2021年4月26日月曜日

迷走から瞑想へ。

 多くの企業と学校が、コロナ禍での新年度に突入した。在宅勤務が半々の娘は2年目に、柔道息子は無事に2年生に進級できた。

仲間と会えずに2年目を迎えるリモート環境。期待のキャンパスライフが消滅して、中退してしまった大学生は本当に気の毒である。

本年度は多くの式典・行事が予定されているが、感染拡大が開催を不透明にした。企画運営側は、従来の不安とは全く質が異なると頭を抱える。


ニュースタンダードを求めて


コロナが人々の習慣と価値観を変えたことで、生き方も大きく変わった。人々は、溢れるデジタル情報をじっくり吟味し、自分に有用な情報を得る選択眼を急速に進化させた。

ビジネスでは市場変化の大激震だ。化粧品市場はマスク多様でメイクが激減。スキンケアは好調だが、ここは各メーカーが争奪戦を展開中だ。

大手化粧品会社は広告をデジタルにシフトし、昨年はTVの広告料を超えた。デジタル集中は広告単価を上昇させ、中小の通販企業は四苦八苦だ。

化粧品には精神的効用として、オフの自分時間のスキンケアが「癒し」を与え、オンの戦闘モードはメイクで「励み」を与えると考えている。ところが、コロナ禍のリアルなコミュニケーション不足は「励み」の機会を減少させてしまった。

ゲームやお取り寄せの癒し需要は増えたが、健康、生活の不安は、満足、期待の「励みスコア」を下げた。まして在宅勤務はオンとオフの切り替えが難しく、ストレスは継続する。


マルチ・スマホ脳の迷走から瞑想へ


悲しい話だが、昨年の自殺者は女性が1.4倍も増え、11年ぶりに前年を超えた。心の不安定は生きる力を奪うので、心のケアは常に欠かせない。

洗濯機を回しメールを確認。PC睨みながら食事。こんなマルチタスク脳の酷使で疲弊すると、癒しと励みを求め、瞑想、ヨガ、座禅で穏やかな心や、漲る活力を得ようとする人が急増している。

脳科学でも実証された「マインドフルネス」の考え方は、世界的なブームへ拡大している。

瞑想のリラックスには、右脳からのアルファ波と「1/Fゆらぎ」が深く関わる。揺らぎ(リズム)は自然界の全てに存在し「万物は揺らぐ」だが、突発や意外性の揺らぎを除く、心地よい周期が「1/Fゆらぎ」だと言われる。

海の寄せては返す波の音、小川のせせらぎ、バロック音楽、ろうそくや焚火の炎など、生命の起源である地球の揺らぎと連動されている。

人は生を受けると、胎内で母親の血液の流れを耳にして育つ。この「ザー…ザー」という血流音は海の波と同じ1/Fリズム。海を眺めて癒されるのは、生命の起源に包まれるからだ。

当然、人の心音は1/Fだが、人工物や人口音の空間だけでは瞑想は得られにくい。たまには自然の中に身を置き、心音と同期させるのも必要だ。

休日は家内と裏手の公園から、のんびり海を眺めるとしよう。皆さんも、人混みを避け「1/Fゆらぎ」に包まれてみてはどうだろうか。







2021年4月9日金曜日

就活は悩まず見直せ。

 就活に悩む学生の話。巷では新入社員らしきスーツ姿の若者を見かけるが、既に企業も学生も来年に向けての活動が始まっている。

今はコロナ禍で、採用計画を見直す企業が増えている。通常なら事業計画と退社数を見越して採用するが、採用を控えると数年後に人材不足がボディブローで効いてくる。

ところが、今はそんなことを言ってられない。好調な企業は、求めるスキルと採用枠にも限度があり、全体は就職氷河期に突入している。

一方、学生側も苦労する。希望の業界を諦め、取り敢えずの選択では、お互いが後悔する。

先日、就活する学生から「そもそも何をしたいか分からない」と相談された。当時自分も明確な将来像など無かったが、基本的心構えは伝えた。

先ず、自分のテーマを見つける。やりたいことが無ければ、業種より大手企業の安定型か、業界劣位でトップを目指す挑戦型。安定と貢献なら公務員型、起業や資格取得なら学び重視のキャリアアップ型と、自分の志向するテーマを探ることだ。

それには、知り合いやOBからの情報収集が肝要。企業のHPでは掴めない生の声を聴き、方向性を幾つか絞り込むことをお勧めする。


小さく纏るな、大器晩成であれ。


私ごとだが、当初TVCM制作が希望で、広告代理店の大学OBを手当り次第訪問。すると「代理店より広告主の宣伝部を狙え」と皆が言う。

そこで、広告に投資する企業のOBに職種問わず、片っ端から会うと、何故か、業界のトップを目指している会社のOBが活き活きとしている。

ならば、果敢に広告を打つ各業界2位の会社に絞り、願書、面接。そして、トップ資生堂に「追いつけ追い越せ」のカネボウと巡り合う。

法大就職課は、カネボウは慶應学閥、成績も悪く無謀だと言われたが、カネボウ化粧品が頭脳より気力・体力・挑戦を求めたことも功奏した。

私見だが、トップは守りの姿勢が強く、優秀でそつがない人材を、劣位の企業は攻めの姿勢が強く、冒険をおそれない人材を求める傾向がある。

私も採用側になると、頭脳明晰以上に伸びしろがある覇気のある人材を求めた。質問や依頼に、虚勢を張らず真摯に応える姿が重要で、完璧より未完の大器に魅力を感じる。


頑張る奴は夢を語り、怠ける奴は言い訳を語る。


最後に入社後に自己成長するコツを一言。成長は育成されるのでなく、自ら掴み取るもの。その為には「教えがいがある」と思って貰えるような自分になれるかだ。嫌な先輩・上司は必ずいるし「反面教師」の教えと思えば気が楽だ。

要は「謙虚・好奇心・正直」があれば他は要らない。頑張ってるアピール、分かってる自慢、あれは嫌だの不平不満は、何の役にも立たない。

「頑張る奴は夢を語り、怠ける奴は言い訳を語る」は名言だ。常に夢を語り、言い訳や愚痴だけの生き方は、絶対にしたくない。