2024年12月27日金曜日

2024/重大News。

早いもので2024年が終わる。元日の能登地震は夏の豪雨で仮設住宅まで浸水し未だ復興半ば。天災は誰も責められず歯痒いが、私たちは必要な援助と関心を持ち続けるしかない。

一方、人災なのに解決しないのが政治資金と闇バイト。特に政治資金問題は「前向きに検討する」の政治家の得意技を許してはならない。

そんな中、大谷翔平は痛快そのものだった。米リーグの記録更新の活躍ぶりに我々は元気と勇気を貰った。私も大谷Newsにくぎ付けで、同じ時代にリアルで共有できることに感謝だ。


因みに今年の「ネットNews」分析で、世代別に閲覧が全く違うことに驚いた。例えば大谷Newsだと、男性閲覧は彼の「成績」で、女性は「大谷夫婦」なのだ。今回、総合ベスト10、Z世代、シニア別の順位を添付したので、比べると面白い。


さて我が家の重大Newsだが、上半期は息子が就職し金沢に赴任した事。下半期は義父入院と逝去、翌月義母も失う不幸が続いた事。家内は静岡に通い詰め、体重も激減した。

人生は登り坂と下り坂の合間に「まさかの坂」があるが、嬉しいまさかは大歓迎だが、悲劇のまさか連続は勘弁して欲しい。幸い、残る家族が元気なことがせめての救いである。

そんな我が家の来年は、私は古希の道を歩み、子どもは社会人での飛躍、家内は部屋の模様替え。そして何より皆が健康でありたいものだ。


さて本年の結びになりますが、この一年の皆様のご厚情に感謝すると共に、来年も倍旧のご指導、ご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。

皆様の穏やかな越年を心よりご祈念申し上げ、本年のご挨拶とさせて頂きます。









2024年12月8日日曜日

「Stay Hungry. Stay Foolish」

スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs/1955-2011)私と同年だが既に56歳で亡くなっている。誰もが知る彼は、型破りの才能と反骨と情熱の人で、革新的発想でAppleを創業、MacintoshやiPod、iPhoneが現代に残した功績はあまりに大きい。

48歳で「すい臓癌」発症、56歳まで死と向き合い「死は生命最高の発明」の言葉を残した。2005年闘病中に母校スタンフォード大学で講演。死があるから生物は進化する。君たちもいずれ消えていくからこそ、本意でない人生を生きて時間を無駄にしてほしくない。そして最後に「Stay Hungry. Stay Foolish」と学生に願った。

「ずっと飢えていろ、ずっとバカでいろ」とは、現状に満足して小賢くなるより、絶えず貪欲に何かを求め挑戦し続けろという意味だろう。最近の「冒険より安定指向」への警鐘だ。

しかし私の解説など、本人の「最後の言葉」には敵わない。先ずは全文を一読願いたい。

■スティーブ・ジョブズ『最後の言葉』

他の人の目には、私の人生は成功の典型的な縮図に見えるだろう。しかし仕事を除くと喜びの少ない人生だった。人生の終わりには、富など、私が積み上げた人生の単なる事実でしかない。病気で寝ていると人生が走馬灯のように思い出される。

私がずっとプライドを持っていたこと、認められることや富は、迫る死を目の前にして色褪せていき、何も意味をなさなくなっている。

この暗闇の中で生命維持装置のグリーンライトの点滅を見つめ、機械的な音が耳に聞こえてくる。神の息を感じる。死がだんだんと近づいている。

今やっと理解したことがある。人生において十分にやっていける富を築き上げた後は、富とは関係ない他の事を追い求めた方が良い。もっと大切な何か他のこと。それは人間関係や芸術やまたは若い頃からの夢かもしれない。終わりを知らない富の追求は人生を歪ませてしまう。私のようにね。

神は誰もの心の中に、富によってもたらされた幻想でなく、愛を感じさせるための「感覚」というものを与えてくださった。

私が勝ち得た富は一緒に持っていけるものではない。私が持っていけるものは愛情に溢れた思い出だけだ。これこそが本当の豊かさであり、貴方とずっと一緒にいてくれるもの、貴方に力を与えてくれるもの、貴方の道を照らしてくれるものだ。

愛とは何千マイルも越えて旅をする。人生に限界はない。行きたいところに行きなさい。望むまで高峰を登りなさい。全ては貴方の心の中にある、貴方の手の中にあるのだから。

世の中で一番犠牲を払う「ベッド・賭け」が何か知っているかい?シックベッド(病床)だよ。貴方の為に誰かドライバーを雇う事もできる。お金を作ってもらう事も出来る。だが貴方の代わりに病気になってくれる人を見つけることは出来ない。

物質的な物は無くなっても、また見つけられる。しかし一つだけ無くなってしまっては、再度見つけられないものがある、人生だよ。命だよ。

手術室に入る時、病人はまだ読み終えていない本が1冊あったと気づくんだ。「健康な生活を送る本」貴方の人生がどんなステージにあっても、誰もが、いつか人生の幕を閉じる日がやってくる。

貴方の家族のために愛情を大切にしてください。貴方のパートナーのため、貴方の友人のために。そして、自分を丁寧に扱ってあげてください。他の人を大切にしてください。


実は最近、ひと月足らずで家内の両親が逝去する悲劇に見舞われ、彼の言葉が染みる。あの吉田兼好は「死を嘆かず生を喜べ」と言っている。

『人、死を憎まば、生を愛すべし、存命の喜び 日々に楽しまざらんや』【徒然草より】 

凡人の私は彼の言葉と身近な死を通し、大切な人が今、生きている事を喜び、毎日を噛み締めるしかない。それには「Stay Hungry. Stay Foolish」の生き方が面白いに決まっている。

ぜひ、皆さんも熟読くだされば幸いです。














2024年11月20日水曜日

脳は正直者。

現在、香りのスキンケア「SINN PURETE」が好調な理由に、全ての「香り」にエビデンス・根拠がある事が大きい。処方した香りを、慶應大学の満倉教授による脳波解析「感性アナライザー」を頭部に付けて効果を測定して商品化する。

静かな部屋で脳波を整え、ストレスゼロ状態で機器と同期。それから香りを嗅ぐとリアルにLIKE、EXCITE、STORESSがタブレットに波形で動く優れものだ。私も測定したが、好き嫌いや感情変化も分かるから会話が不要になるほどだ。

香りは0.2秒で脳に届き、心の状態を変える。例えばSINNPURET「心のスイッチ」3種の一つ「Passionate Awakening」ノンアル100mlはストレスが平均5%低下すると実証された。これは温泉に浸かり一息つくのと同レベルらしい。

満倉教授によると、香りは気持ちを上げる励み、心安らぐ癒し以外にも多くの効用がある。現在「生理期の不調改善」効果の香りが完成したが、満倉先生は他にも、食欲抑制(ダイエット)や、認知症の抑制効果の香りを研究中との事だ。


ご存知、人の五感は、視力、聴覚、嗅覚、味覚、触覚だが、唯一「嗅覚」だけが脳内で記憶を担う「海馬」に届く。つまり香りが最も強く記憶と連結するから、視覚の思い出も香りがセットされると、鮮明に記憶する事が多いのだ。

皆さんも香りが思い出になっている筈だ。学校の教室、川や野原、友達の家、大切な人の匂いが懐かしさと共に蘇る。それは自分だけの香りだ。

因みに「私の母の匂い」は、ぬか漬けのあと石鹸で洗った手の香りだ。最近はぬか自体が珍しくなったが、私はその匂いを鮮明に記憶している。


一味違う、香りを纏う習慣。


コロナ禍でフレグランス市場は一気に拡大、今も成長を続けている。香りが生活に浸透する現在、我々は衣服と同様に香りを纏いたい。当然、飲食業など香り御法度の職業もあるが、OFFタイムに香りを嗜むことや、心の安定にも大切だ。

営業職なら適度に漂う香りは相手に好印象を与え、気持ちが上がる覚醒の香りなら営業力も倍増だ。この秋、ファッション界の「アメリ」と「内田理央」とのコラボ新商品では、マーキング効果もあると満倉教授に面白い評価も頂いた。

