一昨年から全国の化粧品店を年間40日程だが、訪問してきた。お陰様で主要都市の百貨店、専門店、バラエティーの皆様とは懇意になれた。
今は営業体制も整い出張も減ったが、主要先の責任者とは定期的にお会いする。ECと違い店頭のお客様やブランド動向は現場で分かる事が多い。
我々は商品力と提案力を以て、店舗様に数あるメーカーの中で「このブランドを売ろう」とウチを担いで頂く事が重要だ。店の「押し活」が売り場と売上を変えると言っても過言ではない。
カネボウ時代から「市場シェア以上に店内マインドシェアを上げる」活動が染み付いているから、全国販売店様の行脚は当たり前のことだ。
全国行脚を経て思うこと。
私の年間最多出張は、カネボウチェーン店部長の年間200日。セミナー講演、販売店訪問、冠婚葬祭と全国の販社を駆けずり回ってきた。
当時は殆ど会社に戻らず、帰宅は週末で「まるで単身赴任ね」と言われ、遂に部下からは私の承認が取れず仕事が進まないと泣きが入る始末。
部下も大変だったが、当時はカネボウ迷走で揺れる得意先の不安払拭と、専門店組織の結束とブランド育成に全国行脚は欠かせなかったのだ。
取引先との会食で各地の美味は食べ尽くしたが、観光地に殆ど行けなかったのは残念だ。
そんな中でも思い出の観光地はある。一つは鹿児島の知覧町。特攻で散った若者の無念さは訪れないと分からない。家族で平和教育を受けた広島も決して忘れてはいけない地である。
もう一つは太陽が海に沈む東尋坊。夕焼けの海を初実感した場所だ。日本海側では太陽は海に沈むが、太平洋側の私は昔から、日の出は海、日の入りは山なので東尋坊の夕焼けは新鮮だった。
そう考えると有名な観光地よりも、自分に何かを教えてくれた場所が思い出に残るものだ。
海外は招待旅行を仕込んだ「バリ島」がリゾートでは最高だ。引退したら家内と行きたいが、飛行機嫌いの彼女は乗り気でない。ゴルフも誘うが、今はテニスに夢中でゴルフは先の話らしい。
今までの身勝手な亭主関白を考慮し、ここは私の価値観は捨てバリは船旅に変更だ。そしてテニスの応援に徹するとしよう。今後、私の介護問題のキーを握る家内を最優先すべきだなのだ。
結婚式で「妻の悲しみに我は泣き、妻の喜びに我は舞う」と偉そうに誓った事を忘れるようでは、この先、暗雲の老後が待ってるぞ。💦