滅する中、熱く楽しい日々に感謝すべきだ。

帝京平成大学柔道部も練習だけの1年間となるが、積んだ練習は嘘をつかない。春は全員2年生。開催を信じ、1部リーグ入りを成し遂げろ。


明日を信じて、今を過ごす。


対戦競技では実戦的練習が大切で、柔道は乱取りで、相手とガチで組み手争い、躱す、仕掛けるを繰り返す。これが足りないと試合運びが鈍る。

IJFの試合時間は5分で、ジュニアで3~4分。これが全力疾走と同じで精魂尽き果てる。延長戦だと筋力も握力も無くなり、まともに戦えない。

試合時間内での試合運びを身に付けるのも重要だが、延長戦の時間無制限の場合を想定し、試合より1~2分延長した乱取りを何十本と行い、決着までフルで戦える気力と体力を培うことも肝要だ。


年末にTV放映した66k五輪代表戦「丸山vs阿部」の24分の戦いは、気が遠くなるほど練習した証。血を流し爪を剥がし限界を超えてなお、攻め続ける死闘に、私も言葉を失った。

2人を見守る全日本関係者と井上康生監督、解説の帝京平成大の小野監督など口を揃え、両者を称え感動したのは、24分の重さを知るからだ。

井上監督の現役時代、7分30本の壮絶な元立ち乱取りを終え、意識朦朧の彼を後輩が浴室に連れていき、その場で血の小便を流す姿に「俺には世界は無理と悟った」と後輩本人に聞いた話は忘れられない。そして、井上選手は世界を制した。

先月のドーハの柔道ワールドマスターズでの日本の不調は、実践練習の自粛もありそうだ。

早く感染が落ち着き、本来の濃密な練習を再開して欲しい。そして日本柔道界だけでなく、我々の為にも、東京五輪の開催を期待して止まない。

世界が五輪に集うことは「コロナに勝利」の御旗であり、従来とは次元の違う役割を日本が担うこと。難問だが、その日が来ると信じたい。

「明日ある我が身を想い、今日を生きる」今は、ひたすら乱取りを頑張るしかない。