有名ブランドの広告塔のような使い方から、自分が求める香りが見つかったら自分と相手に主張してみる。自分の香りと行動がセットされ先方の記憶に留まれば大成功だ。

逆に二日酔いやニンニクの匂いで、相手に嫌な記憶を与えると最悪で、それもずっと忘れないから更に厄介だ。因みに「加齢臭」とは相手が感じるもの。こまめに清潔を保ち、保湿ケアと香りを纏うことは中年のマナーと私は思っている。


「脳」は正直者。無意識の行動(ノンバーバルコミュニケーション)として、嫌悪感や相手を拒絶する時は瞳の瞳孔が縮む。逆に好感、興味深々だと瞳孔が開く。黒目を大きく潤んだ瞳にすることで、好印象を与えたい無意識の現象なのだ。

私は商談で相手の瞳孔が縮んだら、提案を止め話題を切り替える。腕を組むとか視線を外すなど拒絶の信号は幾つかあるが、必ずしも正確とはいえず、瞳孔の変化を観る方が確実だ。故に私は至近距離で相手の目を見て商談する。

その時、悪臭を放っていたら、提案がどんなに良くても0.2秒で撃沈だ。これが社内だと「爽やかな人」と比べ「臭い奴」の勝ち目はないのだ。

皆さんも、ひと手間掛けて好印象を与える効果を実践されたらどうだろう。どうせなら嫌われるより好かれたい。そして、何より自分と相手の気持ちが変わるから面白い。





2024年10月25日金曜日

理不尽ファイル!

とかくこの世は「理不尽」なことが多い。ところが理不尽の判断は難しい。一般的に理に合わないこと、道理から外れた振る舞い、態度、やり方を指すが、それだって千差万別だ。

最近は犯罪や災害に理不尽を感じるが、一昔前は会社崩壊で理不尽な辛酸を散々味わった。個人的に出会った理不尽な経験は営業の若い頃が多く、その中でも今なら「カスハラ」と騒がれそうな取引先との出来事は今でも忘れない。


理不尽な思い出。


30代の営業時代に「M薬局」と年末の返品で大揉めした。社内でも有名なクレーマーで幾多の担当者が潰されてきた「いわく付き」の店である。

担当の私は年末催事の残りを仮伝票で返品、締め前の年明け計上で棚卸しも請求も問題ない。ところが12月末付の本伝票にしろと言ってきた。

私が年末休で機械上は無理だが問題ないと説明すると「機械でなく生身の君に頼んでる」と譲らない。そんな押し問答中、急に「出て行け」と怒り出し、帰りませんと返すと「住居家宅侵入罪だ」と警察に電話をかけ始めた。私は慌てて外に出て「明日また来ます」と一言。

その頃はタバコの安売りで専売公社(JT)と係争中、役所とは電信柱の撤去で大揉めで、何かとトラブル好きな血気盛んなオヤジであった。

そんな12月の集金は案の定 12/31の23:50に来いと言う。今回支払いなき場合は会社として「商取引に於ける信頼関係の失墜」で解約宣告すると決めて大晦日にスーツで出かけた。

自社ビル1階の店舗は既に閉まっており、裏手のインターホンを押すとオヤジの声で「今、屋上から小切手を落とすから下で拾え」と言う。まさに理不尽な嫌がらせでしかない。

私は返す刀で「先生、領収書はどうしますか」と聞くと「ふざけるな」と怒り出した。私の困惑を想定だろうが、そうは行くか。私は「ご指定の時間に伺ったのですから、通常に集金させて下さい」とお願いするが一向に埒が明かない。

遂に私は「深夜に来させ小切手を拾えとは、もはや信頼関はありません。支払いは結構ですから今後取引を考えます」と言い放つと、オヤジが渋々出てきた。彼も解約の条件を承知なのだ。で、集金となってしまい取引継続。だが揉め事はその後も絶えることはなかった。


営業時代は他にも、組事務所に軟禁されたり、得意先の夜逃げ騒動も経験。本社の流通責任者時代は横流し捜査、非取引店の争い、粉飾事件では地検特捜、挙句の果てにはM資金詐欺まで現れ「理不尽ファイル」は列挙にいとまがない。

実は「理不尽」は相手にも理不尽と映る場合もあるようで、道理の解釈は難しいものだ。それには「物事の道筋」という広義の判断より「人として正しく生きる」ことに道理を絞らないと本質は見えてこない気がする。


「道理百篇 義理一篇」を噛み締める。


M薬局の大晦日事件から15年、再び事件勃発。私は本社の流通責任者となり、管轄のブランドの取扱い不可判定に猛反発のオヤジが、支社に真っ向勝負の大喧嘩を仕掛けてきた。

このままでは不公正取引の泥試合になると察し、私は休日に新幹線でM薬局に出かけた。ブランド可否の論争などしたくない。それより彼とサシで腹割って話し込むつもりでいた。そう、今後のオヤジの生き方を知りたかったのだ。

実は、M薬局のお子さんは二人とも医学部で、上の子が最近2階で医院を開業していた。私は頃合いをみて「これからお子さんは地域の名士になるのに一体いつまでメーカーと喧嘩しながら商売するのですか。もう不毛の争いは止めましょう」と2人で深夜まで話し込んだ。

「医は仁術なり」子どもの話が効いたのか、最後に彼は「今の商売はやめる」と決断してくれた。そして別れ際に握手し再会まで約束した。

彼と鎧を外した会話はそれが最後だった。今は1、2階に2つの医院と隣りが調剤薬局となり、既にオヤジも亡くなった。晩年は人も訪れず知らぬ間に葬儀も終えていた。最後まで孤独なツッパリ人生かと思うと無性に悲しい気持ちになる。


先人が残した名言は素晴らしい。「無理が通れば道理が引っ込む」は権力の無理に道理が負ける事だが、道理以上に人の心を動かすのは、やはり「道理百遍 義理一遍」なのだ。

百遍の道理の理屈をこねるより、情義を尽くし心に訴える「義理一篇」の重さを、あの日、オヤジが私に教えてくれた。そんなオヤジに合掌。









2024年10月11日金曜日

読書が辛い年頃で。

最近、本を読むのが億劫になった。通勤電車で文庫本が開くのが面倒なのだ。本屋で探索する楽しみも今は足が遠のいてしまっている。

書籍と活字離れの要因はスマホの浸透だ。電車内はスマホだらけ、本や新聞を広げる人も激減だ。因みに私の読書離れは、軽い白内障に衰える記憶力と集中力と書籍がスマホに転換したことだ。

スマホという最強ツールは多岐に影響を与えた。辞書やカメラの衰退、ECの伸長と市場の起上は激しいが、それより深刻な問題は、スイッチONのまま情報処理が追いつかない「スマホ脳」が我々から記憶力と集中力を奪うことだ。

小学3.4年生の63%がスマホを持ち、中でも1時間以上のスマホっ子15,000名を調べたら、持たない子より平均学力が大幅に低い事が判明。加えて視力低下に睡眠障害の高い発症率。

私なら成長期の小学生に絶対スマホは持たせないが、ここまで機能が充実したらスマホなし生活は現実的でない(小学生は別)。ならば若者をスマホ依存症にさせない配慮が必要だ。

我が家は子どもが高校入学までスマホは禁止。中学時も柔道部の連絡はLINEだったが、部長の息子は固定電話の連絡だけで何とかなった。高校でLINE初の彼が「中学の電話連絡の方が部員との会話があったよ」の感想は印象的だった。

因みに我が家のゲーム問題は、当時小3の息子が利用時間を破った時点でゲーム機を没収。ところが、のちの柔道生活には無用だったようで、ゲーム機は今も返却しないままである。


読書に替えて、のめり込む。



今は読書が減り映画鑑賞が増え、映画好きに拍車がかかる。ひかりTV.ネットF.プライムV.ディズニー+と、マイリストは増える一方だが視聴が追いつかない。そのくせミーハーの私はリストにない「SHOGUN」に夢中になっているのだ。

どうやら無理に読書に戻す必要もなさそうで、それより私は記憶力、集中力の低下を止めたい。主治医に私は老化かスマホ脳かと尋ねると、典型的な老化とスマホ脳の混在型で、今やるべきは「脳の活性化」だと言われた。

その為には、健康づくり、人との会話、脳トレと、絶えず脳の訓練が大切で、その継続は楽しい事に絞るのが一番だと。加えてそれを誰かと共有すると会話も増えて復習にもなる。そして嫌な事は極力やらないこともポイントらしい。

そりゃ楽しい事だけなら最高だが、現実はそうもいくまい。そんな話を家内にしたら「限りある時間を思い切り楽しんで」と合意。限り時間は余分だが家内の「あと押し」は心強い。

よし好きなことに没頭、だが年を取ると出来なくなる事も増えるもので、好きなこと探しもけっこう難しいなと思いつつ、はたっと気づいた。

私を後押しする家内はどうか。果たして彼女は今の生活を楽しんでいるのだろうか。

28年も一緒なのに謎である。自分事ばかりでは「熟年離婚」だってありえるぞ。ここは今更だが何が楽しいか聴いて共有だな。💦

やはり『妻の悲しみに我は泣き 妻の喜びに我は舞う』を決して忘れてはいけないのだ。









2024年9月15日日曜日

空き時間の活用。

 仕事中ぽっかり時間が空くことがある。急なリスケや訪問先に早く到着した時など。PCで仕事には短かすぎボーとするには長すぎる。そこで最近の私の空き時間をたどってみた。

⓵実は今がその時。空き時間を活用しスマホでブログを書いている。前泊した仙台のホテルから藤崎百貨店様まで来て開店時間まであと15分。

藤崎百貨店様はSINN PURETの東北の旗艦店で、催事場の香りの祭典「KAORI LOVER」初日に私のトークショーが開催される。昨年が好評だったようで今回もお声がけ頂いた。

と、ここまで書いたら空き時間は終了。さぁこれから藤崎様のイベント・香りの祭典だ。

⓶無事に藤崎様を終え、新幹線はPCで仕事。今は自宅に戻り風呂から上がり一息して、寝るまでの空き時間にブログの続きを書くとする。

本日のトークショーはお客様もインスタライブも盛況で藤崎様にも感謝して頂いた。因みに今日の仙台はカラッと青空、東北本部長時代に家族で暮らした仙台で芋煮会を思い出した。

当時の忘れ得ぬ事件は、花王に買収されてもカネボウ魂は変わらないと「燃える東北軍団」のTV報道番組での放映が決まり、あの情熱大陸の制作スタッフが長期取材にきた事だ。

東北6県の新商品の全美容部員の達成を目指す「ワンデイ催事」を企画し取引先との事前活動と当日までを追うドキュメンタリー番組だ。

結果は、東北6支社の全員と全店が達成。中継で繋いだ各支社の涙と笑いの達成模様は最高の思い出となった。その日の夜は、私を追い続けた撮影隊も一緒になって狂喜乱舞だった。

ところがである。仮編集のVTRを局の幹部会にかけたところ、あまりにカネボウ化粧品の賛辞になり過ぎだと、局は競合スポンサーの反発を恐れ、何と放送中止になってしまった。

この番組の制作責任者が、ナレーション無しのDVD持参でお詫びに来社。我々も残念だが、それ以上に彼の悔しそうな顔が忘れられない。今でも当時のメンバーが集うと、あの達成と「幻の特番」事件で盛り上がるのは言うまでもない。


休日の空き時間。


⓷さて、休日を無駄にしたくない私の土曜は明け方から始まる。先ずはネットFとプライムVで映画を視聴。先日は「地面師」を一気に観てしまい、午後は殆ど寝てしまった。💦

本日はデンマーク発「ビューティフルライフ」。素朴な漁師が音楽の才能を見出されるサクセス話。「コーダ愛の歌」「イエスタデイ」同様に愛と一途さに溢れた秀作。次の「パリタクシー」は文句なしの推奨作品だ。タクシーに乗った終活マダムの数奇な人生とそれに魅了されていく運転手とのやり取りに感動してしまう!🥺

⓸視聴後も家人は起きずブログの続き。実は昨日、藤崎様から私のインスタライブの閲覧数がかなり多いと報告を受けた。怪しいオヤジの40分がなぜ受けるのかは全く謎である。

そう、SNSの反応は発信しないと分からない。何がバズるか炎上するか。どちらも新たな人々に拡散され認知度が上がるのは間違いない。企業は自社商品のバズマーケティングを駆使するが、一方で炎上マーケもある。企業の炎上は致命傷だが、最近は選挙妨害や都知事選のポスターなど炎上による知名度UPを狙う輩もいるのだ。

⓹週明けの仕事帰りの電車で①~④の文章を読み返すと、仕事以外の合間の方があれこれと考えるからか話が膨らみ長文になるのが分かる。


⓺帰宅後のゆったり時間にブログの続きだ。ここは起承転結の結の「空き時間の活用」に戻したい。誰にも仕事・通勤・帰宅後・休日と合間は山ほどあるから「デュオリンゴ」や「ちょこZAP」が爆発するように24時間を無駄にしたくない。

しかし反面「多忙が幸せか」の声もある。高度成長期の交通標語「狭い日本 そんなに急いで何処へ行く」を思い出す。時間に追われ心に余裕を失くした人への警鐘として有名である。

今回の⓵~⓺で「仕事の合間」は、次の業務に追われるのか文章に余裕がない。やはり、どこかで息抜きという「充電時間」が大切なのだ。

身体共に疲れを感じたら、スマホやPCの手を止め、ボーと空を眺め深呼吸で瞑想?なんてのも必要だなぁと思い至った。『マインドフルネス』
























2024年8月26日月曜日

継続って何だ。

人生で「これを継続した」と言える事はどれほどあるだろう。それは期間もあれば本気度もある。人間関係やビジネスの継続は双方の合意が前提で断られたら途切れる。会社なら市場からNOと言われたら経営交代か最悪は倒産である。

私の双方合意の継続は、会社員48年目と結婚28年目。これ、相手が我慢強い。己の意志での継続はブログ12年目。これ、我ながらマニアック。

ブログは人生の紆余曲折を綴ったので感慨深い。会社買収や美白事件の頃は仕事ネタを控え、私生活と柔道ネタが増えた。しかしどれもが人々とのご縁で成り立つ話ばかりで一貫して「出会いは人生の宝」を綴ってきたつもりだ。

思い出すのは「鐘紡崩壊のリスク管理」と「学ぶ気のない奴に教えても無駄」のブログ。柔道の先生と「子ども教室」の運営は平等でも、公平な指導とは、生徒の才能以上に上達への意欲度に応じた指導分けではと盛り上がった。

本来「やる気」とは自発的なもので、親は熱心でも嫌々な子どもは上達しない。これは社会人も同様で義務感だけで「本気で成長したい」と思えない仕事なら他を探した方が良い。

とかく企業は才能ある人に速攻成果を求めたがるが、遅効性でも成長意欲と学ぶ苦労を知る人に「優れたリーダー」が多いと知るべきだ。


「学び」の継続こそが力となる。


私のブログに今まで無関心だった息子が、最近眺めているらしい。そういえば急に「謙虚に学ぶ」などと宣うから、新人として社会人の心構えや商談の必要性に迫られたのだろう。

向上心に目覚めたら「先人の教え」を深掘りし、自分流に置き換える癖を付けること。それが知見を蓄える体質になる。学ぶとは教えて貰うではなく、自ら学ぶ能動的な行動なのだ。


さてブログのGoogle分析だが、昨年までの閲覧数18万回、月1,500回。僅かな数で恐縮だが、国別とその閲覧比が面白い。日本79%で次が米国10%、ロシア、シンガポール、香港、ウクライナ、ドイツ、英国、仏、オランダと続くのだ。

海外の閲覧は不思議だ。米国在住の武道家と広島の平和教育の英語版しか思いつかない。友人が言う、何やら自動巡回システムもあるらしいが、海外からの閲覧も事実で、海外でこのブログを発見したことには驚くばかりだ。

継続した事で、発見の機会が増えたなら「継続は力なり」の小さな成功かもしれない。

「ローマは1日にして成らず」「石の上にも3年」「雨垂れ石を穿つ」。小さな成功を積み重ね念願を成就する教えだが、最近思うのは、成就への「精一杯の努力」の過程にこそ価値があり、諦めない継続力が最大の成果だということだ。


さぁ、来春の古希70歳にまだ「想いを綴る」意欲があればブログ継続だ。私もやがて老いて書けなくなる。その日がくるまで、私の駄文にお付き合い頂ければ、翁は幸せ者である。







2024年8月7日水曜日

世の中の世界基準。

米国の誹謗中傷の大統領選、悲痛なウクライナにパレスチナ、国内は円安に値上げラッシュと悩ましい中、パリ五輪の日本活躍は真夏の清涼剤だ。累計500個の金は柔道45kの角田夏美だ。あの巴投げは誤審の余地などない芸術品だ。

柔道団体の日仏決勝戦、代表戦がリデールと斉藤立とは出来過ぎだが、痛恨の極み。息子もよく知る斉藤選手には今後の活躍に期待したい。

柔道人口が日本の4.7倍のフランスでは柔道が大人気。因みに世界ではブラジル200万人、フランス56万人、ドイツ15万人、何と日本は12万人と世界4位。既に日本柔道は世界JUDOとなり、日本選手は国内とは異なる戦い方を強いられる。

それでも日本柔道は世界からは驚異の的で、基本は日本で学び、大会は各国が日本選手を研究し尽くしてくるから一瞬も気が抜けない。

昔、息子が16歳対象のロシアでの世界JUDOの決勝戦でロシア選手から未体験「帯取返し」の技を喰らった。身長と長いリーチで上から手を廻し帯を掴み後方へ投げられ、返したが「技あり」を取られ、時間切れまで逃げられて銀で終わった。

日本発祥とは言え、国際JUDOは体格も技も異なり一本に拘る日本柔道とは勝ち方も違う。しかし今回の五輪ではフェンシング、レスリング、スケボーと海外発祥でも日本人が大活躍で、最初から世界基準で競い合う重要性を痛感する。


グローバルスタンダードあれこれ。


世界基準はビジネスでも当たり前。その一つに、メーカーと小売業が商品・取引額・販促を先様のトップも参加し年間計画を握る「ジョイント・ビジネスプラン JBP」がスタンダードで、私も花王時代に大手小売業とのJBPを推進した。

トップtoトップ合意は、従来の部門を越えるから商品幅も広がり、商材と売り場と販促担当の新たな連携が加速する。先様のグループ会社のジムの会員にヘルシア年間販売や、めぐりズムと寝具とのコラボなど懐かしいJBPの思い出だ。

今や百貨店も売場の縄張りは無くなり、お客様の未開拓品のLTV獲得を目論むから、水着とUV品や下着と香りなどクロス展開が増えている。


さて、ビジネスより重要で困難な世界基準は「地球温暖化」である。国内は猛暑と豪雨で被害甚大だが、76年後の2,100年には世界各地で海没が起こる危機的状況にあるのだ。

人類が招いた地球温暖化こそ、グローバルスタンダードで取り組むべきがCO2削減は各国任せ、世界は自国優先で我が身良ければの流れ。このままでは「世界の平和」は形骸化されただのお題目に成り下がる。これは共存共栄のモラルが崩壊することだ。

利己主義では、貧富、差別、戦争抑止は生じない。ひと時の我が子、我が部族、我が国のエゴは通せるが「温暖化」に関しては子や孫が直面する。この流れを良しとするのだろうか。

決して利他主義の愚かな自己犠牲を求めるのでなく「他人など関係ない」の「他人」を、自分の子、孫、大切な人に置き換えるだけでよい。

やはり「自分だけ良ければ」を恥とする自分でありたい。「関係ある大切な人の為、自分がいる」の考え方を忘れるなよ!と自身を戒めた。






2024年7月19日金曜日

新人に教えられ。

 弊社新卒が研修を終え7月から各事業部に配属された。以前に書いた俗にいう「さとり世代」だが、見る限り冷めた面子は一人もいない。

新人の日報から不安や期待は窺えるが「誰もが通る道」とは言わない。昔、私はそう言われ「知るか、自分は初めてだ」と反発したからだ。

当時の私は、振り返るどころではなかった。これが、ある程度業務を把握してからの不安と期待次第で、継続への意志を固める第一局面になる。

その後の人材育成は入社3~5年でステップUPを考える。大手なら転属転勤のジョブローもあるが、環境が同じなら後輩の指導や業務の幅を広げ「中堅社員」の自覚と周知を促す。

仮に転職するなら職歴書に記載できる内容が大事。短期間や浅い経験ではあてにならず、面接で知見が深いと判れば好条件でも欲しくなる。

しかし新人のうちは、不満と期待の変化を楽しむつもりで、雑用でも何でも引き受けて、自分の価値を上げる為に全てを吸収する時期だ。


「親思う心に勝る親心」から脱出。


先日、新人の息子が社販購入した車で金沢から6時間かけて戻ってきた。全日本学生柔道に集結した一期生たちと泊まり、翌日は仕事で我が家には2時間ほど立ち寄っただけだった。

それでも息子は初任給で購入した家族のサイフにカードを添え置いていった。感激!しかし手弁当を持参する彼の懐を知るだけに、私は大量の冷凍総菜を返礼したのだった。甘い!

そういえば大昔、私も両親にペア時計を贈った事がある。両親が何度も電池交換し大切に使っていた事を、家内に聞いて初めて知った。嫁にまで自慢した親父の気持ちが今はよく判る。今更だが「子を持って知る親心」を実感する。

今までは「親思う心に勝る親心」と嘆いたが、息子から財布を貰った時、私は自分の親に対する不義理を思い出した。殆ど静岡に戻らず随分と心配させた。実家に顔を出さない息子は、昔の自分そのものだ。それこそ因果応報ってやつだ。


そんな親不孝の私が思い知った『いずれは出来なくなる貴重なこと』を共有したい。

一生で、子どもと過ごすのは2,400日、家を出て親と会うのは480日、子どもの行事参加は30回、家族全員での休日は500日。何と少ないか!私は子どもとの休日は期限切れだが、家内とは、従来の「家族にサービス」発想でなく純粋に楽しむ気持ちで過ごそうと思う。

皆さんも家内安全と豊かな人生に向け、家族との僅かな時間を大切にと願うばかりだ。




















2024年7月2日火曜日

時と旅とDNA。

今も全国の出張は多いが、インバウンド需要の宿泊費の高騰は凄まじく、社内規定を無視しても予約が取れない事態には困っている。

旅費以外にも交通機関の進化でも行程は見直す。最近は乗り換え不要の北陸新幹線に感謝。他には空港が遠い所は新幹線に変更。例えば広島は新幹線で3時間50分、飛行機は1時間半だが、市内にバス1時間と空港待ちと乗り継ぎの総時間は殆ど変わらずコストも安いのだ。

それに新幹線は乗り換えずに済む。長時間だが気が楽だしPCとスマホで広島到着。故に本州内で新幹線の駅がある出張は基本的に飛行機をやめた。


強い奴より敏感な奴が生き残る。



人は自力の速度以上で移動するほど疲労度が増すらしい。同時間の移動だと『自動車<電車<飛行機』と速いほど身体の負担は大きくなる。

大昔ヒトの移動は徒歩だった。つい160年前の江戸時代は庶民の間で「徒歩旅」が大流行。日本橋~京都の東海道500㌔を14泊15日で歩いていた。宿場まで1日平均40㌔で往復1か月の楽しい長旅だ。今は新幹線で2時間12分、徒歩の50倍速の負担はかなり大きい筈だが、我々はもはや高速に対し身体的支障を感じなくなっている。

ヒトは文明進化に変化対応する進化論なのか。ダーウィンは「強いものが生き残るのでなく、変化に敏感なものが生き残る」と言ったが、同種の劣性遺伝子は淘汰される。つまり足の遅い兎は捕食され逃げ足の速い俊敏な遺伝子が繁栄するのだ。

ではヒトの淘汰はどうか。お互い不足する遺伝子を補完し優秀な子孫を残そうとする恋愛・出産では、俗にいう「美女と野獣(秀才)」の組合せは自然の理に適っていた。

結果、最近の若者は「足長の美男美女」ばかり。次は頭脳まで優秀な人々が出現し、彼らが更に厳選した出産を続けると100年先に「大谷翔平と真美子夫妻」並みの容姿端麗・頭脳明晰の集団が街を闊歩する姿を見られるかもしれない。

それはそれで気味が悪いが、これも淘汰か。しかし、私はエリート集団より個性溢れる「十人十色 それぞれが美しい」の方が好きだ。「たで食う虫も好き好き」だから優劣でなく個性だと学べるし、多様性を認める社会が面白いのだ。


何にせよ技術革新は現在も進行中。リニアなど旅と時間はより便利に効率化される一方で、非効率で不便でも「旅情」が重要になる。散歩する山間の花を愛でたり、海辺でボーとお茶を飲むなど、観光より癒しの過ごし方に魅せられるのだ。

健脚なら徒歩旅に惹かれるが、私は家内とのんびり船旅が最高だ。効果効率で換算する出張でなく「時を忘れた旅」に原点回帰したいのだ。

ところがそんな旅が、一番金と時間が掛かり贅沢なことだ。ヤバ、こりゃ困ったもんだ。









2024年6月15日土曜日

よっ 若大将!

 昭和の思い出は数あれど、TVと映画が対峙していた頃、大好きな映画に加山雄三の「若大将」があった。You Tubeの若大将マニアの解説を観て、懐かさに思わずセット買いをしてしまった。

この映画、大学スポーツ万能の若大将(加山雄三)を主人公に青大将(田中邦衛)とスミちゃん(星由里子)との痛快青春コメディ。とにかく若大将がカッコよく観ていて心地良い。

第1作1961年「大学の若大将」6歳の私はその後の再上映でドハマり。話題のシーンは若大将たち水泳部が大学の浄化槽の蓋で焼肉を焼く場面。脚本では公共のマンホールだったが、東宝幹部の「良識ある大学生はしない」と中止。それを逆手にとりマネージャーが便所の浄化槽の蓋を拝借、そこに用務員がハマる設定にして強行撮影。

結果は大受けで、幹部の「次回はマンホールで」の声には制作部を呆れさせた。しかし改めて若大将を観ると彼の破天荒ぶりと人の良さに驚く。

大学の授業料は使い込む、すぐ喧嘩して店は壊す、若大将の為に祖母が家業のすき焼き・田能久の肉や運転資金を流用と、犯罪紙一重なのに毎回父親の「勘当だ」で済むし、果ては若大将の大活躍で全て丸く収まるから不思議だ。

まぁそこは深く考えず、彼の奮闘と高度成長期の勢いを楽しもう。当初の3部までの話は4作1963年「ハワイの若大将」の大ヒットで継続は確定。

しかしこの後、黒澤明「赤ひげ」で加山は1年間拘束され人気低迷を案じたが、5作1965年「海の若大将」で自作の歌もヒットし前作を上回る興行成績となり若大将は確固たる地位を確立した。

同年の6作「エレキの若大将」は彼の音楽的才能に溢れ音楽映画としても大ヒット。突如スミちゃんと歌う「君といつまでも」はあまりに有名だ。このレコードは翌1966年に350万枚のトリプルミリオンセラーとなったのだ。

その後の4作品も人気は続くが、加山30歳の学生服はさすがに不自然で11作1968年「リオの若大将」で彼を卒業させ終了と考えたが、世間は許さず東宝得意のサラリーマン劇場に移行していく。酒井和歌子のせっちゃんも初々しい。

高度成長の自動車メーカーを舞台に13作1969年「フレッシュマン若大将」もはまり役で、それ以降の会社員シリーズも見逃せないが、個人的には大学の若大将シリーズが最高だ。


若大将シリーズの苦悩と再生。


会社は次の若大将を狙い16作1971年「若大将対青大将」は加山主演だが、田能久は登場せず二代目の大矢茂も中途半端で、惨憺たる結果となる。その後の三代目の草刈正雄も振るわず、若大将シリーズは残念だが終焉を迎える。

ところが1975年に突如、若大将のオールナイト興行が爆発。若い人にも大ブームが起き、大学生の私も新宿のオールナイト一挙4本上映で一緒に歌い大声援の観客参加型を体験。その盛り上がりは凄まじく次回作に繋がるきっかけとなった。

それが、彼の芸能生活20周年の記念作品1981年「帰ってきた若大将」だ。全編が若大将のオマージュに溢れたこの作品は、本来の若大将の魅力が満載で大ヒット。加山雄三の若大将は見事に有終の美を飾ることになったのである。


昭和映画のシリーズ化の成功は、若大将、男はつらいよ、釣りバカ、ゴジラなどあるが、共通点は①主人公の強烈なキャラ②配役の魅力③安定のワンパターン。この三つが揃い「主人公の虜」になればマンネリは歓喜の定番化になるのだ。

昭和映画史に輝く若大将こと加山雄三は、湘南生まれの慶応ボーイ、スポーツ万能、シンガーソングライター、画家とまさに異能の87歳。

熟年でも私には永遠の若大将。憧れの彼に長寿祈願と感謝を込め一言「よっ若大将!」。










2024年5月31日金曜日

人不足の先は恐怖。

日本は今どこも人手不足だ。輸送、建設、飲食など深刻で、頼りの外国人は、労働環境の問題や円安の目減りなどで先行きは不透明である。

娘曰く、建設の施工管理者は常に人不足で休日返上当たり前。彼女は工期に追われるのが嫌で、建築資材メーカーに入社したが、施工側の外国人向け取扱説明書の納期に追われる。娘よ、やはり仕事は追われるより追うもんだ。

食品スーパーの裏方も外国人が多いが、特に惣菜の食材カットや調理は技能訓練が必要だ。製造業同様に技能者も高齢化で、先を担う若手と指導役の熟練職人の争奪戦は熾烈らしい。


この先、我々は何処に行く?


この人手不足の元凶は人口減少にある。2004年の1億2,800万人をピークに2030年に1億1,150万人、2050年は1億を切り9,500万人と予測。高齢化率は2004年19.6%から現在の31.8%、2050年は39.6%と実に4割を占める超高齢社会になる。

そして後期高齢者(75歳~)のピーク2040年に、労働者と高齢者が同人数になる。つまり1人の働き手が1人の高齢者を支える社会。私も生存していれば85歳の迷惑爺いの1人である。

加え、全国の世帯平均人数2.27人は2047年に1.92人まで減少。つまり1人住まいの方が多くなる。全国最下位の東京は1.9名と2名を切って久しいが、いよいよ単身世帯が主流となり、サザエさんのようなホームドラマは傍流になるのだ。

加えて更なる追い打ちが「認知症」の激増だ。来年500万人の認知症が2050年は1,000万人になるいう。政府は予防と医療の見直し(オレンジプラン)を推進するが、このままでは4割の高齢者に認知症が4人に1人の恐怖社会が待っている。

…と、人不足の行方を書き進めたが、話が大き過ぎて、私如きでは結論は出ない。ただ一つ明確なのは、日本を背負う若者が近い将来、この問題に直面するという事実である。


倍賞千恵子【PLAN75】という2022年のSF映画がある。政府は75歳以上になると生死を選択できるPLAN75を導入。この仮想の制度を媒介に「生きる」という究極のテーマを全世代に問う作品だ。高齢者本人の葛藤、市役所の担当と外国人のケア担当の呵責など痺れる話だが、これが全くの絵空事でないから重く切なく怖いのだ。

私なりに今すべきは・健康寿命を1年でも伸ばす努力・どこまで人に寛容になれるかの再考・今一度生きる事に向き合う事かなぁと考えた。

ぜひ家族で「PLAN75」を視聴して、2040~50年の自分と取り巻く人々の姿を想定し「私は何をすべきか」を大切な人と話し合う事が必要だ。

因みに我が家は、私が要介護で重篤な病いは「尊厳死」希望と伝えてある。スイスの「安楽死」が可能な日本になれば再考だが、願うのは私がその時ボケてないことだ。💦




2024年5月14日火曜日

ピカピカの新卒は。

多くの企業は新入社員を迎え、新鮮な風が吹いているが、一部の新人は想像した会社と違い「こんな筈じゃあない」と思う頃でもある。

今、退職代行が過去最多とは情けないが焦燥な「五月病」の方に一言。そもそも完璧な会社などあるわけがない。それより今の会社が成果と知見を蓄えられる環境かを判断すべきだ。

キャリアアップの転職なら、職歴書に披露できる知見がないと勤めた意味がない。ただ嫌だから辞めますでは、同じことを繰り返すだけだ。


さて息子は新人研修を終え、運営する480店舗から大型の「金沢店」に2名配属され、快適な社宅と親切な先輩に囲まれ元気に奮闘中だ。

実は私も26歳から5年間を福井で勤務し、最も営業力が培われた地。北陸は「弁当忘れても傘忘れるな」と言われるほど雨と雪は多いが、何より人が暖かくて最高の思い出ばかりだ。


昭和の価値観を今に問うTV「不適切にもほどある」じゃないが、昔は馬車馬のように働き、どこにも頼れる熱血上司や教師がいたもんだ。今なら過重労働とパワハラで大炎上である。

1978年(昭和53)入社の私は社歌「鐘紡われら」斉唱の入社式や業界一位を目指す環境からか、愛社精神と火の玉社員ばかりで、それこそ働き詰めだったが不思議と楽しかった。

しかし鐘紡は崩壊してしまう。2004年の鐘紡解散の前夜に幹部が集い、涙ながらに最後の「鐘紡われら」を斉唱し、伝統の社章(3Sバッジ)を襟から外した無念さは忘れない。


自分の無限なる可能性を追求せよ。


さて前回、新卒はさとり世代と書いたが、それを物語る息子の話。事前提出の赴任先に挑戦・全国どこでも希望は僅かで、大半が安定の地域指定の希望だったらしい。欲も夢もない「さとり世代」が透けて見える。彼らは21世紀生まれ初の大卒で昭和男は理解に苦しむ。

一方、息子は全国どこでものお陰で、金沢を思い切り楽しめる。今後は、知らない街での出会いと経験が積めるラッキーな環境なのだ。


ところで彼は、盛岡研修や金沢移動の立て替えと給料日まで収入もなく、金沢に旅立つ前日に「当面のお金を貸して下さい」と頼んできた。

そうか、既に息子の仕送りは終了したのだ。健康保険と扶養家族と住民票から外れ、彼は完全な独立独歩となる。今後は「便りが無いのは元気な証拠」と見守るだけは寂しくなるが、いや、待て、息子より私の子離れの時がきたのだ。

さて彼の借金だが、家内は年内返済の借用書を書かせ、相応の額を振り込んだ。家内には甘いと言われそうだが、実は私からの「最後の仕送り」にしようと思っている。💦


さぁピカピカの1年生よ。無我夢中で自己成長する奴がキラキラに変わるのだ。それには先ず肩の力を抜いて仕事を楽しむこと。つくり笑顔でもNK細胞の活性化で気持ちが前向きになり、義務的で嫌々に見えるような態度は激減する。

この先、人間関係で悩んだり成果が出ない時もある。そんな時は自分にパワー充電するチャンスと心得て、この言葉を肝に銘じよう。

『何も咲かない 寒い日は 下へ下へと根を伸ばせ やがて大きな花が咲く』

最後に一言。世の中、未だ昔の価値観のオジサンが幅を利かせているのも事実。さとり世代には面倒だろうが、そのことを忘れてはいけない。









2024年4月19日金曜日

年寄り笑うな 行く道じゃ。

今月で69歳になった。古希(70)までの一年間を大切に過ごすつもりだ。先日は主治医に「のんびり、リラックスして」と言われてしまった。

せっかちでダラダラ嫌いの私には耳の痛い話だ。実は、頭でのイメージと身体のアンバランスが出始めた私へのアドバイスなのだ。

急に立ち上がる時の軽い立ち眩みが、直近何度か「クラっと感がつよい」と相談したら、心電図測定と言われ測定。心拍変動数とかの結果『自律神経の老化』だと言われた。

我々の生命維持機能を調整する重要な自律神経だが、この自律神経の失調はやる気が失せたり鬱化を案ずるが、老化すると不眠、動悸、めまい、疲労などが増えるらしい。

つまり脳と身体のテンポが微妙にずれるので、動作より自律神経が遅れて脳に血が通う前に立つから一時的な貧血で立ち眩みが起こる。先生曰く、立つ途中で「捕まり立ち」して一呼吸おけ。加えて足の屈伸で血流を促し、脳に血が通えばクラっと感は軽減するとのこと。

それ、まさに爺いの緩慢な動作だが、他にも「キレる老人」問題もある。これは怒りを抑える副交感神経が衰えて、交感神経が直ぐに興奮状態になるからだ。ブレーキが遅れる暴走事故も、些細なことで腹が立つのも、自律神経の老化が関与しているのだ。💦


自律神経の老化対策


さぁ注目すべきは「急速に自律神経は老化」という事実。副交感神経は10年毎に15%下降、男性は20~30代、女性は30~40代で急降下するので、アスリートの引退も30代が多い。この減少幅は50代では20代の三分の一というから驚きである。誰もが他人事ではない。

老化現象は色々あるが、生命機能のアクセルとブレーキを調整する自立神経は最重要。この特効薬はなく日頃の生活で改善努力するしかない。

ここで自律神経を整える「7つの対策」を紹介するので、皆さんにも励行をお勧めする。

1.起きたら日光を浴びる(日光でセロトニンが活性化され体内時計を調整)

2.適度な運動をする(疲労回復因子を活性) 3.湯船につかる(ぬるめのお湯)

4.質の良い睡眠をとる。(心身の疲れと細胞の修復。寝る前のスマホ厳禁)

5.しっかり栄養を取る(ビタミン、ミネラル摂取。セロトニンは貯蔵できない)

6.腸内環境を整える(腸は副交感に直結、起床時に水、ストレッチ)

7.首を温める(血流の要で疲労・コリ改善)

この「7つの行動」は忘れずに実行したい。人生100年と言うが、寝たきりでは意味がない。家や車も30年でガタが来て70年ではガタガタ。人も日頃のメンテナンスが大切なのだ。


因みに、赤ん坊はベビーコラーゲンが存在し、生命力に満ち溢れるが、人格が形成されるまでは、精神的に未熟なので大人の庇護下で育てられ、我儘な自己中心が許される。

そのうち「花」とか「犬」などの存在を理解し、綺麗や怖いなどの感情が生まれ、人格のベースが形成される。そこから成長が始まるから、最初の人格形成は大切なのだ。

肉体成長は20代がピークだが、精神の成長は年輪と共に深みを増すが最盛期は元気な社会生活までで、社会的に孤立と高齢により精神が退化し「老人の子ども返り」を引き起こす。

そう、いつの世も「幼少と年寄り」はセットで別人格なのだ。そして我々は自立神経の老化と共に、徐々に衰退していくのである。

『子ども叱るな  来た道じゃ、年寄り笑うな 行く道じゃ』忘れていけない言葉である。




2024年3月30日土曜日

大学柔道物語⑩最終話

息子が大学を卒業した。小5からの「柔道漬け生活」が終わるとなると感慨深い。声を枯らした応援、全国行脚、道場の送迎、毎日の食育と大変だったが、私と家内には楽しかった思い出ばかりで、今となれば感謝しかない。

息子は高校・大学と柔道推薦で引っ張られ、一体どこまで成長するかと勝手に期待した時期もあるが、根本的にそれは間違っていた。

過度な期待は「失望と挫折」と表裏一体だ。彼も自分に期待した筈だが、全国の上位になる厳しさに加え、大学2年後半に腰痛がヘルニアに悪化してからは、戦績より「勇斗(はやと)らしさ」探しが共通の期待に変わっていった。

彼はその期待に応えたようだ。後輩からの慕われ様と、12年、泣き言いわずにやり遂げた継続力は、勇斗らしい魅力的な武器になった。


柔道こぼれ話。


先日、帝京Gの卒業式が「日本武道館」で開催。柔道部にとっての武道館は、地区の代表しか臨めない全国大会の場所だけに、今後は一観客にしかなれない寂しさはあったようだ。

一方、嘉納治五郎が興した柔道の総本山である「講道館」は、やはり柔道家の聖地である。ここには高校柔道の思い出が数々ある。

講道館は「道場」であり、登録の息子たちも練習するが、何より強豪校ひしめく東京都の高校柔道選抜戦が行われ全国出場を賭ける激戦の場。「東京を制する者は全国を制する」と言われ、当時は声を枯らして応援したものだ。

講道館のこぼれ話。講道館近くの食堂には何と「1㎏ハンバーグ」のメニューがあり、それを食らう息子たちに他店の大盛話を聞くと安田学園の両国の「ちゃんこ・飯食い放題」と「すき家キング盛り」には2度びっくり!

すき家の裏メニュー「キング牛丼」とは、並盛の6倍の肉に2.5倍の白飯で一杯1,230円、2,300kcalとコスパ最強のお化け丼だが、重量級の息子たちには強い味方であり、大判振る舞いの「すき家」さんには大感謝なのだ。笑


飾った世界に流されるな。


世間では今年の新入社員を「さとり世代」と呼ぶようだ。その最大の特徴は「欲がない」。夢や希望がなくても今が安定していれば満足で、恋愛に興味がない、旅行に行かない、無駄遣いしない、熱くならない現実派と言われる。

育った環境が不景気とはいえ「枯れた年寄り」と変わらない。一方、息子たちは夢と希望に燃え鍛錬を重ね、大学で坊主頭と不休の練習から解放された。こんな柔道小僧は悟るどころか欲望満載で、彼らがさとり世代とは到底思えない。


さて、息子は研修で発令の赴任地に引っ越すだろう。どこに行こうが赴任先の先輩に喰らい付き無我夢中で仕事を覚え、お客様の心に寄り添うのだ。柔道のように、まず仕事を好きになり、向いていると思うまで全力で取り組め。

そりゃ大変なことは当然。だが大変とは大きく変わるという意味だ。それでダメならやり直せ。長い人生、大した問題じゃあない。

息子よ、勇斗らしさを失うな。今どきの冷めた虚栄の「我」は捨て「無我」となり、己の目標・夢へ「夢の中」に入り込め。これが誰もが認める「無我夢中」の姿なのだ。

願いは「時代遅れ」の唄。不器用でもしらけずに純粋でも野暮でなく、飾った世界に流されず大切な人を思い続ける。こんな男がそのうち判る。

最後に、昔から貴方に唱え続けさせてきた合言葉を、未来の勇斗に贈る。

『執念ある者は 可能性から発想し 執念なき者は困難から発想する』


■安田柔道物語最終編「時代遅れ」掲載

http://tanabeshiho.blogspot.com/2020/03/blog-post_17.html?m=1











2024年3月9日土曜日

国語力 ヤバいって。

最近、若者の国語力の低下を痛感する。彼らは国語の授業の「文中のコレとはどこを指すか」とか「作者の意図を要約せよ」の問題が苦手なのだ。結果、読解力がないから相手の言っている事や、その胸中を的確に把握できないのだ。

加えて語彙力と表現力が乏しいから、的外れの話が多く何を言いたいか分からない。微妙な会話のズレは友人なら愛嬌だが、仕事ではあり得ない。

実際、経済協力機構OECDが実施した国際的学力調査によると、全体的な学力の低下より最大の課題は「読解力の低下」だそうだ。やはり若者の国語力の不安は深刻な問題なのだ。

これは、スマホ社会になりSNSの超短文と絵文字のやり取りばかりで、読書など長文に触れる機会が激減しているからだ。スマホの時間は山ほどあるのに、読書する暇はないのだ。

読書量が圧倒的に足りないと論理的思考力が身につかず、本質を見抜くのが苦手になり文章を書くことも不得手になる。人間模様や心の葛藤を深く詮索するのが面倒になり、楽しくて分かり易いショート動画や音楽とゲームに走る。

因みに年配者との会話は大の苦手。昔からの曖昧な表現やことわざは、残念ながら理解不能だ。「この案件、注文が多くて骨が折れるな」に「え、肉体労働ですか」と、これ本当の話。労力を費やす表現と知らず「骨折」と認識。まさに説明するだけ「骨折り損のくたびれ儲け」だが、まぁこれも間違いなく通用しない。💦


衝撃的な本に出合うまで。


私の本好きのキッカケは、感動の本との出会いからだ。石森延男の「コタンの口笛」は頭を殴られたような衝撃だった。北海道のコタン(アイヌ集落)に住む姉弟が日本人の差別と偏見に耐え、強く生き抜く姿を描いた児童文学の金字塔だ。

小4の私はこの本で、人が人を差別するという事実と、世の中の理不尽に耐える子どもがいる事を初めて知った。これを機に好奇心が沸き、様々な本から多くの価値観を学び、その後の自分に大きな影響を与えたのは事実だ。

「物事の本質を知る」という事を端折ったら軽薄な奴になる。勿論、読書だけで思慮深くはならないが、相手の気持ちを察する力は必ず養える。

人生は「ヤバい」と「まじッ」の2つでは乗り切れない。今からでも遅くないから、誰もが認める名作を読み込み「勉強」することだ。因みに「音読」は読解が深まるからお薦めする。

「学びは一生」人は生きる限り学び成長する。読書に限らず、学ぶ気なら会話や日々の暮らしにも題材は幾らでもある。勉強の苦しさは一瞬だが、勉強をしなかった後悔は一生続く。

「知識は力」で有名な英国の哲学者フランシス・ベーコンが明快に教えてくれている。

『読書は人を豊かにし 会話は人を機敏にし 書くことは人を確かにする』納得の名言だ。








2024年2月23日金曜日

事件と報道の裏側。

能登地震から2ヶ月。その間に様々な事件が報道されたが、その大半が痛ましい事件と企業や政治家と芸能系のモラルハザードとは、被災地で苦労される報道と比べると情けなくなる。

企業や政治家の不正は、倫理観の欠如に組織が絡むと始末に追えない。性加害もガキ大将の鬼畜化だから大将を除くしかないが、これも派閥解消で裏金を幕引きしたい輩と同じで、対症療法を繰り返すだけで根本的に何も解決しない。

一方、報道にも問題ありで、権力に忖度した弱気な報道や、スキャンダル事件は発行部数を獲る週刊誌のスッパ抜きを、マスコミが視聴率や閲覧数を獲りに追いかける図式。必然的に報道は偏り、重要でも地味な事件は飛ばされる。


ペンは剣より強く動画はペンより強い!


カネボウ迷走時は、粉飾・上場廃止・買収と連日の報道で、私でも地下駐車場から出入りしマスコミ回避、朝は各新聞に弊社の掲載がないと取引先の対応不要で安堵する日々だった。

特ダネを掴んだ新聞社は、週末の売店の新規買いを狙い金土日の3部作を仕込むから金曜は要注意だ。これは報道のデジタル化でも変わらない。

ついでに取材を受ける注意点。様々な角度から質問されるが、答えを一貫させ余分な発言は厳禁。最初と最後の単語を繋いで「見出し」にするのは得意技で、見事に自分の意図から離れるが、それぞれ発した言葉は事実なので尚更厄介だ。

今は活字より映像(動画)。人は外見や態度で相手を判断するから謝罪会見は特に気を使う。マスコミと視聴者の心証次第では、今後の業績を左右するから失敗は許されない。

会社の不祥事会見では、謝罪・原因・再発防止の3点を固めたら、擬似会場で撮影しての想定問答からお辞儀までシュミレーションする。実はこれを請け負う会社があるのには驚いた。

多くの謝罪会見で異物混入のペヤングは、即対応と本気の再発防止策の会見で売上を伸ばした希少な事例。だが大半は囁き女将の船場吉兆、スシロー、日大、健忘症の大臣のように炎上する悪事例ばかり。その原因は、遅い、ごまかす、態度が偉そう(傲慢)で、事態を甘くみた結果である。

傲慢は百害あって一利なしだが、謙虚は良いこと尽くめだ。正直不動産じゃないが、今は正直者はバカを見ず「オネストisベスト」の時代なのだ。

『謙虚を失った確信は、確信でなく慢心になる』やはり松下幸之助は鋭いなぁと実感した。

                   





2024年2月7日水曜日

大学柔道物語⑨就職編

息子の就職だが、年の瀬に本命先がダメになり慌てて就活を始めた。時期的に厳しい筈が、内定辞退の多発で追加採用が多く、息子はこの機を逃さず面接ラッシュでバタバタだ。

しかし春の実業団大会に登録までさせて、梯子を外した県警柔道部には憤りるが、今さら愚痴るより、今後の企業面接で今回の経緯で「口約束でなく契約締結までは安心できない事を学んだ」と語ればよい。

実際面接では就活の話も出たが、質問は総じて柔道話で率直に体験を語ると盛り上がり、その反応に息子の方が驚いていた。やはり12年間の柔道継続は興味深いのだろう。

ある役員から「柔道での学びと今後」を聞かれ、柔道精神「自他共栄・精力善用」と、今後は恩義ある道場で子どもを教え、裾野を広げたいと答えたらしい。ホントかよ、と思ったが、無難な答弁と道場への想いに柔道バカを少し見直した。

軒並み面接の結果、複数社から内定を頂き取捨選択できるまでになり本当に有難いことだ。


この道より我を生かす道なし この道を歩く。


彼は業種別に食品、設備、住宅、物販系の内定先から悩み抜いた結果、物販系の業界大手を選択した。取り敢えずの使い捨て営業と違い、全国展開で社員が数千名の上場企業なら、適材適所の人事や人材育成に長けているだろうとの判断だ。

正解は入社しないと分からないが、業界トップを狙う姿勢と将来性は興味深い。おそらく超多忙だろうがチャレンジ精神は鍛えられる筈。

そもそも「やりたいことを仕事にする」のは難しい。最初からやりたい事など分かる訳なく、好きか、嫌いか、向いてるかを模索し、好きで向いていると思う仕事のスキルと知見を積んだ先に、その仕事をやりたい事としてリンクさせるのだ。

先ずは与えられた仕事を評論する前に、その仕事を好きになる事に全力傾注だ。厳しくとも、石の上にも三年は試行錯誤して向かないなら転職だ。

転職とは「向いている仕事」探しで逃避ではない。そう、20代で汗を流さないと40代で涙を流し、30代で知恵を出し変革せねば50代で部下は持てない。


息子たち柔道部4年生は、新設柔道部一期生として、先輩も歴史もない帝京平成大をAリーグに昇格させ、全国ベスト16入りに誇りを持って欲しい。選手の力は勿論だが、小野監督とコーチ陣の指導のお蔭である事も忘れてはいけない。

この4年間の「固い絆」は人生の宝になり、流した汗と継続力は、これからの最高の武器になる。まさに自他共栄と精力善用の姿だ。

こうして息子は会社員を覚悟して卒業する。全ては柔道あればこそで、恩師に感謝し次は社会人という団体戦と個人戦で勝利を掴むのだ。

因みに私は、彼が何処に配属され、どんな会社員物語を紡ぐのか興味津々だが、ブログで語れるかは独り立ちした娘と同様で彼と相談だ。

何れにせよ、自分で決めた道を信じて歩み始める息子に、武者小路実篤の言葉を添える。

『この道より我を生かす道なし この道を歩く』



















2024年1月22日月曜日

よっさんとの別れ。

石川の地震で多くの人命が奪われた。その辛く悲しい中での避難生活には本当に心が痛むが、今は1日も早い復興を願うばかりである。

実は、昨年12月に私にも辛く悲しい出来事があった。以前ブログで紹介した大恩人で仲人の「よっさん」が、75歳で天国に旅立ったのだ。

急な知らせに最初は信じられなかった。よっさんの体調に合わせた昨年11月のST杯ゴルフを直前で欠席され心配したが「もう大丈夫、年内に会おうや」と約束したばかりだった。

よっさんが体調不良の頃ブログに「互いに元気は有期限…いつかは訪れるその日まで思い出を積み重ねよう」と書いたが、もう思い出を積むことは出来ない。勝手に逝って「ふざけるな」と言いたいが、直ぐに会わなかった自分にも腹が立つ。

よっさんとの30年の思い出は尽きない。鐘紡の崩壊前を二人三脚で乗り越えた戦友だったが結局、会社は解体・買収され、よっさんはクラシエ食品に私は花王カネボウに別れた。

経営破綻から20年、当時の仲間は年々減り、同じ痛みと悔しさを一番分かち合えるよっさんを失い、私の暗黒時代の幕が降りた気がする。


よっさんとの別れの日。


よっさんは家族に感謝を伝えたあと「昔の仲間に会いたいなぁ」と呟き「俺が死んだら志保に頼め」と言い残した。奥様とのゴルフを何より楽しみにしていたが、私への最後の依頼が「カネボウ仲間に会いたい」と聞き、私は号泣した。

当日は全国からよっさんを師事するカネボウとクラシエの仲間が集まり、今更だがよっさんの偉大な功績と門下生が慕う人徳を痛感した。

家内と火葬場までご一緒したが、ご遺体との別れは辛い。よっさんの無念と傷心する奥様を目の当たりにして、私と家内の涙は枯れた。


「人生は無常迅速」人生はあっという間。実に儚く明日は我が身と思い知る。男子の寿命が81歳で介護不要の健康寿命は72歳だから、もはや私は1日1日が無駄にできないのだ。

「娑婆にいる内は大切な人と過ごせよ、そしてお世話になっている方に常に感謝を伝えろよ」と最後によっさんが教えてくれている。

よっさん、本当に有難うございます。そして、安らかにお眠りください。合掌。


■お互い腐れ縁。「田邊志保のひとりがたり」2023.10.29

http://tanabeshiho.blogspot.com/2023/10/blog-post_29.html






2024年1月6日土曜日

2024年の迎え方。

2024年の新春を迎え、昨年の皆様のお力添えに感謝申し上げ、本年も変わらぬご厚情を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

今年は「甲辰・きのえたつ」の年。生命や物事の始まりの「甲」と、草木が整い活気溢れる「辰」が合わさり「更なる成長」の年となるようだ。

しかし私は成長より老化が怖い。つい手が滑りコップを倒す、ボヤッとして聞き逃す、何を取りにきたか忘れるなど老化は成長し、今年の家族の初詣は、ボケ防止と息子の就職成就も加わりお願いだらけで富岡八幡宮さんも大変である。


会社員は「やりたいことを仕事に出来ない」



この4月で69歳で会社員46年目、やりたいことを仕事にしたのでなく、生活の糧と業務への使命感で「好きな仕事だから頑張る」と納得してきた。そろそろ来年の70歳を機に、マイペースでやりたい事を仕事にしても良い頃だ。

だから古希までに①自分の過ごし方を決める②やりたい仕事を決める。この2点をやりたいが、どうやら①の家庭内の過ごし方が難問だ。

春に息子が就職したら父親の役目は一区切りとなる。あとは夫の立ち位置だが、どう考えても「夫の役割」が思いつかない。組織は交代人事で済むが、家庭は離婚しない限り交代はないから、従来の関白亭主の行動を変えるしかない。

仕事面では私を必要と仰る方、現役では手が回らない案件、自分でもやりたいこともある。それらを週2.3日の活動内で絞り込めれば①②がセットで完成だが、やはり問題は夫の役割だ。「三食喰らい家でゴロゴロ」の厄介者にはなりたくない。

大先輩が「元気の素は、きょういく&きょうよう。今日行く所と今日用事がある事」と言ったが、確かに仕事を絞っても休日の過ごし方に困るのはマズい。引退後「男の料理教室」に通う友がいたが、私は昔のバント活動の復活か。

やはり今後の自分に合った「得意技と趣味」がポイントだ。何をやるにせよ坐骨神経痛の回復と共有仲間が必要だから、今年は真剣に減量と趣味と仲間探しに奔走しようと決めた。

そんな訳で、本年も倍旧のご支援ご鞭撻に加え「得意技のご助言」を心よりお願い申し上げ、念頭のご挨拶とさせて頂きます。